
■転移性がん患者が来た時、どうするか?
■mHSPCの治療変遷(薬剤の変遷)
・1994年:フルタミド、1999年:ビカルタミドが発売
⇒その後、新しい薬剤が出て来なかった
⇒2008年(10年経って)ドセタキセル(抗がん剤)、デガレリクス(2012年:LHR受容体に作用)
・ホルモン治療薬のブレークスルーは
⇒2014年(エンザルタミド)から一気に新しい治療薬が発売され始めた
⇒アンドロゲン受容体(AR)阻害薬はエンザルタミド、CYP17阻害剤で、男性ホルモンの合成を抑制することでがん細胞の増殖を抑えますアビラテロン
⇒これらの薬剤を始めから使用することで予後の寿命を延ばす
⇒更に2016年にはRadium233(α線放出性の放射性医薬品:内照射)
⇒オラパリブ(2020年):BRCA変異などDNA修復異常を持つがんに特に有効なPARP阻害薬で、複数のがん種で維持療法として広く使われている
⇒PARP阻害薬は長期に効果が期待される
注:海外(白人)ではホルモン感受性が日本人と比べ低いので最初から使用するのが標準治療
⇒下記<参考情報> 溝上 敦(金沢大学附属病院 泌尿器科 教授)の講演より


<参考情報>

出典:https://www.youtube.com/watch?v=5_ms8jOo6mU 講演5「進行前立腺がん治療におけるPSA検査の落とし穴と画像診断」 溝上 敦(金沢大学附属病院 泌尿器科 教授)共催:NPO法人腺友倶楽部 / 一般社団法人日本泌尿器腫瘍学会Mo-FESTA CANCER FORUM(モーフェスタキャンサーフォーラム)2022(男性がん総合フォーラム)
■時代を変えた治療薬(高ボリューム患者):転移性前立腺がんのランドマーク的試験結果
・高ボリューム(高腫瘍量)患者の定義
⇒内蔵転移あり、骨転移≧4個(少なくとも1個は脊髄・骨盤以外)
⇒初めからドセタキセル(抗がん剤)を使うことで生命予後の延長効果が大体1.5年位延びた(中央値)
⇒普通は半年程度延長したのが多い
⇒ブレークスルーである
・高リスクの定義
⇒高ボリューム(高腫瘍量)に比べリスク度が緩い
⇒初めからアビラテロン(男性ホルモンの合成を抑制)を使用することで生命予後を延ばす治療効果がある。

・高ボリューム(高腫瘍量)の患者には
⇒2つ薬剤又は3つの薬剤を使う(NCCN Guideline 2026:白人男性が対象)のが基本
・ボリュームが少ない患者には
⇒2Bということで推奨が大体コンセンサスで50%から85%
⇒2Bはエキスパートで意見が分かれるが
⇒ARPI新規アンドロゲン受容体阻害薬あるいは外部照射を併用
⇒あるいは時にはトリプレットを使う

<参考情報>

◆5年生存率
全ステージを合わせた5年生存率は、ネット・サバイバルで95.2%(実測生存率83.5%)となっています。
ステージごとの5年生存率(ネット・サバイバル)はI期が100%、II期100%、III期99%、IV期が60%と進行するにつれ低下します。
しかしながら、I期・II期・III期いずれもほぼ100%という数値で、前立腺がんを早期に発見することの大切さが伺えます。

◆10年生存率
全ステージを合わせた10年生存率は、ネット・サバイバルで84%(実測生存率66.6%)となっています。
ステージごとの10年生存率(ネット・サバイバル)は、I期93.8%、II期95.1%、III期86.2%、IV期が35.9%です。

※診断年と生存率:2012年10年生存率
※出典:国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」
【ステージ分類とTNM臨床分類】



出典:⑤-4-1.サバイバー生存率(10年生存率の計測)~伊藤ゆり 大坂医科薬科大学医学部医療統計研究室 教授~
・治療変遷で生命予後がどう変わってきたか?→海外のデータ
⇒昔はホルモン療法単独(ADT alone)で大体3年位延長
⇒ADT+ドセタキセル(抗がん剤)を使う事で大体4年位延長
⇒トリプレット(ADT+ドセタキセル(抗がん剤)+アビラテロン(男性ホルモンの合成を抑制:新規アンドロゲン受容体阻害薬))を使う事で大体5年位延長

・千葉大のデータ
⇒日本人はスタートラインからみて
⇒ADT+新規アンドロゲン受容体阻害薬(アビラテロン)で約4年位延長(海外データ)から
⇒8年位延長(千葉大データ)している
※患者数は不明、計測開始期間も不明

