『活性酸素と抗酸化酵素』の相互作用及び「抗酸化食品摂取」で生活習慣病(糖尿病等)の改善を図る

🔳🔳結論🔳🔳

■過食はご法度。バランスを意識した適食と筋力を落とさない生活活動の継続。

以下は結論を導きだした情報になる。

前半は「身体細胞に有害な活性酸素の発生仕組みと抗酸化酵素による活性酸素の無害化」について記載

出典:左図)https://www.kobe-chiropractic.com/kenkou-tukuri.html#2018.10.30           右図)https://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc2/doc2-021-04.html

後半は『糖尿病 治すには 薬ではなく食事』のキーワードから

・体内に備わっている『抗酸化酵素』の増加率は

⇒加齢と共に低下する。

⇒多種少量でも良いので意識的に「抗酸化食品」の摂取で代替化を図る事について記載。

出典:左図)https://health.suntory.co.jp/professor/vol32/                     右図)http://www.taolab.com/magazine/2018/07/post-29.html

◆生活習慣病(糖尿病、高血圧、動脈硬化等)の予防戦略として

・象徴事例として「内臓脂肪肥大化による糖尿病」の発症仕組みから

⇒予防活動を日常生活に落とし込む。

出典:左図)https://metabostudy.hatenablog.com/                       右図)薬に頼らず痛風発作が防げる!尿酸値リセット 著者:細谷龍男
出典:左図)https://plan-age.com/archives/1492                        右図)https://www.ryudai2nai.com/doc/20150624.pdf
出典:左図)https://sakuradayori.org/nutrition/3761/ (一部改変)                     右図)https://nagoya.heart-center.or.jp/div04_7_archive/div04_7_180401.html

・具体的な予防活動として『生活活動(=筋肉を動かす)による糖尿病予防』

⇒週4日、1時間程度のウォーキング&家庭菜園による中間評価(体重が減る≠体脂肪が減る)

注①:主タイトル『速く歩ける筋力を養う』、サブタイトル「筋肉を使って糖を消費する:健康寿命」にて記載。

注②:結論である筋力を落とさない生活活動の継続の詳細内容は、注①のサブタイトル「筋肉を使って糖を消費する:健康寿命」■運動(有酸素運動)はインスリンとは異なる経路で血糖値を低下させうるにて記載。

出典:月刊糖尿病 2015/1 Vol.7 No.1
出典:左図)https://sprint-condition.info/category22/category23/entry411.html
出典:左図)https://yoshimasa-naika.jp/diabetic/shidou45.html                  右図)https://mainichigahakken.net/health/article/post-1183.php
糖尿病にならない為に食べるべき「お米」とは?糖尿病を予防する食べ物の選び方

出典:糖尿病にならない為に食べるべき「お米」とは?糖尿病を予防する食べ物の選び方

・1年間の中間結果

⇒生活習慣の見直しを含めて概ね初期・中間期において毎月コンスタントに体重が2kg減。

⇒1年間で体重が22kg減した要因を多面的に検証し、

出典:左図)https://minchalle.com/blog/low-carb-diet                 右図)https://www.gohansaisai.com/know/entry/detail.html?i=151

消化の観点から炭水化物摂取(多糖のデンプン⇒単糖のブドウ糖)の再評価を含め

出典:左図)http://www.touyouigaku.org/blog/2018/03/-3031-1427424.html

次の改善活動(PDCAサイクルを回す)に繋げる。

<参考情報:宮坂 昌之 大坂大学名誉教授のFacebook 2024年4月7日投稿記事より>

きのうの私のFBポストで「肥満はがん死亡のリスクを上げる」ことについて紹介しましたが、問題は「なぜそのようなことが起きるのか?」ということです。

肥満に伴い、体内の脂肪組織の量が増加しますが、これに伴い、脂肪組織中に存在する多種類の免疫細胞が動的な変化を起こすようになります。特に過食による体重増加が起きると、脂肪組織中で慢性炎症が起きて、このために、血糖値を下げるホルモンであるインスリンに対する抵抗性が出現し、結果的にインスリンの働きが悪くなり、そのために血糖値が上がることが知られています。つまり過食による肥満では、脂肪組織で慢性的に炎症が起きることが問題で、これがインスリンを介した糖代謝機構に悪影響を与えるのです。

今回、アメリカの研究グループがこのことについて詳細に調べるために、マウスで過食あるいは食事制限によって体重増加、体重減少を誘導し、これに伴って起きる脂肪組織での免疫細胞の変化とその全身的な影響についていくつものタイムポイントで経時的に調べました(なかなかヒトではできない実験です)。その結果、分かってきたのは次のことでした。

1.食事制限による体重減少によってインスリン抵抗性は改善するものの、以前の肥満時に既に誘導されていた脂肪組織中の免疫細胞の異常は改善しなかった(=体重減少により、代謝異常は改善されても、免疫異常は容易には改善されない)。

2.この状態で過食によって肥満が再度誘導されると、免疫細胞に強い変化が起きて炎症が以前よりも悪化していた(=体重を一時的に落としても、再度肥満になると、脂肪組織での炎症が以前より進み、状態が悪化する)。

3.さらに、脂肪組織での炎症が悪化すると、生体防御に重要な役割をするT細胞や2型自然免疫細胞の機能が低下する(=ウイルス感染に対する防御力が弱くなり、がんの発生を止めにくくなる)。

