
■「前立腺がん治療における手術の進歩と役割について」
社会医療法人 熊谷総合病院 泌尿器科 川島清隆氏 2017年7月15日開催




・針生検(14本)で腫瘍進展を把握

・グリソンスコアの評価例(針生検)

■生検の問題点
・針を刺す位置で当り外れがどうしても出る

・病期分類

・MRI検査の特性と限界
⇒MRI検査で病期はcT3aと評価したが
⇒手術後の標本を調べたらpT2c(MRI検査は過剰診断だった)



・CT検査によるリンパ節転移が有ると判断のケース
⇒炎症の場合もある

・リンパ節郭清
⇒拡大郭清すると40個も発見
・転移性陽性率の推移
⇒15.8%(2015年)

・高リスクにおけるリンパ節転移の率
⇒23.7%
・転移の平均的大きさ:1.8mm
⇒大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している(再発因子)
※CTでは8mm以上でないと映らない

・生検によるステージ分類とTNM分類
T:病期の進展度
N:リンパ節転移
M:他臓器(主に骨)転移

・NCCN分類とD’amoco分類ではリスク評価が違う

・生検による高リスク前立腺ガン評価格差
⇒診断医間格差
⇒生検の再現性
※ダウングレード、ダウンステージもあり、
一方、リンパ節転移が隠れている

・治療方針:高リスク・超高リスク
⇒拡大郭清(リンパ節転移を取り除く)を行うべき
※日本では医者まかせ

■中間・高リスク(cN1まで)の手術(再発リスクの低減を願い)
・拡大リンパ節郭清は行われるべき
⇒主治医に手術前に確認すべき
⇒医師によっては限局リンパ節郭清だけにしているケースもある
※高い手術スキルがないと拡大リンパ節郭清ができない
※診断の問題点・治療の問題点を含めて主治医と要確認が必要だ
※高リスクにおけるリンパ節転移の率
⇒23.7%
※転移の平均的大きさ:1.8mm
⇒大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している(再発因子)
※CTでは8mm以上でないと映らない


■古典的開腹手術

・低リスク以外は骨盤リンパ節郭清を多くの場合に実施

・手術のステップ(概要)

・前立腺の手術は難易度が高い
⇒高いスキルが求められる(多くの経験も含む)

・多い出血の中での手術

・手術の合併症
⇒根治性と機能温存の両立が難しい

・神経温存術


・勃起神経の温存パターン
⇒ガン細胞が占める領域によって

・勃起神経の走行(シート状)
※動画にて詳細に説明されている

・手術の進化

・腹腔鏡下手術

・長所・短所
⇒操作が難しいので熟練者が行うべき(資格制度)

・ロボット支援手術
⇒操作性が高い

・前立腺全摘に占めるロボット手術の割合
⇒75%(2017年)

・ダビンチ手術(ロボット手術)の利点(メーカーカタログ)

・ダビンチ手術(ロボット手術)の特徴
※動画で紹介されている

※実際の手術しているシーンとその詳細な内容が説明がされている


・長所・短所
⇒数年前(2017年の時点で)に
⇒将来ロボット手術が優るであろうと言われている

■ミニマム創手術
⇒6㎝程度の開腹
※熊谷総合病院 泌尿器科 川島清隆氏が運用している手術

・長所・短所
⇒リンパ節郭清が行いやすい
⇒拡大手術ができ進行症に向いている
⇒根治性の高い手術(手術者の技量に依存)
・熟練が要し、慣れても難しい
※高い手術スキルがないと拡大リンパ節郭清ができない
※診断の問題点・治療の問題点を含めて主治医と要確認が必要だ
※高リスクにおけるリンパ節転移の率
⇒23.7%
※転移の平均的大きさ:1.8mm
⇒大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している(再発因子)
※CTでは8mm以上でないと映らない

■施設間、術者間で成績の差が大きい(手術方式・病院の選択)
<<事前確認項目>>
・根治性
⇒断端陽性率、再発率
・出血量
⇒輸血の有無
・神経温存の成績
・失禁の割合

■手術の質の評価項目
◆切断断端(断端陽性率)
⇒pT2の場合:断端陽性は-
※但し、手術ミスでガン細胞領域を斜めに切除すると
⇒断端陽性は+になる
⇒pT3の場合:断端陽性は-と+(膜外浸潤部位)の混在