・千葉大のデータ(ADT+新規アンドロゲン受容体阻害薬(アビラテロン))からトレンド予想
⇒トリプレット(ADT+ドセタキセル(抗がん剤)+アビラテロン(男性ホルモンの合成を抑制:新規アンドロゲン受容体阻害薬))のトレンド予想
⇒+4年延長(海外データをシフト)を予想すると海外データの大体5年を追加して
⇒9年位延長が予想される
※日本人はホルモン療法に対する感受性が海外より高い事が知られている


■転移性前立腺がんが出た場合の治療シークエンス
・トリプレット(ADT(ホルモン療法)+ドセタキセル(抗がん剤)+アビラテロン(男性ホルモンの合成を抑制:新規アンドロゲン受容体阻害薬))とダブレット(ADT(ホルモン療法)+ドセタキセル(抗がん剤))を使う場合




■この3つの薬剤の違いは?
・アビラテロン:ハイリスク患者でグリソンスコア8、骨転移3個、内臓転移の内、因子が2つある患者
⇒縛りがある
⇒ステロイドを使うので長期で使用した場合に影響を受ける可能性ももしかしたらあるかもしれない
・エンザルタミドとアパルタミドは全ての転移に使う(転移が1個でも使う)
⇒縛りがない
⇒ステロイドは無い
※ビンテージであるビカルタミドをまだ使う場合もある。
⇒高齢者であれば未だ使えますが
※1994年:フルタミド、1999年:ビカルタミドが発売

※アンドロゲン受容体(AR)阻害薬はエンザルタミド、CYP17阻害剤で、男性ホルモンの合成を抑制することでがん細胞の増殖を抑えますアビラテロン、アンドロゲン受容体阻害薬(第二世代抗アンドロゲン)のアパルタミド
・左図:全生存期間においても延長している


・ステロイドの合成を阻害
⇒ステロイドの合成する中で
⇒テストステロンを作られる。
⇒テストステロンが作られないようにするのがアビラテロン
⇒ステロイドを作らないようにプレグネノロンから
⇒抗DHEAの酸性をブロックする事で
⇒CYP17という酵素をブロックするのであるが、
⇒テストステロンからDHEAを作られないように
⇒コルチコステロンが作られないように
⇒ブロックしているのが
⇒アビラテロン
・副作用
⇒鉱質コルチコイド(副腎皮質の“球状層”から分泌されるホルモン)が増えてしまう
⇒低カリウム血症が出てしまう場合がある
⇒状況によっては高血圧になる
※Copilot回答:カリウムは筋肉・神経・心臓の働きに不可欠なので、低下すると全身にさまざまな影響が出ます。血中カリウムが 3.5 mEq/L 未満になる状態で、筋力低下・不整脈・便秘などを引き起こす。原因は利尿薬、嘔吐・下痢、ホルモン異常などが多い。

・化学式はほとんど同じだが


・薬剤効果はほぼ同じ
⇒生命予後の延長があった

・副作用が大きく異なる
・エンザルタミド
⇒疲労が出れるので朝に服用すると午前中からぐったりする
⇒対策として寝る前に服用する事で疲労感が睡眠を誘発
・アパルダミド
⇒皮疹が大きな問題
⇒海外(症例率:22%)より日本人(症例率:55%)の方が多い
⇒明確な理由は分からないが、もしかしたら体重差が影響しているかも(27kg軽い)


・他のデータ事例から
⇒体重63.3kg以下の患者の方が皮疹が多く出ている
⇒副作用を見る上で体重が一つの因子になる


・新規薬剤
⇒エンザルタミド、アパルダミドは高価で副作用も強い
・ビンテージ(旧薬剤)
⇒ビカルタミドは安価であり、
⇒副作用も長く使っているので、プロファイルも良く分かるので、アパルダミドのような皮疹もほとんどない
⇒80歳を超える高齢者であれば未だ使える
※1994年:フルタミド、1999年:ビカルタミドが発売
■新薬剤はどんな人が使った良いかの事例(近畿大学を中心としたKing Kong Study:日本人のデータ)
◆対象者:グリソン5(一番悪い評価の症例)
・アビラテロン(新)vs ビカルタミド(旧)の比較(左図)
⇒そんなり生命予後は変わらない
・アビラテロン(新)vs アパルダミド or エンザルタミドの比較(右図)
⇒『アンドロゲン受容体阻害薬』の方が生命予後の延長効果が見られる
※アンドロゲン受容体(AR)阻害薬はエンザルタミド、CYP17阻害剤で、男性ホルモンの合成を抑制することでがん細胞の増殖を抑えますアビラテロン、アンドロゲン受容体阻害薬(第二世代抗アンドロゲン)のアパルタミド