以上、マウスでの実験結果ではありますが、これまでのデータを見ると、同様のことがヒトでも起きているであろうと推測されます。

脂肪組織は、単なる脂肪細胞の集積の場ではなくて、種々の免疫細胞が存在する場でもあります。肥満によって脂肪組織に慢性的な炎症が起きると、たとえ少々体重減少をしても、容易には脂肪組織での炎症は消えず、そこに過食をすると、前よりもひどい炎症が起きることになります。そして結果的に免疫力が低下します。つまり、体重増加と体重減少を繰り返すと、かえってまずいことにつながることになります。

肥満の人は体重減少を試みても、約6割の人が数年後にリバウンドを起こしてまた肥満状態に戻る、とのことです。そして、これまでの報告から、そのようなことを繰り返すことにより、糖尿病や心血管疾患の発症リスクが上がり、やがて、ウイルス感染に弱くなり、がん発症のリスクが上がることが分かっています。

今回の結果から、その原因として脂肪組織に存在する免疫細胞が過食による刺激を受けて炎症を起こし、それが収まらずに続き、次の過食の機会によって免疫細胞がさらに刺激を受けて炎症が増幅されることがわかりました。

過食、体重制限、過食、体重制限の繰り返しがからだに良くない理由の一つがここにあるようです。

最初に細胞にとって有害な活性酸素の生成プロセスとそれを無害化する抗酸化酵素の働き等について

 前半部で記載する。

🔳身体のサビ(=活性酸素)の発生プロセスと発生箇所及び抗酸化酵素について

人間は呼吸(肺呼吸と細胞呼吸)によって体内(肺と細胞)に酸素O₂(三重項酸素³O₂:通常大気中に存在する酸素の状態)を取込み、

出典:体内に取り込んだ酸素の行先 
http://o2-rich.com/2012/07/30/circulate_of_oxygen/

食事でとった栄養素(炭水化物=ブドウ糖、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、植物繊維)、例えば炭水化物は胃腸で消化・吸収される時、消化酵素の働きでブドウ糖に変わる。そしてブドウ糖が血液中に流れ込むと、すい臓から分泌されるインスリンによって体内にある細胞のミトコンドリアに送り込まれる。

出典:左図)http://ala-agingcare.jp/ala/002/
   右図)http://www.kogaku-pub.com/product/pdf/10000304.pdf

細胞に送り込まれた酸素分子O₂(三重項酸素³O₂)と栄養素(代表例としてブドウ糖)は、細胞の中に存在する細胞質基質、ミトコンドリア内で一連の化学反応(解糖系⇒クエン酸回路⇒電子伝達系)を経て生命活動のエネルギー(ATP)を作り出している

出典:高校生物をまとめてみる 生物基礎 第1章 生物の特徴(代謝)

 尚、サブタイトル「①身体における細胞の新陳代謝と五大栄養素の役割」にて細胞に届く栄養素の仕組み、「②身体の細胞呼吸」にてミトコンドリア内で一連の化学反応について、それぞれ詳細内容を記載しています。

クエン酸回路で生成された還元型補酵素NADHとFADH₂は『電子伝達系』に電子e⁻を渡す

NADHは複合体Ⅰ、FADH₂は複合体Ⅱに電子e⁻を渡す。

⇒電子e⁻を受取った複合体Ⅰ、ⅡはCoQ(ユビキノン)に電子e⁻を渡す。

⇒その後、電子e⁻は複合体Ⅲ・シククロムc(Cyt.C)・複合体Ⅳを介し、電子e⁻が酸素分子O₂に渡される事により、水が生じる。

出典:月刊糖尿病 2017/8 Vol.9 No.8 ミトコンドリア病に伴う糖尿病http://igaku.co.jp/pdf/1708_tonyobyo-02.pdf

 NADH→NAD⁺+H⁺+2e⁻

 FADH₂→FAD+2H+2e⁻

 4H⁺+4e⁻+O₂→2H₂O

電子e⁻とプロトンH⁺は、NADHとFADH₂から供給(=電子伝達系(複合体Ⅰと複合体Ⅱ))され電子伝達系Ⅲ→Ⅳを経由して、酸素分子O₂に段階的に引き渡され水(2H₂O)になる。

出典:http://maruhogenkinotane.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/224_4f0c.html

この過程で

必ずしも酸素分子O₂(三重項酸素³O₂)に電子e⁻が確実に4つ渡されると限らない

血液中の酸素を細胞膜に取り込んだ酸素分子O₂の内、一部(概ね1%程度)が変化して『活性酸素(フリーラジカル)』が生じる

出典:おおた内科消化器科クリニック https://ota-clin.com/agingcheck/oxygen/

活性酸素(フリーラジカル)の発生場所

 複合体Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳにて電子e⁻の一部がこぼれ、酸素分子O₂(三重項酸素³O₂)と結びつく。

O₂の4電子e⁻還元:活性酸素が生まれる仕組み

1)O₂ + e⁻ → O₂⁻・(スーパーオキシドラジカル

2)O₂⁻ ・+ e⁻ + 2H⁺ + → H₂O₂(過酸化水素

3)H₂O₂ + e⁻ → ・OH (ヒドロキシルラジカル

          OH⁻(OHイオン)

4)・OH + e⁻ + H⁺ + → H₂O

  OH⁻ + H⁺ → H₂O  

酸素分子O₂が4個の電子e⁻と4個のプロトンH⁺に反応して、最終的には安定的で無害な水に変わる

出典:https://www.jafs.org/educational_activities_business/open_lecture/open-lecture_25/ube_frontier_college/pdf/documents_distributed_01.pdf
出典:上図)https://patacom.info/blog/oxygen_002/                     下図)https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/031624.html
出典:左図)http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q65.html                     右図)https://www.molecularscience.jp/lecture/Inorg2_12.pdf

