⑤-4-3-4-2.進行前立腺がん治療における『PSA検査の落とし穴と画像診断』と『薬物治療ガイドライン』について 溝上 敦(金沢大学附属病院 泌尿器科 教授)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=5_ms8jOo6mU&t=1378s 2023年11月23日

■『PSA検査の落とし穴と画像診断』については⑤-4-2-8-1.進行前立腺がん治療における『PSA検査の落とし穴と画像診断』にて記載。尚、本ページの『薬物治療ガイドライン』記載終了後にも再記載する

■進行前立腺がんを診断・治療するときに必要な基礎知識

■基本中の基本:PSA増殖の鍵となる男性ホルモン

・DHT(アンドロゲン:男性ホルモン)とAR(アンドロゲン受容体:タンパク質)が結合して

⇒活性化した状態になる

⇒活性化されたARが

⇒PSAのDNAに核内で結合

⇒DNAからメッセンジャRANになって

⇒PSAというタンパク質が出てくる

⇒それが精液中に出てくる

⇒それが極わずかに血管に漏れている

⇒それを血清のPSA採血で腫瘍マーカと称して見ている

⇒アンドロゲンが作用してPSAが出ている

⇒PSAとARは似た働きをしている

<参考情報>

■男性ホルモン(アンドロゲン)内の

・テストステロンが90%占め

⇒精巣から主に分泌される

⇒これが前立腺ガン細胞に入り込み

⇒ガン細胞内のAR(アンドロゲン)受容体が待ち構えている

⇒T(テストステロン)は直接ARに結合するのではなく

⇒T(テストステロン)は5α還元酵素によって

⇒DHT(ジヒトロテストステロン)に変換されて

⇒AR(アンドロゲン)受容体に結合する

⇒ガン細胞の核の中にDNA(2重螺旋)があり

⇒DHTAR受容体がDNA内で

⇒ガン細胞のタンパク質を生成、増加をさせ

⇒PSAが上昇し

⇒画像診断でガン細胞が分かるまで成長する

◆ホルモン療法の実態

・T(テストステロン)を除外すれば

⇒前立腺ガン細胞の餌がなくなる

⇒昔は2個ある精巣を除去していたが

⇒現在は薬(ホルモン注射)にて

⇒精巣が無いと同じ状態を作っている

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4-3.去勢抵抗性前立腺がん治療中のQOLと骨転移への早期対応の重要性について~北村 寛 ( 富山大学 学術研究部医学系 腎泌尿器科学 教授)~

■なぜ前立腺がんで血清PSAは増えるかの?

・前立腺がんになると血管から漏れやすくなる

・アンドロゲンでAR(アンドロゲ受容体)が活性化されるとPSAは増える

・前立腺がん細胞の増加(転移)

<参考情報>

出典:サブタイトル/⑤-4-3-2-1-A.前立腺肥大症と『前立腺体積』を基準にした慎重な放射線治療の諸検討

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4.ホルモン療法・化学療法~1次治療(CSPC)で使用された薬剤によって2次治療(CRPC)以降に使える薬剤はほぼ決まっている~

■進行前立腺がんでの重要な治療薬

・外科による去勢を置き換わる内科的なLH-RH誘導体を皮下注射

⇒ADT(アンドロゲン除去療法)

⇒精巣に作用して男性ホルモンを除去(90~95%)

・それ以外に昔はアンチアンドロゲンというもので

⇒ビカルタミド、フルタミド(ヴィンテージ薬:1st ARSI)

⇒AR(アンドロゲン受容体)のところの活性化されるアンドロゲンを

⇒ちょって軽く邪魔をしてあげる薬と思ってください

・もう一つは新規ホルモン療法 2nd ARSI(AR阻害薬)

⇒ARの活性化をほぼ100%阻害すると言われている

⇒ARが核内に移行するのも阻害し(1段階目)

⇒DNAび結合するところも邪魔する(2段階目)

・もう一つの新規ホルモン療法 2nd ARSIは

⇒副腎から出てくる男性ホルモンが少なからずある(5~10%)

⇒これを完全に合成を阻害するのがアビラテロン(CYP(シップ)17阻害薬)