<参考情報>
・旧(第一世代(古典的)抗アンドロゲン薬
⇒1994年:フルタミド、1999年:ビカルタミドが発売
・新薬剤:アンドロゲン受容体シグナル阻害薬(ARSI)
⇒2014年:エンザルタミド、2019年:アパルダミドが発売

・新旧の違い

・CYP17阻害剤で、男性ホルモンの合成を抑制することでがん細胞の増殖を抑えますアビラテロン(2014年)


・新薬剤(ARSI)の毎月の治療費

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4.ホルモン療法 https://www.youtube.com/watch?v=K9gfEnsbMC8&t=295s 前立腺癌セミナー2025 熊本 熊本大学病院 泌尿器科 助教 倉橋 竜磨
<参考情報>
・高額療養費制度


・4回目から多数回該当
⇒医療費の負担減


注:■ 4回目以降の回数制限(Copilotの回答)
ただし、直近12か月の中で「3回」が維持されている必要がある → 古い月が12か月を超えるとカウントから外れ、4回目扱いでなくなることもある
制限なし(何回でも適用だが、間違えないように下記例を理解する事)
・例で理解する
- 2025年6月・9月・12月に高額療養費が支給
- 2026年1月 → 4回目で多数回該当(限度額が軽減)
- 2026年7月になると、2025年6月分が12か月を超えてカウントから外れる → カウントが2回に戻るため、多数回該当が解除される
出典:サブタイトル/⑤-3. 高額療養費制度~ガンと診断された時~


■トリプレット薬剤 vs ダブレット薬剤臨床試験結果
※トリプレット薬剤 は以下の試験の組合せしか保険では使用できない
※試験の対象群はドセタキセル(抗がん剤)だけ
⇒10年前の薬剤と比較しているのが欠点
⇒アビラテロン、エンザルタミド、アパルタミドのアップフロント薬(2014年以降)が対象群(比較対象)にない
・PEACE-1試験
⇒トリプレット:アビラテロン(男性ホルモンの合成を抑制:新規アンドロゲン受容体阻害薬)+ドセタキセル(抗がん剤)+ADT(ホルモン療法)
⇒ダブレット:ドセタキセル(抗がん剤)+(ADT(ホルモン療法)
・ARASENS試験
⇒トリプレット:ダロルタミド(男性ホルモンの合成を抑制:新規アンドロゲン受容体阻害薬)+ドセタキセル(抗がん剤)+ADT(ホルモン療法)
⇒ダブレット:ドセタキセル(抗がん剤)+(ADT(ホルモン療法)



■ハイボリューム(高腫瘍量):トリプレットのメタアナリスでは
・論文のデータをもとに解析(アナリス)した
⇒ドセタキセル(抗がん剤)をアップフロントに使った場合
⇒内蔵転移、骨転移が4個以上の症例でハイボリューム(高腫瘍量)では
⇒ダロルタミド、アビラテロンのトリプレットは生命予後の延長に効く
⇒他の薬剤(アビラテロン、エンザルタミド、ドセタキセル(抗がん剤))と比べても良い
⇒ハイボリューム(高腫瘍量)の場合はトリプレットを使う意義もあるのではと思う

■ローボリューム(低腫瘍量):トリプレットのメタアナリスでは
・論文のデータをもとに解析(アナリス)した
⇒エンザルタミド単独に負けてしまっている(トリプレットの効果が無い)
⇒トリプレット(3つの薬剤)を使う必要はないと示唆されている

・トリプレットを使用するに適した方は
⇒70歳を境にして分ける:青色/70以以下、赤色/70以上(複数の曲線がオーバーラップしている)
⇒70歳未満に使用するメリットがある

・日本人の生命予後のデータはまだ無い

・副作用
⇒汎血球減少(血液の白血球が下がる)
⇒日本人は44%、一方、オーストラリア人は12%
⇒副作用が強い
・ハイボリューム(高腫瘍量)だから
⇒トリプレットで治療するのが良いのではなく
⇒汎血球減少も視野に入れた判断が必要
⇒患者の容態(年齢、体力等)を総合的に判断して
⇒トリプレットを適用するかを決める事がポイント