注1:酸素分子とは、三重項酸素³O₂の事を指す

注2:物資の最も安定的な状態は『基底状態』と呼ばれ、有機化合物との反応性はあまり高くない。

注3:上左図の赤字矢印で分かるように、三重項酸素³O₂(安定分子=基底状態)のスピンの向きは同じ方向にある。

 三重項酸素³O₂はパウリの排他原理(電子e⁻の状態=1つの電子軌道には2つの電子e⁻しか入らない)より、電子e⁻はスピンがあり、互いに反対方向を向いた状態でないと電子軌道に入れないの例外

 ほとんどの分子では、一重項(スピンの向きが互いに反対方向)の状態がより安定であるので、通常、一重項になっている。しかし、酸素分子は例外で三重項(スピンの向きが互い同じ方向)の方がより安定であるので、通常、酸素分子は三重項となっている。

注4:三重項酸素³O₂(安定分子=基底状態)に何らかの原因(放電、光、電気化学的な方法等)で『励起』すると一重項酸素¹O₂(不安定分子)に変化し、活性酸素として様々な物質と反応し、生体分子等にに傷害(酸化させる)を与える

注5:両酸素の違いを理解する為に量子力学の概念(分子軌道法:電子軌道上のスピン)を学ぶ必要が有る。別途『量子力学の概念から活性酸素を理解する』にて詳細検討を行う。

注6:電子軌道は『電子が存在する確率』を示している。例えば水素原子Hにある電子は、K殻にある確率が全体的に高いが、場合によっては電子軌道の中に電子が存在しない事もある。(量子力学の概念)

出典:https://organic-mother-life.com/2020/06/05/organic-oil-skincare/
https://secondopinion-japan.com/blog/detox_active_oxygen_antioxidant_power/   https://tohokukogyo-k.co.jp/environment/hwp/power/

・三重項酸素³O₂(酸素分子O₂)

⇒酸素原子2個から成り、一般的に存在する酸素。両側の不対電子同士がペアを作っており比較的安定している。

⇒スピン量子数の和=1(1/2+1/2)

一重項酸素¹O₂(活性酸素)

⇒空軌道を埋めよう電子の多い分子を攻撃して電子を奪う(相手を酸化=傷害させる)。

⇒スピン量子数の和=0(1/2-1/2)

・スーパーオキシドO₂⁻(活性酸素)

片方だけが不対電子になった状態の最も一般的な活性酸素

(酸素が電子を1つ受け取り、陰イオンに変化)

⇒反応性はそれほど高くないが、過酸化水素H₂O₂やヒドロキシルラジカル・OH の活性酸素を生成する。

・過酸化水素H₂O₂(活性酸素)

⇒酸素原子と水素原子が共に2個ずつ付いた状態。ちょっとしたきっかけでヒドロキシラジカルに変化。

・ヒドロキシルラジカル・OH (活性酸素)

最も反応性に富んだ活性酸素。(不対電子

⇒過酸化水素H₂O₂が金属イオンと反応した時に出来る酸素原子1個と水素原子1個から成る。

(フェトン反応は、過酸化水素H₂O₂と二価の鉄イオン等が反応してヒドロキシルラジカル・OH を生成する反応。フェトン反応:H₂O₂ + Fe²⁺ → Fe³⁺ + HO⁻ + HO・ )

細胞内側から膜傷害をきたし、赤血球を溶血させると言われている

ヒドロキシルラジカル・OH は酸化力が最も強く、酵素タンパク質(NADH等)や細胞骨格タンパク質、脂質、糖質、核酸(DNA、RNA)と反応(傷害)し、癌の原因と言われている。

出典:左図)https://www.kango-roo.com/learning/1558/                     右図)https://www.terumozaidan.or.jp/labo/technology/13/04.html 

注:活性酸素は不対電子を持ち反応性が高く不安定な物質なので、生体分子やDNA等に傷害を与える。

出典:上図)活性酸素の電子配置図 http://hobab.fc2web.com/sub2-dennsihaichi.htm
右下図)https://www.sbfoods.co.jp/sbsoken/qa/sub/health_active_o.html

活性酸素種(¹O₂、O₂⁻、H₂O₂、・OH )

細胞の各所を無差別に酸化する

酸化ストレス(酸化還元状態の恒常性の破綻)による細胞障害は多岐に渡る

酸化力の強弱

一重項酸素¹O₂<スーパーオキシドO₂⁻<過酸化水素H₂O₂<ヒドロキシルラジカル・OH

出典:左図)https://sakuradayori.org/nutrition/3761/ (一部改変)                     右図)https://nagoya.heart-center.or.jp/div04_7_archive/div04_7_180401.html

ミトコンドリアとは

エネルギーの供給所、細胞の発電所。

⇒ミトコンドリアは酸素を取り込んでATPの大部分を供給している

⇒心臓、肝臓や筋肉などエネルギーを多く必要とする細胞には、ミトコンドリアが多く存在する。

出典:https://momo-sinkyu-ise.com/2021/01/20/saibounaitouriyousyougai/

心臓の働き(酸素、ATP生成・消費)から眺めてみると

⇒心臓は毎日約10万回、絶えず収縮・拡張を続けている。

⇒その過程でエネルギーとして大量のATPを産出し消費している

これらATPの合成は酸素消費を伴う形で細胞呼吸(細胞の中に存在する細胞質基質、ミトコンドリア内)として行われている

出典:左図)https://tricraft-jp.com/energy-atp/                         右図)http://y-arisa.sakura.ne.jp/link/yamadaka/animal-cell/gene/ATP-1.htm

