FIT制度変更(未稼働案件対応)

以下の内容は

2018年12月5日 資源エネルギー庁 『既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)』の資料内容を

西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士 諸井 領児 様の『太陽光発電事業、再エネ特措法のルールの最新動向』記事(以下のURL)

https://judiciary.asahi.com/outlook/2019050600001.html#_ftn18

突き合せる事で判断(理解)ミスの回避に努める

特に営農型太陽光発電設備の導入観点から判断ミスをしないように心掛け、個人の理解の範囲に留める事をせず、事前に関係する管轄官庁に確認し、認定に必要な項目の漏れが無いようにする。

今回のFIT制度変更はビジネスプランニングを大きく変更させる内容である。

3年ルールの概要

新ルールの内容を説明する前に、まずは2017年4月1日に導入された3年ルールの内容について説明する。

3年ルールは2017年4月1日に施行された再エネ特措法の改正法に基づき導入された概念であり、かかる導入により2016年8月1日以降に接続契約を締結した案件に、原則として再エネ特措法上の認定(当該改正前の再エネ特措法に基づき認定を取得した案件については当該改正後の再エネ特措法の下で認定を取得したとみなされる日)から3年間の運転開始期限が設けられることとなった

かかる運転開始期限を遵守することができず、運転開始期限を徒過した場合には、

月単位で調達期間(再エネ特措法第3条第1項。固定価格買取制度の下での売電期間を意味し、10kW以上の太陽光発電においては20年となる。以下同じ。)が短縮されることになる。

■『太陽光発電に関する新ルール

今回策定・施行された新ルールの内容は以下の通りである。

適用対象

新ルールは、原則として、

①2012年度、2013年度又は2014年度に係る再エネ特措法上の認定を取得した事業用太陽光発電(10kW以上)であり、

②3年ルールの対象となっていない(すなわち、2016年7月31日までに接続契約を締結した)、

③未稼働案件(すなわち、運転開始に至っていない案件)

に適用されることになる。

新ルールの内容

(1) 系統連系工事着工申込み

・ 既に運転開始準備段階に入っていることを示すために、所定の期限までに系統連系工事着工申込書を提出する必要がある。

「系統連系工事着工申込み」は今回の新ルールで新たに設けられた概念である。

かかる系統連系工事着工申込書が一定の受領期限までに受領されている場合には適用される調達価格の変更はない。

かかる受領期限は、案件の規模や特殊性を踏まえて区別されている。

大規模案件においては運転開始までに時間を要することについて一定程度の配慮が示された形となっている。

出典: 2018年12月5日 資源エネルギー庁
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)
出典: 2018年12月5日 資源エネルギー庁
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)
出典: 2018年12月5日 資源エネルギー庁
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)

(2) 系統連系工事着工申込みの要件

系統連系工事着工申込みは、既に運転開始準備段階に入っていることを示すものであり、開発行為において通常完了しているであろう手続を完了していることが必要となる。具体的な要件は、主として以下の2つである

1.発電設備を設置する土地の利用権原を取得済であること。

2. 当該案件について以下の3つの許認可に係る手続が(もし必要な場合には)全て完了していること

(i) 農業振興地域の整備に関する法律に基づく農業振興地域整備計画の変更(農振除外)が完了していること、及び、農地法に基づく農地転用許可を取得していること(又は届出が受理されていること)。

(ii) 条例に基づく環境影響評価の評価書の公告・縦覧手続が完了していること。

(iii) 森林法に基づく林地開発許可を取得していること。

出典: 2018年12月5日 資源エネルギー庁
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)

(3) 系統連系工事着工申込みの受領期限を徒過した場合の取扱い

・系統連系工事着工申込書を受領期限までに提出することができず、提出が遅れた場合には、当該案件に適用される調達価格は、系統連系工事着工申込書の受領日の2年前の年度の調達価格に変更されることになる