・2010年度時点でのロボットの全摘除術の成績例
・再発率:リスク度別推移比較
⇒5年目で比較すると

・小線源治療(岡本先生事例)
⇒高リスクでも再発率が低い
(トリモダリティー治療)
※ホルモン治療は極めて短期間で使用

・ランセット調査例(2016年度)

・米国泌尿器科学会レポート

・NCCN(全米総合がん情報ネットワーク)ガイドライン2017



・合意できない内容(熊谷総合病院 泌尿器科 川島清隆氏)

・豊富な経験・熟練の医師を見つけるは至難の業

・ミニマム創手術とダビンチ手術の特徴比較した書籍
⇒公平に検証している

■熊谷総合病院 泌尿器科 川島清隆氏の見解

・目標(ゴール)

・手術はまゴールへの途上

↓

・熊谷総合病院 泌尿器科 川島清隆氏の実感

・根治の難しさ
⇒拡大リンパ節郭清を含めて手技に依存

・EPE1:被膜外進展ガン
・RMI:断端陽性部位

<参考情報>

・局所的にはガン細胞を取り切れた事例
⇒リンパ節転移数:80個
⇒7個転移が有った

↓

・局所浸潤はなんとか対応

・転移を含めた治療(マルチモダリティ)
⇒放射線、ホルモン治療で対応
<参考情報>

※高リスクにおけるリンパ節転移の率
⇒23.7%
※転移の平均的大きさ:1.8mm
⇒大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している(再発因子)
※CTでは8mm以上でないと映らない

・高リスクで根治を目指すと
⇒括約筋の損傷があり
⇒失禁(尿漏れ)が起きる

・薄い皮膜間の剥離
⇒息を止めて剥離手術(高度なスキルを要す)
※祈りの気持ちで臨むレベルかもしれない


・拡大リンパ節郭清
⇒大変な手術(行われ無い事が多い)
⇒しっかりやらないといけない(根治を目指して)

・内腸骨
⇒頻度が多い部位
⇒非常に郭清が難しい
※実際の手術しているシーンとその詳細な内容が説明がされている


・前立腺周囲の血管の出血を抑える
⇒赤の点線の3箇所

・手術方法(ロボット)
⇒逆行性
⇒順行性

・ミニマム創手術

・直腸との間の剥離
※実際の手術しているシーンとその詳細な内容が説明がされている


・尿道切離
⇒ガン細胞が尿道から離れていると
⇒機能温存ができる

・ガン細胞が尿道から近いと
⇒血管や神経、膜が廻りにあり
⇒回りがよく見えなくなる
⇒見ないで手術するのは難しい
※実際の手術しているシーンとその詳細な内容が説明がされている


↓

↓

・出血量
⇒中央値で88㏄(2017年時点)
⇒輸血はしない

・pT3以上、断端陽性率(RMI)の推移

・手技が安定してきた期間(白枠)

・同期間の再発率の推移

・リスク別比較推移

・尿禁制の推移

・ロボット手術の場合(文献)

・神経温存
⇒尿禁制に効果

・栃木県立がんセンターの治療方針

・ミニマム創手術の合併症




■手術の評価
・リンパ節転移
⇒事前にはほとんど分からない(手術して初めて分かる)

※高リスクにおけるリンパ節転移の率
⇒23.7%
※転移の平均的大きさ:1.8mm
⇒大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している(再発因子)
※CTでは8mm以上でないと映らない
■追加治療

・術後のフォローアップ

・再発

・まとめ

・予防(事前・事後)

■重要なメッセージ

■手術のメリットのまとめ
・特にリンパ節転移は手術で初めて分かる
⇒1~2個の転移であれば根治出来ることもある


※周囲の骨盤内リンパ節を郭清(摘出)する場合もあるので事前確認
⇒リンパ節への転移対応(全員ではない)

↓




<参考情報>
・前立腺周囲の膜構造(右図)
⇒左図の黄色の領域に該当する(神経を含む)

・イメージとして4枚程のサランラップ層を1枚毎に剥ぎ取る手術
⇒緻密な手術が必要になる