⇒心臓は体内全体の約10%の酸素を消費しており、更に肝臓・腎臓も大量にATP、酸素を消費している。

⇒これら生活習慣病に関る3っの臓器で体内の約40%の酸素を消費している事が知られている。

生活習慣病

各臓器におけるATP及び酸素需要が現状より更に増加すると考えられ

電子伝達系で発生する『活性酸素』が増大すると(=即ちミトコンドリア機能に活性酸素が損傷を与える事で

ミトコンドリア機能の低下(活動エネルギーATP産出の低下の一例として糖尿病による体重減等)を招き

⇒生活習慣病の代表である糖尿病・高血圧・動脈硬化・歯周病等の発症が高まる

出典:https://www.sumirin-ht.co.jp/oyakudachi/body/007445.html

◆◆細胞は酸素分子³O₂を巧妙に制御して、細胞障害を回避する仕組みも同時に用意◆◆

活性酸素(フリーラジカル)を消去する『抗酸化酵素SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)

・抗酸化物質(抗酸化酵素

⇒活性酸素の発生を抑制したり、消去する物質(抗酸化物質)の事である

出典:http://web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/Biology04_Energy%20metabolism.pdf

抗酸化酵素(抗酸化物質)SODの発生箇所

ミトコンドリア膜間腔側に発生したスーパーオキシドはSODⅠ

マトリックス側に発生したスーパーオキシドはSOD Ⅱ

出典:(株) 同仁グローカル「酵素の仕事」シリーズ6)スーパーオキサイドディスムターゼhttps://www.dojin-glocal.com/sod%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D

 SODⅠとSOD Ⅱ が酸素と過酸化水素H₂O₂に不均化し、

 過酸化水素H₂O₂はグルタチオンぺルオキシダーゼやカタラーゼによって安全な水に還元される

出典:運動と酸化ストレス―活性酸素と抗酸化防御のバランスの重要性―大 石 修 司https://iryogakkai.jp/2015-69-07/317-24.pdf
出典:銀座東京クリニック 酸化ストレスの軽減を目指したがん治療https://www.1ginzaclinic.com/hydrogen/hydrogen-gas-antioxidant.html
出典:放射線によって生じるヒドロキシルラジカルの定量測定と分子レベル生成ジオメトリーの評価 千葉大学大学院融合科学研究科ナノサイエンス専攻ナノバイオロジーコース小川 幸大 氏https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/105381/YGA_0031.pdf

 尚、『食』を科学的(医学的知見に基づき)に分析する予防医学を大きなテーマに挙げられている医者のYouTube動画を紹介したい。

最初に、抗酸化物資であるグルタチオン(GPX)について分かりすく解説している動画である。情報発信者であるDr Ishiguro氏はYouTubeサイトにて以下のように記載している。

アメリカ最先端の予防医学を啓蒙--- エネルギーを向上させ、薬に頼らない究極の健康法を指導するがん治療専門外科医であると自己紹介している。

老化防止にグルタチオンを意識するーグルタチオンを上昇させる食品は?
出典:https://himitsu.wakasa.jp/contents/sulforaphane/

・抗酸化酵素による身体の恒常性の維持

 抗酸化酵素(SOD)により活性酸素は消去され、酸化還元(レドックス)バランスが保たれ、恒常性が維持される。

老化や疾患が身体に与える影響

 活性酸素(フリーラジカル)の過剰発生や抗酸化能が低下すると、酸化還元(レドックス)バランスが崩れ、酸化ストレス(酸化還元状態の恒常性の破綻)が引き起こされる。

出典:左図)https://health.suntory.co.jp/professor/vol32/                      右図)review Fujimoto https://www.nagasaki-nouge.jp/wp-content/uploads/2019/07/488bbb9e25ff15956ba50e442a16945a.pdf
出典:左図)https://www.kobe-chiropractic.com/kenkou-tukuri.html#2018.10.30           右図)https://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc2/doc2-021-04.html

ミトコンドリアDNA(mtDNA)がコードする遺伝子数

・数は少ない。

⇒ミトコンドリア内でATPを産生するタンパク質(電子伝達系)の遺伝子をコードしているのがミトコンドリアDNA(mtDNA)である

⇒他にリボソームRNA(rRNA)やトランスファーRNA(tRNA)がある。

出典:左図)https://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/bf964057a1e832f8629e9ff9cf0a6052    右図)https://www.kobe-chiropractic.com/central-dogma.gif

ミトコンドリアDNA(mtDNA)への損傷

 活性酸素は強い酸化反応性を持つことから、そばにあるミトコンドリアDNA(mtDNA)を強く傷つける。

⇒ミトコンドリアDNA(mtDNA)の傷害は、呼吸鎖複合体の分子構造の異常、ひいては電子伝達効率の低下(適正にATP合成ができなくなり、エネルギー不足による様々な機能障害を起こす)と活性酸素の増加をもたらすと考えられている。

出典:左図)https://www.terumozaidan.or.jp/labo/technology/13/04.html             右図)環境省 https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-03-02-03.html

⇒活性酸素から障害を受ける危険度は、細胞核にあるDNAよりも極端に高く、突然変異も高くなり、それによって起こる機能障害(DNAのミスマッチ修復機構の欠損)が年と共に蓄積し、それが癌や老化の原因の一つと考えられている。