※PSAの分泌とは

⇒ARに関係する増殖関連の遺伝子群を刺激する事になる

・それでも治らない場合は

⇒抗がん剤になる

・最近、遺伝子変異に対する薬として

⇒オラパリブが使われるようになった

<再掲示>

<参考情報>

■第二世代抗アンドロゲン薬の仕組み

・アンドロゲン(テストステロン)が

⇒前立腺がんの細胞の中にあるアンドロゲン受容体とくっついて

⇒それが前立腺がんの細胞核の方に入り

⇒DNAの転写というのに影響を与え

⇒がんの進展等に影響してくる

■第二世代抗アンドロゲン薬はこれを複数のポイントでブロック(阻害)してくる

・一つ目は、細胞の中に入ったアンドロゲン(テストステロン)が

⇒アンドロゲン受容体という所にくっつくのを止めてくれる(阻害する)

⇒非常に強力的に止めてくれる

※第一世代の抗アンドロゲン薬はこの段階しか効かない

・二つ目は、アンドロゲン受容体が

⇒細胞の核に入る所とか、

⇒核に入った後にDNAと結合して悪さをする所を阻害する

⇒以上3つのステップ(下図の①→②→③)で

⇒アンドロゲンに起因する前立腺がんの悪さを止めてくれる

※第一世代の抗アンドロゲン薬と大きく異なる

※第二世代の抗アンドロゲン薬( 2nd ARSI(AR阻害薬))と少し効果が異なる

・CYP(シップ)17阻害薬は

⇒身体の中で合成される経路を阻害して

⇒更に、身体の中のアンドロゲン(テストステロン)を下げる事で

⇒抗腫瘍効果を発揮する薬

⇒その過程でCYP(シップ)17(下図丸い緑)酵素が働くので

⇒この酵素をブロック(阻害)して治療効果を発揮する

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4.ホルモン療法・化学療法~1次治療(CSPC)で使用された薬剤によって2次治療(CRPC)以降に使える薬剤はほぼ決まっている~

■アンドロゲンとPSA・増殖関連遺伝子

・アンドロゲンの90~95%は

⇒精巣から出てくる

⇒残り副腎から5~10%出てくる

<参考情報>

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4.ホルモン療法・化学療法~1次治療(CSPC)で使用された薬剤によって2次治療(CRPC)以降に使える薬剤はほぼ決まっている~

■ADT・CAB薬後のCRPC(去勢抵抗性前立癌)

・ヴィンテージCAB薬(1nd ARSI)使用後の再燃(再発)の場合に重要だと言われている

⇒精巣からのアンドロゲン(90~95%)を完全に阻害出来るが

⇒副腎からのアンドロゲン(5~10%)を阻害出来ない(=残っている)

⇒それがARと結合してARが細胞の核内に入って

⇒高感受性になって

⇒少量の副腎からのアンロドゲン(5~10%)であってさえも

⇒刺激されてAR(アンドロゲンと結合した)が細胞の核内に入る

⇒ARが高活性化が起こる(高感受性になる)

⇒少量(5~105)の副腎からのアンドロゲンであっても

⇒刺激されてまた細胞核内に入っていって

⇒PSAを再分泌させたり、増殖を促進したりする

⇒色んな遺伝子変異が起き、質が悪くなってくる

■第2世代(2nd)ARSI使用後のCRPC(去勢抵抗性前立癌)

・第2世代(2nd)ARSI薬使用すれば

⇒精巣から出てくるアンドロゲン(男性ホルモン:90~95%)を阻害

⇒副腎から出てくるアンドロゲン(男性ホルモン:5~10%)を阻害

⇒AR(アンドロゲン受容体)の結合を完全に阻害出来る

⇒ARが細胞核内に入ってこなくなる

・第2世代(2nd)ARSI薬使用後のCRPC(去勢抵抗性前立癌)は

⇒ARの支配から逃れたガン細胞になっている

⇒そういう状態でのPSAは極少量でているかもしれないが?