・その結果、例えば、条例に基づく環境影響評価手続を求められない2MW以上の太陽光発電案件について、2019年8月末頃までに系統連系工事着工申込み手続を行うことができず、提出が2019年12月頃になってしまった場合には、

当該案件に適用される調達価格が当初は40円/kWh、36円/kWh又は32円/kWhであったとしても、2019年度の2年度前である2017年度の調達価格である21円/kWhに変更されることになる。

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出典: 2018年12月5日 資源エネルギー庁
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)
出典: 2018年12月5日 資源エネルギー庁
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)

**系統連系工事着工申込みの受領日が2020年度の場合は調達価格が18円**

(4) 系統連系工事着工申込み後の手続

a. 要件1.又は2.不充足の判明

送配電事業者に対して系統連系工事着工申込書の提出が行われた後に、上記(2)に記載の要件1.又は2.が充足していないことが判明した場合には、

再度の系統連系工事着工申込書の提出が必要となる

この場合、系統連系工事着工申込書が不備なく受領された日の2年前の年度の調達価格が当該案件に適用されることになる

b. 変更認定申請を行った場合
 系統連系工事着工申込書の提出後、運転開始までの間に、再生可能エネルギー発電事業計画(以下「事業計画」という。)の変更認定申請(事業計画の変更届出(軽微変更)は含まれない。)が行われた場合には、

上記a.と同様、再度の系統連系工事着工申込みが必要となり、系統連系工事着工申込書が不備なく受領された日の2年前の年度の調達価格が適用されることになる

なお、事業計画の「変更届出」が行われた場合には、調達価格の変更は行われない。この点について、例えば、案件の事業者を変更せざるを得なくなった場合、発電設備の設置場所となる地番の追加又は削除を行う場合、保守点検責任者に変更があった場合等については、

従前は、調達価格に影響のない変更認定として再エネ特措法上は整理がされてきたが、

今回の新ルールの下では、

こうした変更により系統連系工事着工申込み時から運転開始時までの間に変更認定がされた場合には、調達価格が変更されることになる点に留意が必要である

c. 連系開始の遅延

送配電事業者に対して系統連系工事着工申込書の提出が行われると、送配電事業者は当該案件の連系開始予定日を定めることになる。

資源エネルギー庁から2018年12月5日に公表された資料においては、

不可抗力等の事由により適用される調達価格が変更となるリスクを最小化する観点から、

仮に連系開始予定日までに実際の連系が間に合わない場合であっても、再度の系統連系工事着工申込みは不要とされ、系統連系予定日までに連系を開始できなかったことに起因する調達価格の変更は生じない建付けが採用されるに至った。

出典: 2018年12月5日 資源エネルギー庁
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)

5. 運転開始期限

・ 上記の系統連系工事着工申込書の受領期限までに遅滞なく系統連系工事着工申込みが行われた場合であっても、当該受領期限から1年以内(条例に基づく環境影響評価手続の対象案件については9ヶ月以内)に運転開始日を到来させる必要がある。

・ また、上記の系統連系工事着工申込書の受領期限までに系統連系工事着工申込みを行うことができず、新ルールの施行期日以降に当該着工申込みが行われた場合には、最初の系統連系工事着工申込書の受領日から起算して1年以内に運転開始日を到来させる必要がある。

なお、調達価格等算定委員会での意見を踏まえて、かかる運転開始期限に間に合わなかった場合には、超過分につき、月単位で買取期間が短縮されることになる。

出典: 2018年12月5日 資源エネルギー庁
既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応 (事業用太陽光発電の未稼働案件)

6. 太陽光パネルの変更

なお、3年ルールの下では、太陽光パネルのメーカーや種類を変更した場合であっても調達価格は変更されないこととの均衡から、新ルール対象案件についても、系統連系工事着工申込書の提出前であれば、太陽光パネルのメーカーや種類の変更を行っても調達価格が変更されないこととなった

■■調達価格が変更される一例(未稼働案件への対応(全体像)以外として)■■