出典:https://www.septem-kirei.com/detail/2016-10/p02.html
出典:左図)第6章 ミトコンドリアっ!!~素晴らしき彼女らの連携 筑波大学生命環境系教授 中田和人 右図)https://genetics.qlife.jp/tutorials/Variants-and-Health/Can-changes-in-mitochondrial-DNA-affect-health-and-development

◆ミトコンドリア二重支配

 ミトコンドリアの呼吸機能は呼吸酵素複合体Ⅰ~Ⅴによって行われている。

・この呼吸酵素複合体Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴは

⇒ミトコンドリア由来のサブユニット(緑色)と

⇒核ゲノム由来のサブユニット(ピンク色)

 によって形成されている。

 このため、ミトコンドリアの呼吸機能は

 核とミトコンドリアの両方のゲノムによって制御されていることになる

(第6章 ミトコンドリアっ!!~素晴らしき彼女らの連携より転記)

🔳抗酸化力を高める食品(野菜と果物)

◆フルーツサラダを摂取する意義(エキストラバージンオリーブオイルを振りかける意味)

動物だけでなく植物のミトコンドリアからも絶えず活性酸素(フリーラジカル)が発生しているが、抗酸化物質により活性酸素を消去して酸化ストレスのバランスを保っている。

出典:https://www.shinkokeirin.co.jp/keirinkan/digital/taiken/kou/rika/
seibutsu_h26/sencor/creature_p4.pdf

植物は自分の身を守る為に抗酸化物質を蓄えている。

野菜や果物を食べるのは、

カロリーや必須アミノ酸(体内で合成できない:9種類)を摂るだけでなく、

野菜や果物が蓄えた抗酸化物質を摂取する為である

例えば、野菜や果物はビタミンCやEなどのビタミンやポリフェノールなどの抗酸化物質を含む

植物が活性酸素や紫外線下で日焼けしないのは

抗酸化物資やファイトケミカルが保護しているからである

(上記の例は山口大学名誉教授 2013.9.28. サイエンスカフェ 宇部フロンテイア大学短期大学部 松冨直利 • ヒトが健康で長生きするには、野菜摂取は宿命です の資料より)

出典:http://www.taolab.com/magazine/2018/07/post-29.html

 尚、光合成に関しては『光合成の知見を積極的に活用する』サブタイトル「①明反応(光合成電子伝達反応)と②暗反応(炭素固定反応)」にて記載しています。

◆抗酸化物質ビタミンCとE

・『ビタミンCが豊富』と言われる果物や野菜の中でも、キウイのビタミンC含有量は特に多い事で知られている。

⇒1日に必要とされるビタミンCは成人で100mgとされているところ、キウイ1個(約100g)に含まれるビタミンCは70~140mg。

⇒キウイ1個で、1日に必要なビタミンCをほとんど摂取する事ができる。

ビタミンEも含まれ可食部100gあたり1.1mg(ゴールデンキウイ)

キウイなら、ビタミンCとEによる抗酸化物質の『相互作用』もある。

【参考情報】1mg=0.001g。

出典:(株)ウイスマー社 (抗酸化力を高める最適なデトックス法とは)
https://secondopinion-japan.com/blog/detox_active_oxygen_antioxidant_power/
出典:(株)ウイスマー社 (抗酸化力を高める最適なデトックス法とは)
https://secondopinion-japan.com/blog/detox_active_oxygen_antioxidant_power/

抗酸化物質ビタミンEとCの相互作用

ビタミンE】

過酸化脂質(アルデヒド)の増加を防ぐ効果がある。

⇒細胞膜に発生する活性酸素は過酸化脂質を産生して細胞膜を傷害する。

過酸化脂質は、細胞を覆っている不飽和脂肪酸と活性酸素が結びついてできる物質。

⇒ビタミンEは酸化されやすく、活性酸素と結びついてフリーラジカル(不対電子)を除去する働きがあり、これを抗酸化作用という。

その結果、正常細胞の脂質が酸化されず済む。

⇒1日に必要とされるビタミンEは50歳~74歳(男)で7.0㎎とされている。

出典:https://magico.store/style/10768/ (一部改変)

注①:過酸化脂質は皮下脂肪やメタボでおなじみの内臓脂肪要因にもなる。

注②:過酸化脂質(アルデヒド)の更なる内容については、Dr Ishiguro氏の動画『グルタチオン 老化防止』にて紹介されています。

出典:左図)https://sakuradayori.org/nutrition/3761/ (一部改変)                     右図)https://nagoya.heart-center.or.jp/div04_7_archive/div04_7_180401.html

ビタミンC】

ビタミンEを助けることで、酸化と闘う。

⇒活性酸素によって酸化されたビタミンEは、抗酸化力を失うが、ビタミンCがあるとビタミンEは再び抗酸化力を回復する

出典:https://rainafterfine.com/2019/03/02/post-285/

【参考情報】ビタミンEの多い食品。

  • 種実類:アーモンド(乾):100gあたりの含有量30mg(10粒、14g)
  • 油脂類:ひまわり油:100gあたりの含有量39mg(大さじ1、12g)
  • 油脂類:オリーブ油:100gあたりの含有量7.4mg(大さじ1、12g)
  • 魚類:銀だら:100gあたりの含有量4.6mg(1切れ、130g)
  • 穀類:水稲めし、玄米:100gあたりの含有量0.5mg(小盛り1杯、100g)
  • 果物:ゴールデンキウイ:100gあたりの含有量1.1mg(1個、100g)
出典:東京都健康長寿医療センター研究所 https://www.tmghig.jp/research/topics/201606/

【参考情報】ビタミンCの多い果物順。

  • 1位 アセロラ(酸味種、生):100gあたりの含有量1,700mg.
  • 2位 アセロラ(甘味種、生):100gあたりの含有量800mg.
  • 3位 ゆず:100gあたりの含有量160mg.
  • 4位 キウイフルーツ:100gあたりの含有量140mg.
  • 5位 すだち:100gあたりの含有量110mg.