⇒増殖因子遺伝子変化が結構強くなって(ARの支配が弱くなる)

⇒ガンが悪い形になっている

・がん細胞が増えれば

⇒わずかなPSAでも沢山のPSAになり

⇒再燃した時、PSAが増える

⇒ガン細胞が増えた事により

⇒再燃すると思ってください

■まとめ:CRPC(去勢抵抗性前立癌)での再増殖の機序、PSA再上昇の機序

・未治療での前立腺がんの時にPSAは沢山出ている

⇒ヴィンテージCAB(1nd ARSI)の従来の治療でやると

⇒がん細胞も減る

⇒テストステロン(男性ホルモンの構成要素)も減る

⇒若干男性ホルモン(副腎から5~10%)の影響が残っている

⇒その後、再燃する時

⇒ARが高感受性になる

・ARの回りに共役因子があって、

⇒ARの働きを補助する役割があるタンパク質

⇒そのタンパク質が元気になってARを再活性化させる(ARの発現が増える)

⇒副腎性アンドロゲンが作用すると活性化し

⇒がん細胞も増える

⇒その時のCRPC(去勢抵抗性前立癌)の状態は

⇒まだアンドロゲンの働きが残っているという事で

⇒アンドロゲン感受性のCRPC(去勢抵抗性前立癌)だと私は考えている

⇒そのARの再活性化がPSAの分泌を促進し、再増殖もさせる

・それに対して、新規ホルモン療養薬(第2世代(2nd ARSI))

⇒完全にアンドロゲン/ARの働きが阻害される

⇒がん細胞はほとんど無くなると思うが

⇒やはりがん細胞はしぶとい、結局生き残る

⇒色んな増殖の遺伝子変化とかが起こってくる

⇒元々がん細胞の中に

⇒アンドロゲン非依存性のがん細胞があるとも言われている

⇒したたかにがん細胞が増えて行くので

・PSAの分必というのは

⇒アンドロゲンがない、AR(アンドロゲン受容体)の働きの無い環境でも

⇒ガン細胞が沢山増えれば

⇒PSAもおのずと増えてくる

⇒アンドロゲン・インディペンデントのCRPC(去勢抵抗性前立癌)

⇒アンドロゲン非依存性のCRPC(去勢抵抗性前立癌)だと考えられる

⇒こういった状態になれば

⇒いろんな新規ホルモン療養(第2世代(2nd ARSI)を使えども効かない

■抗がん剤の選択になる

■遺伝子変異があった場合にはパープ阻害薬(オラパリブ)が有効

■前立腺癌診療ガイドライン2023年度

◆前立腺がんに対する薬物療法の変遷

・未治療の前立腺がんCSPC(去勢感受性前立腺癌)

⇒従来はADT・CAB(1nd ARSI)

⇒去勢ADT±ビカルタミドというビンテージのアンチアンドロゲンARSを使っていた

⇒それで効かなくなったらCRPC(去勢抵抗性前立腺癌)

⇒その後、フルタミド(1994年発売:ビンテージのアンチアンドロゲンARS)を結構使用していた

⇒それでもダメなら女性ホルモン→抗がん剤(ドセタキセル)という流れでした

・2014年に新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI))としてエンザルタミド、アビラテロンが出てきた

⇒化学療法(抗がん剤:ドセタキセル)の前に使いたいという流れであったが

⇒いつの間にか

⇒新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI))が

⇒どんどん前倒しで使われるようになり

⇒一方、フルタミドがあまり使われなくなり

⇒CRPC(去勢抵抗性前立腺癌)直後に2nd ARSIが使われるようになった(全国規模で)

⇒えっ?と私は思った

・2018年になると

⇒新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI))も

⇒アップフロントという言葉で使うようになり

⇒未治療の前立腺がんの段階から

⇒強力なAR阻害薬(2nd ARSI)を使いましょうと言う流れになった

⇒この流れは世界標準にもなっている

⇒本当に日本でこの流れをやって良いのか?と思う(溝上 敦/金沢大学附属病院 泌尿器科 教授)

⇒上図の右下にある

⇒黄色の矢印(AS-CRPC:アンドロゲン感受性CRPC)と

⇒赤色の矢印(AI-CRPC:アンドロゲン非依存性CRPC)

⇒アップフロントで強力なAR阻害薬(2nd ARSI)を使うと

⇒最初のCRPC(去勢抵抗性前立腺癌)の特性が分からない

⇒AS-CRPCからAI-CRPCになるまで

⇒期間が長いという考えには私は大反対

⇒これで寿命が延びるというのは世界では通用しているが

⇒でも本当に日本でこれが通用するのか?と私は常に疑問に思っている

■疑問の理由

・日本人の前立腺がんの生存率

・ハワイでの日本人対白人の前立腺がんホルモン療法後の全生存率(同じ病院で比較)

・ステージⅣ期(転移性がん)の5年生存率

⇒日本人は50%超え(新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI))が無い時代のデータ)

⇒米国では32%((新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI))が含まれるデータ)と非常に悪い

⇒何故違うのか?

