■ガン細胞の特徴と放射線治療
群馬大学公開講座『重粒子線がん治療について』①「重粒子線治療とは?」より転記


■X線の特徴
・肉(細胞)は透過しやすく
⇒骨は透過しない




■X線はDNAの2重螺旋を切断するのではなく
・細胞の大半を占める水と反応する

■X線は細胞の大半を占める水と反応
・その際、電子をたたき出して
⇒不安定な活性酸素(フリーラジカル)を生成する

■酸素が細胞の周りに無いと
・不安定な活性酸素(フリーラジカル)は
⇒電子と結合して元の水に戻る

↓

■酸素が細胞の周りに有ると

↓
・水に戻る事もなく

↓
・酸素と結びつき

↓
・新たな強力な活性酸素(フリーラジカル)を生成する

↓
■X線は酸素と働き
・活性酸素(フリーラジカル)を介して

↓
■間接的にDNAの2重螺旋の一本を切断
・X線は腫瘍内の酸素に影響を受けやすい

■ガン細胞(腫瘍)が小さい(初期段階)場合
・血管からの酸素供給がなされ
⇒X線は細胞内の水と酸素の反応により
⇒活性酸素(フリーラジカル)を介して
⇒間接的にDNAの2重螺旋の一本の切断
⇒ガン細胞の増殖を抑え、ガン細胞を小さくする事に繋がる

■ガン細胞(腫瘍)が段々大きくなるにつれて
・血管からの酸素供給が不足し始め
⇒X線の効果が段々と低減(効きが悪くなる)する

■大きな腫瘍
・血管の生成が間に合わず
⇒血管内からの酸素供給が出来ず
⇒ガン細胞(腫瘍)は酸素不足になり
⇒X線の効果が低減(効き難い)する

■more008:前立腺癌の放射線治療
主催:一般社団法人がん医療の今を共有する会(ACT)


■前立腺は動く




■N・M分類
・リンパ節に転移:N分類
・他臓器の転移(骨等):M分類


■IMRT(強度変調放射線治療)
・ある方向(矢印マーク)の照射において
⇒放射線の線量(強度)を変更できる
⇒正常組織をえぐる形で病変に照射


■VMAT=回転原体照射+IMRT

■50%以上の線量分布比較

■90%以上の線量分布比較
・IMRT:直腸に重なる部分が少ない










■低リスク・中間リスク群・高リスクにおけるUHH(超寡分割照射)の推移



■後ろ向き調査結果





■前立腺は動く


■位置精度を高める方法
・金属マーカー

■前立腺と直腸が接している

■前立腺と直腸の間に何か挿入出来るなら



■異なるビームを束ねる
・ブラッグピークは点
⇒点を面に広げる拡大ブラックピーク
⇒ガン細胞領域に照射する

■ガン細胞を破壊する能力
・粒子線は放射線の倍の破壊力がある
・ガン細胞内の酸素が少ないと
⇒放射線は効果が低下する
⇒粒子線は効果が維持出来る


■ビームを打つ方向を減らせる効果
・2次発ガンの減少
⇒被ばくする体積に差がある

■講演3「前立腺がん、知ってほしい放射線治療の今」 青木昌彦




■前立腺は動く
・前立腺の周囲1㎝を含めえ照射する必要がある
⇒照射量は70Gyが限度

■1990年代の改善策

■2000年代の改善策

■2010年代の改善策


■照射回数の比較
・通常分割も寡分割も有意差が無い

■更なる照射回数の低減
・サイバーナイフ:5回照射

■ガイドラインでは

■副作用
・急性期反応と晩期反応
・予防策
⇒IMRTを推奨

■IMRTの(強度変調放射線治療)の成績
・IMRT vs 3D-CRT

■直腸障害対策
・Space OAR(ハイドロゲル)
⇒10秒程度でゼリーの注入完了
⇒7年程前に製造承認

■3か月間保持(8週の放射線治療に余裕)、6ヵ月後加水分解で消失

■重粒子線治療
・Bragg peak(ブラッグ・ピーク)
⇒身体表面からの照射深さに制限が加えられる
⇒ビームの寸止めが出来る











■処方線量の届く距離が短い
・シードでは2~5㎜
⇒前立腺と直腸の距離が2~3㎜


■前立腺の体積測定

■前立腺ガンが発生しやすい辺縁部に高い照射が出来る

■適応外患者
・大きな前立腺





■BEDを200Gy達成する為に
・シード+外部照射

■高リスク前立腺ガン:BED>200Gy
・3者併用治療(短期ホルモン療法 vs 長期ホルモン療法)
⇒累積PSA再発率、累積PSA再発率+死亡率、累世遠隔転移率、全生存率比較
⇒相違は無かった
⇒長期ホルモン療法は不要になる?
⇒遠隔転移を抑えられる可能性も





■転移
・3つの区分





■今後期待される治療法
・リガンド(受容体)に結合
※mRNAのようなイメージ?

■ルテチウム:FDA承認
※数年後に日本でも承認の期待もされている