◆HbA1cの数値を意識した果物の『参考』果糖摂取量について(糖尿病の悪化防止観点から)

糖尿病の方が安心して食べられる果物の『参考』目安

1日約80kcal分

出典:H2(株)糖尿病に果物は良い悪い?血糖値をあげにくいフルーツの食べ方を紹介https://www.health2sync.com/ja/company/blog/how-is-the-fruits-for-diabetes

果物(抗酸化力)の頂点に立つキウイ

⇒下記の図は、果物の17種類の栄養素の凝縮具合をピラミット式に表したもの。

出典:H2(株)糖尿病に果物は良い悪い?血糖値をあげにくいフルーツの食べ方を紹介https://www.health2sync.com/ja/company/blog/how-is-the-fruits-for-diabetes

キウイのカロリーと糖質(100g換算)

出典:H2(株)キウイのカロリーと糖質は低い?https://www.health2sync.com/ja/company/blog/kiwi-sugar

・キウイ1個や半分の量

出典:H2(株)キウイのカロリーと糖質は低い?https://www.health2sync.com/ja/company/blog/kiwi-sugar

⇒朝・昼のフルーツサラダにキウイを1/4個ずつ摂取すれば合計で1/2個になり、キウイの1日の糖質摂取量は4.1g~6.0g(26kcal~32kcal)に抑える事が目安として判断できる。

ブルーベリーと比較してキウイの甘さに驚き摂取を躊躇ったが、情報取集の結果から摂取量に注意を払えば、安心して食しても可能だと思える。

注:フルーツは食べる時間にも注意が必要。夕方から夜間にかけて食べると、眠った頃に血糖値を上げる事になる。一番良いのは基礎代謝が高い朝。3時のおやつタイム頃までなら食べても大丈夫。(H2(株)キウイのカロリーと糖質は低い?より転記)

定期的な血液検査結果(1カ月半~2ヵ月毎でPDCAサイクルを回す。

⇒生活習慣の見直し(間食を止め、摂取する食品の見直しと1時間程度のウォーキング)に基づき、定期的に血液検査を実施する事で各種血液検査項目の数値推移が把握できる。

検査結果数値の推移の変化で改善点を再度洗い出し、修正し、次の検査準備に繋げていく活動にて生活習慣病の克服を試みる。

出典:PDCAサイクルの失敗事例から学ぶ!回し方のポイントとは?https://drm.ricoh.jp/lab/glossary/g00061.html

🔳生活習慣病の予防戦略

再度、Dr Ishiguro氏のYouTube情報発信を紹介する。(アメリカ最先端の予防医学を啓蒙 エネルギーを向上させ、薬に頼らない究極の健康法を指導するがん治療専門外科医)

糖尿病は薬で治るのか?症状を改善と予防する「食事法」について解説されており傾聴に値する。

糖尿病は薬で治るのか?症状を改善と予防する「食事法」について解説します。

 最後に

 昨年11月中旬の定期健康診断にて、ヘモグロビンA1cの値が8.7であるとの結果を主治医から説明を受け、生活習慣の見直し(間食を止め、摂取する食品の見直しと1時間程度のウォーキング)を昨年12月より開始し、現在ヘモグロビンA1cの値は6.8までに改善。

 副次効果として10年間服用していた高血圧の薬も中止するまでに至る(コロナ禍で体重が6㎏増、7カ月間の生活習慣の見直し活動で体重は13kg減。BMIは23.74。)。

但し意識的にダイエットをした訳ではない。軽度な運動(坂道の登り下りを散歩コースに組み込む)で筋肉を落とさないように心掛けているが、加齢に伴う筋力の低下対策も講じる必要があると感じている。

 尚、急激な体重減に主治医は癌を疑い、CTによる各種内蔵の癌チェックと血液検査(CEA/CLIA、CA19-9/CLIA)からの結果及び昨年11月に胃カメラと大腸内視鏡による検査結果からも判断して、癌の疑いは少ないと主治医から伺う。

 生活習慣の見直しの情報収集過程でDr Ishiguro氏のYouTube情報発信サイトに出会い、自ら学び、行動に繋がるレベルにまでに理解する事を目指せば、継続的な活動は可能であると実感している。

 老化に伴い『体内の抗酸化酵素(SOD)の増加率』が急激に低下するデータからも分かるように、『治療薬=医療機関が果たして来た役割と貢献』にも限界があるのは自明である。

 限界を突破する事で時代を前に押し進める原動力としての人間の営みには敬意を払うが、光(医は仁術)が輝ければ輝くほど闇(医は算術)もまた暗し。

 予防医学(食事で治療する時代?)という新たな分野が切り拓く未来は、持続可能な社会(SDGs)と歩調を合わせ、かつ時代の要請(医療費が年間47兆円)でもあるように思う。

出典:国民医療費等の推移(その1)(2019年度国民医療費1 211109)https://gemmed.ghc-j.com/?p=44190

 限られた寿命(健康寿命も含む)を穏やかに過ごす(生活習慣病等にならない生活)為に個人が出来る生活指針として以下の動画を紹介する。

食事で治療を行う時代か!?(Dr Ishiguro氏のYouTube情報発信より)

食事で治療を行う時代か!?