・ハワイの病院での前立腺がんホルモン療法後、5年生存率比較

⇒日本人:66%、米国人:42%

・両データから明らかに人種差がある

⇒ホルモン療法の反応性が違うのが分かるかと思う

■違いの理由

・人種差がきっと大きい

⇒日本人は通常のホルモン療法が良く効く

・医療保険制度

⇒完全に違う

⇒例:米国では造影剤MRIで40万円、一方、日本では数万円(2~3割負担)

⇒日本では、生検する前にMRIを使って事前評価をするのが一般的な手順

⇒更に色んな治療の変更も比較的容易に出来る

⇒海外では新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI)を1剤使えば

⇒2剤目は無しと言われる

・泌尿科医の違い

⇒あきらめずに何かしてくれる

<参考情報>

■転移性がん患者が来た時、どうするか?

■mHSPCの治療変遷(薬剤の変遷)

・1994年:フルタミド、1999年:ビカルタミドが発売

⇒その後、新しい薬剤が出て来なかった

⇒2008年(10年経って)ドセタキセル(抗がん剤)、デガレリクス(2012年:LHR受容体に作用)

・ホルモン治療薬のブレークスルーは

⇒2014年(エンザルタミド)から一気に新しい治療薬が発売され始めた

⇒アンドロゲン受容体(AR)阻害薬はエンザルタミド、CYP17阻害剤で、男性ホルモンの合成を抑制することでがん細胞の増殖を抑えますアビラテロン

⇒これらの薬剤を始めから使用することで予後の寿命を延ばす

⇒更に2016年にはRadium233(α線放出性の放射性医薬品:内照射)

⇒オラパリブ(2020年):BRCA変異などDNA修復異常を持つがんに特に有効なPARP阻害薬で、複数のがん種で維持療法として広く使われている

⇒PARP阻害薬は長期に効果が期待される

注:海外(白人)ではホルモン感受性が日本人と比べ低いので最初から使用するのが標準治療

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4-1.前立腺がん薬物療法の変遷(Radium223 α線治療を含む)、今に至るまで 坂本 信一(千葉大学医学部附属病院 泌尿器科 診療教授)

■mCSPC(去勢感受性前立腺がん)の治療アルゴリズム(未治療の前立腺がん)

・AR阻害薬:ARSI

⇒ヴィンテージ治療:第1世代ARSI(1nd ARSI)

⇒新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI)

⇒と分類する

・私がこのガイドラインで非常に納得できないのが

⇒適切か/不適切かという事である

⇒ARSIが使える人は適切である

⇒逆にARSIが使えなかったら不適切である

⇒という考えが凄く嫌な感じがしませんか

⇒ADT(従来のヴィンテージ治療)をほとんど否定するようで、不適切と言われる

■nmCSPC(非転移性去勢抵抗性前立腺がん)の治療アルゴリズム

・PSAの倍加時間

⇒10ヵ月未満で区別

・10ヵ月以上あれば

⇒ヴィンテージ治療:第1世代ARSI(1nd ARSI)を使え

・10ヵ月未満であれば

⇒新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI)を使え

・両者を区別した根拠は

⇒日本の場合には何もない

■nmRSPC(非転移性去勢抵抗性前立腺がん)の治療アルゴリズム

・フルタミドに変更して効果を確認しても悪くないのでは?