<参考情報>

【ステージ分類とTNM臨床分類】



出典:⑤-4-1.サバイバー生存率(10年生存率の計測)~伊藤ゆり 大坂医科薬科大学医学部医療統計研究室 教授~


<参考情報>
◆5年生存率

◆10年生存率

※診断年と生存率:2012年10年生存率
※出典:国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」

・Radum223(内部放射線照射)とエンザルタミドの併用が
⇒非常にメリットがあるというデータが出てきた

<参考情報>

・Radum223(内部放射線照射)
⇒骨転移のある場所に
⇒アルファ線(高エネルギー放射線)が入って
⇒腫瘍細胞を壊して、腫瘍部位を小さくする
・アルファ線(高エネルギー放射線)は
⇒照射距離が短いので骨髄抑制も少ない
⇒副作用も少なく、ピンポイントで効く
※Radum223(内部放射線照射)は内蔵転移部位に照射しない

・骨の転移のある方の生命予後の延長データ
⇒3ヵ月の生命延長効果
※骨転移:骨に痛み症状が出ている患者

・Radum223(内部放射線照射)とアンドロゲン受容体阻害剤(エンザルタミド)のとの併用

・併用の理由
⇒アンドロゲン受容体阻害剤(エンザルタミド)を使う事で
⇒DNA修復遺伝子の発現が下がる
※DNA修復遺伝子:DNAを直す遺伝子。例としてBRCA遺伝子

・Radum223(内部放射線照射)は
⇒実際には、DNA修復遺伝子の発現を落す作用がそもそもある
⇒BRCA遺伝子みたいな作用(=BRCAness)がある中で
⇒Radum223でがん細胞を壊す仕組みは
⇒DNAの二重らせんを壊して、
⇒がん細胞を壊す
・DNAを修復する遺伝子がある場合
⇒Radum223でがん細胞を壊しても
⇒がん細胞のDNAが修復されまた直ってしまう(=がん細胞が回復する)
⇒治療が効かなくなる

■アンドロゲン受容体阻害剤(エンザルタミド)の併用
・BRCA遺伝子みたいな作用(=BRCAness)
⇒DNAが修復できにくくなる
⇒結果としては、がん細胞が死ぬ
⇒併用は理論的に考えた場合には非常にメリットがあると言われている

・アンドロゲン受容体阻害剤(アビラテロン)とRadum223併用試験結果
⇒期待(理論的に)していたが、差がない(左図)
【理由の追求】
■骨修飾薬(剤)を使う患者と使わない患者の比較
・骨修飾薬(剤)を使った患者は
⇒骨の骨折等のイベントが少ない
⇒逆に使わない患者は骨の骨折等のイベントが非常に増えてくる
・骨折が増える理由は
⇒結局、骨の転移の部位にがん細胞を壊してしまうと
⇒骨の部分が少し弱くなる
⇒骨修飾薬(剤)を使わないと骨折しやすくなる
⇒更に、アビラテロンはステロイドも使うので
⇒そのような影響によって骨折しやすくなる
⇒前立腺癌骨転移の患者は骨折して歩けなくなると
⇒生命予後が短くなる事が以前から知られていた
⇒おそらくそのような影響で生命予後に差が無かったと言われている

・Radum223には骨修飾薬が重要?
⇒骨保護(骨折予防)の為に重要である

■骨修飾薬を使った試験
・Radum223(内部放射線照射)とアンドロゲン受容体阻害剤(エンザルタミド)のとの併用試験
⇒アビラテロンのステロイドの影響も考慮して

・結果
⇒生命予後が7ヵ月延長
⇒骨修飾薬を使う重要性が明示された
⇒骨転移部のマネジメントが重要である

・症例1
⇒骨転移以外に膀胱浸潤や内臓転移患者
⇒歩けない位にガリガリで食欲もない状態で受診
⇒ビカルタミド(1999年発売)を8回投与で効かなくなった

・アンドロゲン受容体阻害剤(アビラテロン)とRadum223併用のトライアル
⇒Radum223を6サイクル(半年間)治療した結果
⇒転移はほとんど消えた
⇒ホットスポット(転移箇所数)17が4に減少
⇒尚、4もギリギリ読める程に

・症例1の生命予後
⇒実は5年間奏功
⇒骨修飾薬も使い
⇒5年間骨転移が無かった
⇒患者も喜び、満足された治療が出来た(究極のゴールの達成)
※前立腺がんとは無関係な別の要因で死亡