自己免疫性疾患 免疫系が正常に機能しなくなり、自分の組織を異物と認識して自己抗体と呼ばれる抗体を産生し、これらが特定の細胞や組織を標的にして攻撃する疾患です。

原因は不明とされ治療は免疫を抑える薬を使用することです。

よくみられる自己免疫疾患には、バセドウ病、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、尋常性乾癬などがあります。(同氏のYouTube紹介文より)

 2020年3月以降、世界に蔓延した新型コロナウイルス。

その感染の重症化(サイトカインストーム)を抑える治療薬として、効果があるとされる関節リュウマチ治療薬『アクテムラ』について昨年夏頃調べた事がある。

 出典:前田 浩(故・前田浩先生(熊本大学名誉教授))著:最強の野菜スープ 40人の証言

 この薬を開発したのは、元大阪大学医学部教授(分子生物学)で総長でもあった岸本 忠三、前総長   平野 俊夫(現 量子科学技術研究開発機構初代理事長:QST)氏らによる医師としての関節リュウマチ治療行為とセットで研究、実験、発見(インターロイキン-6)から創薬に至る開発ストーリを知り、免疫について学ぶきっかけになった。

 特に岸本氏のインタビュー記事で印象に残ったのが「臨床を経験してから研究を始めた仲間」である。「我々の強みは何んや。病気を知っていることであり、患者を知っていることや」と言い続けた。

基礎研究を必ず治療に結びつけるのだという意気込みを忘れないためです。

 両氏共2009年にクラフォード賞を受賞しており、平野 QST理事長が投稿している日刊工業新聞 2022年3月7日付け「卓見異見」において時代の主要な生命科学の推移についての記事を紹介する。

 16世紀末に光学顕微鏡が発明されて細胞が発見され、生命科学は分類学から細胞生物学にパラダイムシフトした。そして、電子顕微鏡や遺伝子工学の技術革新で分子生物学が花開き、免疫学、ウイルス学、脳神経科学などの生命科学が飛躍的発展を遂げた。

 デオキシリボ核酸(DNA)二重らせん構造の発見に始まり、DNAに記された遺伝情報からたんぱく質が作られる仕組みやその役割などが明らかになった。がんやさまざまな病気に対する医薬、新型コロナウイルスに対する治療薬やmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンなどが開発され、人類は分子生物学の恩恵を受けている。

 ヒトを始めとしたさまざまな生物種の全遺伝情報(ゲノム)もすでに解読され、生物の部品の情報が得られた。しかし、自動車は分解して組み立てると動くが、ヒトや大腸菌を分解しても元通りにならない。

 部品どうしの繊細な相互作用の情報が欠落しているからだ。

 つまり要素還元的なアプローチだけでは「生命とは何か?」に対する答えを得ることはできない。

 同氏は、量子論・量子力学の視点や技術で生命科学にパラダイムシフトを起こそうとするのが、量子生命科学だと投稿している。

 同氏が提唱する『量子メス』の概念等もこの文脈で読むと次のフロンティアが見えてくる。

 一方、本庶 佑(ノーベル医学生理学賞)氏によるがん免疫治療薬「オプジーボ」の開発も同様に『知の形成』が大学内に留まらず、社会への貢献という形で結びつき、社会を前進させている。

 尚、YouTubeのがん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ氏の最近の情報発信で

【衝撃!】新薬で進行した直腸がんが消えた?抗PD-1抗体(免疫チェックポイント阻害薬)ドスタルリマブの臨床試験の紹介から、免疫治療薬「オプジーボ」の概念を活用した『抗PD-1抗体』の進化を知る。但し、今後、治療しないまま、どれ位の期間 癌がコントロールできるかはまだ分かっていない

 ブレークスルーが一旦起きると、それに続く適用範囲が一気に広がり、その動きが更に社会を前進させるが、『一錠10円のメトホルミン(糖尿病や癌にも効果がある薬)』と『ドスタルリマブ』の対比は再度、医は仁術とも算術とも言われる事を受け入れたとしても、誰もが容易に情報源にアクセスできる環境整備で『無知』を放置しない努力が社会的に求められる。

注A:メトホルミン(Ⅱ型糖尿病治療薬)は、ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰに作用し、細胞内のATPレベルを減少させる。AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ:細胞内エネルギー状態のセンサーとして働き、その状態に応じて糖・脂質代謝を調節するセリン・スレオニンキナーゼ)に作用し、解糖系(嫌気状態=無酸素状態)に関る遺伝子発現を減少させ、細胞内のエネルギー状態を同化から異化へと変化させて癌細胞の増殖抑制に作用する。(Tumor Immunity 腫瘍免疫の基礎知識 7.代謝と免疫 7.4 代謝抑制のがん免疫治療への応用より転記)

注B:AMPKー内臓脂肪を減らす細胞内スイッチ(メトホルミン(Ⅱ型糖尿病治療薬:光と影が同居)を深堀した解説動画)。抗酸化酵素(SOD、CAT、GPX)と同様に加齢と共に減少