⇒ヴィンテージ治療:第1世代ARSI(1nd ARSI)であるので

⇒効果が十分ある事が分かっている

⇒それを確認せずに

⇒倍加時間だけが重要でないと私は思う

<参考情報:再掲示>

■mHSPCの治療変遷(薬剤の変遷)

・1994年:フルタミド、1999年:ビカルタミドが発売

⇒その後、新しい薬剤が出て来なかった

⇒2008年(10年経って)ドセタキセル(抗がん剤)、デガレリクス(2012年:LHR受容体に作用)

・ホルモン治療薬のブレークスルーは

⇒2014年(エンザルタミド)から一気に新しい治療薬が発売され始めた

⇒アンドロゲン受容体(AR)阻害薬はエンザルタミド、CYP17阻害剤で、男性ホルモンの合成を抑制することでがん細胞の増殖を抑えますアビラテロン

⇒これらの薬剤を始めから使用することで予後の寿命を延ばす

⇒更に2016年にはRadium233(α線放出性の放射性医薬品:内照射)

⇒オラパリブ(2020年):BRCA変異などDNA修復異常を持つがんに特に有効なPARP阻害薬で、複数のがん種で維持療法として広く使われている

⇒PARP阻害薬は長期に効果が期待される

注:海外(白人)ではホルモン感受性が日本人と比べ低いので最初から使用するのが標準治療

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4-1.前立腺がん薬物療法の変遷(Radium223 α線治療を含む)、今に至るまで 坂本 信一(千葉大学医学部附属病院 泌尿器科 診療教授)

■転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の治療アルゴリズム

・アップフロント

⇒気になるのが

⇒一次治療の?

⇒弱く推奨(C)である

⇒科学的な根拠が薄い(日本の泌尿科医のあきらめない姿勢が反映かも)

※新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI)を1剤使えば

⇒次の薬はあまり効かない

⇒海外では新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI)を1剤使えば

⇒2剤目は無しと言われる

・新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI)は

⇒下記再掲示の黄色の矢印(AS-CRPC:アンドロゲン感受性CRPC)から

⇒下記再掲示の赤色の矢印(AI-CRPC:アンドロゲン非依存性CRPC)になるまで

⇒つまり再燃までの

⇒期間は延びる

<再掲示>

・従来のヴィンテージ治療:第1世代ARSI(1nd ARSI)は

⇒AI-CRPC:アンドロゲン非依存性CRPC)になるまでの

⇒新規ホルモン療法薬(第2世代(2nd ARSI)を残している

⇒化学療法(DTX:ドセタキセル、CBZ:カバジタキセル)い行くまでの期間が

⇒期間は短いけれども

⇒どれだけ長く出来るかが重要でないかと私は思う

⇒紫色の単独の矢印の長さ(第2世代(2nd ARSI)と

⇒第1世代(1nd ARSI)紫色の矢印の長さ+赤色の矢印(第2世代(2nd ARSI)での比較

⇒トータルで見たらあまり変わらないのではと私は思う

※ヴィンテージ治療:第1世代ARSI(1nd ARSI)でもスタートラインとして十分ではと私は思う

<参考情報>

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4.ホルモン療法・化学療法~1次治療(CSPC)で使用された薬剤によって2次治療(CRPC)以降に使える薬剤はほぼ決まっている~

■ガイドラインの気になるところ

・臨床試験は

⇒ある特殊な環境で実施されている

⇒実際に投与する時、臨床試験通りではない

・アップフロント(スタートライン)で第2世代(2nd ARSIを使用して

⇒再燃したら

⇒残念ながら化学療法になる

・新規ホルモン治療薬の薬価は

⇒非常に高い割に効果は少ない現実

⇒第1世代:数千円/月額

⇒第2世代:数万円/月額の違い

・画像検査の有用性を示しているが

⇒それをどのように使うか?

⇒PSAとあわせてどのように評価していくべきか?

⇒あまり書かれていない事がちょと気にいらない

<参考情報>

・月額各アンドロゲン受容体シグナル阻害薬(ARSI)の治療費用

⇒高額療養費制度の活用(以下製薬は保険適用されている)

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4.ホルモン療法・化学療法~1次治療(CSPC)で使用された薬剤によって2次治療(CRPC)以降に使える薬剤はほぼ決まっている~

■ヴィンテージCAB(第1世代ARSI(1nd ARSI)による

mCSPC(転移性去勢抵抗性前立腺がん)治療後の

異なるヴィンテージ薬・新規ARSI(第2世代ARSI(2nd ARSI)の実力

■進行前立腺がんに対するCAB後の再燃に対する異なるヴィンテージ薬(交差療法)の有効性

・D2:転移性去勢抵抗性前立腺がんが70%以上ある(左上図)

⇒50%以上になる高転移(骨転移が沢山有る状態)と思って下さい

⇒ヴィンテージ薬のビカルタミドの後に同じヴィンテージ薬のフルタミドが効くか?

⇒フルタミドの後にビカルタミドが効くか?

⇒とにかくPSAが下がったという患者が

⇒60%以上いた(左下図)

・PSAの値が下がった患者の生存率は

⇒診断時からのがん特異生存率で

⇒下がらなかった患者より明に良い(右上図)

・金沢大学病院での結果(右下図)

⇒ADT+ビカルタミドで再燃した後に

⇒同じヴィンテージ薬のフルタミドを投与

⇒8割の方で何らかのPSA値が低下した

⇒ヴィンテージ薬の交代療法は

⇒悪くないではないか

■mCRPC(転移性去勢抵抗性前立腺がん)に対する一次治療と予後

・BRCA1/2遺伝子患者を対象に

⇒治療のスタートラインでどんな治療をしたかのデータ

◆治療によるPSA制御と全生存率の比較

・ヴィンテージCAB(第1世代ARSI(1nd ARSI)フルタミド投与、再燃後に第2世代ARSI(2nd ARSI)

⇒PSAの非再発率は低い(左上図)が

⇒全生存率は高い(右上図)

⇒弱い薬から段階的に強い薬に切り替えた方が

⇒全生存率では優位性がある事を示している

・最初から第2世代ARSI(2nd ARSI)

⇒PSAの非再発率は高い(左上図)が

⇒全生存率は低い(右上図)

<参考情報>

※BRCA遺伝子が有るのは生命予後が悪くなる

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4-1.前立腺がん薬物療法の変遷(Radium223 α線治療を含む)、今に至るまで 坂本 信一(千葉大学医学部附属病院 泌尿器科 診療教授)

■最近の転移性前立腺癌の全生存率(2018年まで)

・黄色:骨転移のある前立腺癌(左図)

⇒3年生存率:67%、5年生存率:54%、

⇒これでも米国より良い

・みちのくデータ(右図)

⇒アップフロント(治療開始から第2世代ARSI(2nd ARSI)は含まれていない

⇒3年生存率:82%、5年生存率:72%、

⇒凄く良い、再燃後に第2世代ARSI(2nd ARSI)を使用している

※まだ正式な解析は行われていない

<再掲示>

<参考情報>

■骨シンチグラフィのBONENAVI(ソフト)

・BSI式による骨転移量の評価の有用性を

⇒検証するために全国35施設で実施された

⇒前向きの観察研究の患者層で下記の比較が出来る

⇒アップフロント(治療開始から第2世代ARSI(2nd ARSI)群と

⇒ヴィンテージCAB(第1世代ARSI(1nd ARSI)フルタミド投与、再燃後に第2世代ARSI(2nd ARSI)群

◆両群の比較結果

・第2世代ARSI(2nd ARSI)使用:3年生存率84.7%(左図)

⇒第2世代ARSI(2nd ARSI)を使わなかった(昔の患者):3年生存率61.2%(左図)

・診断時からの全生存率

⇒ヴィンテージCAB(第1世代ARSI(1nd ARSI)フルタミド投与、再燃後に第2世代ARSI(2nd ARSI)の方が

⇒第2世代ARSI(2nd ARSI)単独より

⇒良い(真中図)

◆CRPC(去勢抵抗性前立腺癌)後からの全生存率(右図)

・第2世代ARSI(2nd ARSI)使用群

⇒50%生存率で31.9M

・第2世代ARSI(2nd ARSI)を使わなかった群

⇒50%生存率で23.0M

※Mは月の事か?