AMPKー内臓脂肪を減らす細胞内スイッチ
右図)https://www.jfmda.gr.jp/kikaku/10/2.html

注C:糖分を含む食べ物は唾液や消化酵素でブドウ糖に分解され、小腸から血液中に吸収される。(上左下図)。食事によって血液中のブドウ糖が増えると、すい臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖が細胞(筋肉、脂肪細胞等)に送り込まれエネルギー(38ATPの生成と消費)になる。(上右図【健康なとき】)

注D:細胞にブドウ糖が取り込まれず(上右図【ところが・・】)血液中のブドウ糖の量が過剰となる病気が糖尿病。

細胞に糖を取り込むときに働くのがインスリンというホルモン。

出典:左図)https://shimoyama-naika.com/diabetes/act/ 右図)月刊糖尿病 2015/1 Vol.7 No.1

注E:GLUT4(グルコーストランスポーター 4):通常は細胞内に存在するが、糖取り込みを促進させる刺激が加わると細胞膜に移動して、細胞内への糖の取り込みの輸送通路として働く。

出典:https://www.diabetes.co.jp/dac/diabetes/about2

注F:インスリン抵抗性があると、筋肉や脂肪組織の『糖=ブドウ糖』の取り込み機能が低下し、肝臓で糖新生が抑えられなくなる。その結果、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンが必要になる。

 この状態が続くとすい臓のインスリン分泌機能が低下し、血糖値が上昇するためⅡ型糖尿病を引き起こす。

出典:左図)https://metabostudy.hatenablog.com/ 右図)https://ameblo.jp/r-smj-mbm/entry-12195455313.html(明日の輝く日はきっとくる ダイエット体脂肪を燃焼 70編より)
出典:月刊糖尿病 2015/1 Vol.7 No.1

注G:【運動の生理効果:インスリンの分泌が正常に働く別の経路

   (月刊糖尿病 2015/1 Vol.7 No.1より転記)

①運動時に生じる急性効果

骨格筋で大量に消費されるエネルギーを補う為、脂肪や炭水化物(ブドウ糖等)を燃焼させるように酵素活性が増加する反応。

この原因として骨格筋内のエネルギー状態を感知する(センサー)AMPキナーゼの活性化が想定されている。

メトホルミンはこのAMPキナーゼを活性化する事が知られている。

②運動を繰り返すことによって生じる慢性効果。

骨格筋の赤筋化、ミトコンドリアの数の増加とGLUT4(グルコーストランスポーター 4)量の増加がある。

適度な運動によりミトコンドリア機能(有酸素運動のためのエネルギーであるATPを生成すること)が向上し、更に血中から骨格筋に糖を運ぶGLUT4量の増加により血糖の取り込み能力が増加する。

ミトコンドリア機能の活性化は

脂肪酸のβ酸化を増加させ、脂肪組織から放出されている遊離脂肪酸が処理されやすくなり、肝臓での中性脂肪の蓄積を生じにくくなる。

このように、適度な運動は、骨格筋での機能不全を効率よく改善することができる。

出典:上図)http://plaza.umin.ac.jp/manabe/projects/inflammation/
右下図)https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1342.html
出典:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu/pdf/ikk-a02.pdf

体内に取り込まれた糖質(炭水化物)はブドウ糖に変換され、細胞に取り込まれてATPを産出する材料になる。

 しかし、ブドウ糖が大量に細胞に入ると、ATP産出でも消費しきれず余ったブドウ糖は『脂肪細胞』として体内に貯蔵される。

出典:左図)https://shimoyama-naika.com/diabetes/act/                     右図)http://web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/Biology04_Energy%20metabolism.pdf

 過食や運動不足を起因とした高血糖状態は

脂肪の蓄積を招き、

その脂肪細胞から出る炎症性サイトカインが

インスリン抵抗性を引き起こし、

糖尿病になる原因の一つと考えられている。

出典:左図)https://sakuradayori.org/nutrition/3761/ (一部改変)                     右図)https://nagoya.heart-center.or.jp/div04_7_archive/div04_7_180401.html
出典:左図)月刊糖尿病 2015/1 Vol.7 No.1 右図)http://www.yamaguchi-endocrine.org/pdf/ogawa.pdf

NF-κB:TNF-α、IL-6などの多くのサイトカイン(炎症促進性)の発現にも関与

TNF‐α:インスリンの働きを妨げ、血糖値を上げる

MAPキナーゼ(MAPK):代謝、増殖、分裂、運動、アポトーシス(あらかじめ予定されている細胞の死)など、細胞のさまざまな機能に関与

出典:https://www.ryudai2nai.com/doc/20150624.pdf

 新型コロナ禍において、mRNAワクチンの登場は21世紀の知の成果あり、困難な事態に直面しても新たな視点を導入する事で限界点を突破する人間の創造力と情熱は、世界に感動を与える続ける。

 枝葉の問題点を騒ぐのではなく、幹をしっかり評価できる社会制度が、創造力の果実を広く享受できるのである。

出典:NHK “革新的”研究成果がコロナワクチン開発に 女性科学者の思い

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-situation/detail/hungary.html

やっと21世紀に生きている実感を『mRNAワクチン』接種で確認出来るようになった。

出典:左図)NHK(2022年4月11日 19時09分)右図)抗酸化酵素(SOD)増加率と老化の関係https://health.suntory.co.jp/professor/vol6/
出典:https://toyokeizai.net/articles/-/597549?page=4                      上図)和歌山県福祉保健部 野尻孝子技監提供
出典:左図)http://sekatsu-kagaku.sub.jp/natural-high-polymer2.htm               右図)https://www.kobe-chiropractic.com/central-dogma.gif