<再掲示>

■転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)の治療アルゴリズム(#1)

・アップフロント(第2世代ARSI(2nd ARSI))

⇒私は否定するつもりはないが

⇒ヴィンテージCAB(第1世代ARSI(1nd ARSI)フルタミド投与で十分だという人も多い

⇒あからさまにアップフロントを推奨するのはどうかと思う

・重要なのは

⇒個々の患者に対してどの治療が最も適切か

⇒有効性を予測し

⇒患者の気持ちを考えて治療方針を決めるべき

・画像評価は極めて重要である

⇒転移の進行

■進行前立腺がん治療における『PSA検査の落とし穴と画像診断』

■超高リスクの患者に対して放射線治療・手術をどうするか

・精のう浸潤(T3b)、膀胱浸潤(T4)

⇒放射線(外部・内部照射/HDR)しても再発率は高いというのが現状だろうと思う

⇒それに対して積極的に手術を勧めていない(正直に言うと再発率が高い)

⇒高リスクであるT3a(被膜外浸潤)患者に対してさえも放射線治療を勧めている

<参考情報:ステージ分類とTNM分類>

・勧めている放射線治療

⇒HDR(高線量率ブラキーセラピー)

⇒1回に組織内照射を13グレイ照射する(寡分割照射の極み)

⇒外部照射に換算すると60グレイ位に相当する

⇒それでも足りないので外部照射を40グレイ近く行う

⇒トータルで外部照射に換算すると

⇒100グレイ相当になるエネルギーでがん細胞をやっける

※精のう浸潤(T3b)で2年間のホルモン療養併用を勧めている

・MRI画像で明らかに精のうに浸潤しているのが

⇒泌尿科の医師・放射線技師なら誰でもが分かる(左上図)

⇒この状態で手術したらならば多分7割~8割で再発する位の浸潤度合

・ホルモン療養でがん領域を小さくなったところで

⇒組織内照射を行う

⇒精のうまでの放射線照射エネルギー分布図(下図)

⇒画像上で見える範囲までは確実に放射線照射ができるやり方

■成績

⇒こんなに成績が良いの?と一般の泌尿科の医師・放射線技師は思う位のデータ

⇒T3a(被膜外浸潤/高リスク)で8年間で90%の方が再発していない

⇒T3b(精のう浸潤/超高リスク)でさえも8年間で90%の方が再発していない

⇒T4(膀胱浸潤/超高リスク)で8年間で70%の方が再発していない

⇒かなり成績が良いのではと金沢大学附属病院 泌尿器科は思っている

<参考情報>

■小線源療法は以下2種類ある

・HDR

⇒体内に高線量の放射性物質であるイリジウム192のシード(線源)を、一時的に留置する方法(高線量率組織内照射

・LDR

⇒低線量のシードであるヨウ素125を永久留置する方法(低線量密封小線源療法)

の2つの治療方法がある

■CAB治療(Combined Androgen Blockade:併用アンドロゲン遮断療法)とは(Copilot回答)

・前立腺がんの増殖源である“男性ホルモン(アンドロゲン)”を最大限に抑えるために、

⇒ ① LH-RHアゴニスト/アンタゴニスト(注射)+ ② 抗アンドロゲン薬(内服)を併用する治療法です。

主な副作用

CAB治療は男性ホルモンを抑えるため、更年期様の症状が出やすい。

  • 乳房の腫れ・痛み(21〜32%)
  • ほてり(ホットフラッシュ)
  • 性欲低下・ED
  • 筋力低下・疲労感
  • 骨密度低下(骨粗鬆症リスク) → 骨密度検査や予防薬が推奨

<参考情報>

<参考情報:トリモダリティー治療を受けられた山口氏の治療風景>

・ホルモン治療

・内照射:高線量率組織内照射(HDR)

・25本の針を前立腺組織内に刺して放射線照射

・外照射:高度変調放射線治療(IMRT)/25回

・ホルモン治療(2年間治療)

出典:「 がん医療フォーラム 2023」 活用しよう!相談と支え合いの場 基調講演3:「医療記者、そしてがん当事者として」 山口 博弥(読売新聞東京本社 編集委員)&⑤-4-3-2-3-3.HDR小線源治療(高線量率組織内治療)/超高リスク(精のう浸潤T3b、膀胱浸潤T4)のトリモダリティー治療~溝上 敦(金沢大学附属病院 泌尿器科 教授)~

■転移性の進行前立腺がん

■BONENAVI(ソフト)

・赤色で転移部を表示

⇒骨シンチグラフィ画像を解析し、

⇒骨転移の有無や量を客観的に評価する診断支援ソフトウェア

⇒特に前立腺がんや乳がんなどの骨転移の診断、治療効果の判定、予後予測に用いられている

・BSI式による骨転移量を評価

⇒PSAが808で、BSIの値は1.54%時にホルモン療法によって(CAB:従来のビンテージホルモン療養)PSAが4.0に低下したが

⇒再燃して2nd ARSI アビラテロン(薬品名:ザイティガ)というホルモン薬を使用

⇒一旦PSAは低下していったが

⇒PSAが60.9に上昇した時、BSIの値は0.9%

・骨転移量は?

⇒一見、BSIの値は1.54%⇒0.9%に低下しており

⇒赤色表示も少なくなっているが

⇒本当にそうなのか?

⇒この画像の問題点は

⇒PSAが最低値の時に骨シンチをしていなかった

⇒良くなった骨転移(BSIの値0.9%)なのか?

⇒PSAが最低値の時の骨転移(BSIの値0.9%)がより低い値だったのか?

⇒それとも悪くなっていった状態がこの結果(BSIの値は0.9%)になっているのか?

⇒全然検討がつかない

⇒全身MRI(DWIBS)検査を実施

⇒普通MRI検査では骨(骸骨)は見えない

⇒下図(びまん性骨転移)ではしつかり骸骨が見える

⇒全ての骨に転移している事が分かる(全身MRI(DWIBS)検査の威力)

⇒極致の骨転移の状態である

⇒2nd ARSIであるホルモン療養が効かなくなった(去勢抵抗性前立腺がん:CRPC)

⇒直ぐに抗がん剤治療であるドセタキセルを治療開始

⇒薬剤が効き、QOLも良い状態で治療ができた

※去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の5年生存率53.4%

・全身MRI(DWIBS)検査

■別の事例

・金沢大学附属病院に転院

⇒全身MRI(DWIBS)検査を実施

⇒2nd ARSI エンザルタミド(薬品名:イクスタンジ)というホルモン薬を継続

⇒PSA値 0.14→0.36に上昇

⇒黄色の矢印先が黒く大きくなっている

⇒PET-CT検査で活動性であると判明

⇒サイバーナイフ(SDRT:寡分割照射)後にPSA値 0.006以下になった

⇒以降、3年間エンザルタミド(薬品名:イクスタンジ)を服用で経過観察中

・別の症例

・3ヵ月後の骨シンチで

⇒黒い色部が急激に増加(びまん性骨転移)

⇒組織生検で『神経内分泌がん』(小細胞がん)と確定

・普通の抗がん剤治療は出来ない、多分効かないとの判断で

⇒肺の小細胞がんに準じた治療として

⇒化学療法として『エトポシド(E)』と『シスプラチン(P)』を使用

⇒NSE(腫瘍マーカ)が劇的に低下し、肝機能のAST値も低下

⇒しばらく小康状態が続いたが、また悪化して亡くなった

※前立腺小細胞がん(前立腺小細胞癌)は

⇒、前立腺がん全体の中でも1〜2%未満と非常に稀なタイプのがん

⇒一般的な前立腺がん(腺がん)と比較して進行が極めて速く、悪性度が高いという特徴がある

・2nd ARSI エンザルタミド(薬品名:イクスタンジ)、アビラテロン(薬品名:ザイティガ)等のホルモン薬を使用中には

⇒PSA値は低下するので

⇒画像検査でオリコ転移の早期発見が大事である

・オリゴ転移には

⇒局所放射線照射治療(サイバーナイフ等)で結構直せることがある

・画像検査は3ヵ月に1回はすべきである

⇒時と場合には臨機応変の2ヵ月に1回の場合もある

⇒一般的な泌尿科医は半年毎と言うが

⇒私(金沢大学附属病院 泌尿器科 教授)は大反対である

<参考情報>

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4-1.前立腺がん薬物療法の変遷(Radium223 α線治療を含む)、今に至るまで 坂本 信一(千葉大学医学部附属病院 泌尿器科 診療教授)より関連情報を抜粋

<参考情報>

・全身MRI(DWIBS)検査

出典:サブタイトル/⑤-4-2-9.DWIBS(背景抑制広範囲拡散強調画像)検査~従来のMRI、PET-CTとの違い~

<参考情報>