・アンドロゲン受容体阻害剤(アビラテロン)とRadum223併用が適応する患者
⇒元気な方でPSA値が高い方
⇒高腫瘍量の方
⇒早期の治療介入

・内臓転移があれば使えない
⇒骨修飾薬の使用は重要(骨折対策)

<参考情報>
◆胆嚢(たんのう)がん事例
・診断時に5年生存している確率が
⇒21%とされている

・治療が奏功して『1年経過』した時に限った5年後生存率(1+5=6)
⇒43%にまで上がる

・治療が奏功して『5年経過』した時に限った5年後生存率(5+5=10)
⇒86%にまで上昇する
・相対生存率
⇒健常者と同じ生存になる確率
⇒100%が健常者である
※ほぼ10年生存したに近い所まで延ばす事が可能(≒健常者と同様に近い生存期間)

・サバイバー5年生存率グラフ
⇒診断からの経過年数に応じたその後の5年相対生存率

◆男性の大腸がんの事例:診断時の進展度によって生存率が変わってくる

出典:サブタイトル/⑤-4-1.サバイバー生存率(10年生存率の計測)~伊藤ゆり 大坂医科薬科大学医学部医療統計研究室 教授~

■BRCAnalysisi FoudationOne
・Braca遺伝子修復遺伝子があった場合
⇒PARP(パープ)阻害剤というのを使う

<参考情報>

■2025年、ゲノムの時代になっている
・2015年にオバマ大統領がこれからゲノムの時代(個別治療)になると
⇒プジション・メディションを提唱した

・前立腺がんの遺伝子異常とし何があるか
⇒アンドロゲン受容体の変異
⇒DNA修復の遺伝子BRCA1,BRCA2、ATM遺伝子等
⇒下図、その他もある
⇒今回はDNA修復の遺伝子BRCA1,BRCA2をとり上げる

・BRCAの陽性の方
⇒保険適用されている

・BRCA遺伝子
⇒DNAを修復する遺伝子
⇒DNAの二本鎖を直すのがBRCA
⇒BRCA遺伝子修復は2つあって
⇒1本鎖を直す場合と2本鎖を直す場合がある
⇒BRCAというのは
⇒2本鎖を直す事が出来ない方
・PARP(パープ)阻害剤というのは
⇒1本鎖BRCAの変異があっても
⇒1本鎖の修復は一応できるので
⇒ある程度リカバリー的であるが
⇒そのような方に対して
⇒PARP阻害剤という1本鎖の修復が出来ない薬剤を使うと
⇒BRCAもダメでPARPもダメなので、
⇒両方ともDNA修復できなくなって
⇒がん細胞が死ぬというのがPARP阻害剤のメカニズムである

・生殖系DNA修復変異:海外のデータ
⇒11.8%
・体細胞変異
⇒治療過程で出てきた腫瘍が成長する中で増えてきたものを入れて
⇒23%


・生殖系DNA修復変異
⇒6.5%(海外の約半分)
⇒転移性前立腺がんの生命予後が
⇒海外と比べて良いと言われるのは
⇒ゲノムの影響が有るかも知れない

・体細胞変異
⇒治療過程で出てきた腫瘍が成長する中で増えてきたものを入れて
⇒12%(海外の約半分)
※BRCA遺伝子が有るのは生命予後が悪くなる

・千葉大のデータ
⇒11%



■ゲノムの変異の検査
・生殖系
⇒Brac anlysisi という検査もある
・生殖系+体細胞系
⇒FoudationOneがあり、転移部位の組織を採取して検査(痛みを伴う)
⇒FoudationOne Liquidという血液中のDNAでもゲノム検査が出来る

・3つの治療薬スタディ


・BRCA1/2変異、或いはATM変異のある方
⇒生命予後の延長効果がある
・サブグループ解析を見ると
⇒BRCA1/2変異のある方が
⇒一番生命予後の延長効果が高い
・ハザード比
⇒0.34
⇒非常に効果が高い事が分かる
※Copilotの回答:ハザード比(HR)0.34とは、
⇒オラパリブ治療群の「イベント(再発・死亡など)が起こるリスクが、比較群の約3分の1に減った」という意味です。 つまり 66%のリスク減少 を示す非常に強い治療効果を表します。
※PARP阻害剤は有効である
※日本の保険適用はBRCA1/2変異のある方だけ



・アビラテロン単独使用とPARP阻害剤併用の比較
⇒併用の方がメリットがあると示唆されている

・全生存期間の比較
⇒BRCA遺伝子変異の有る、無しに関らず全ての症例を含めた結果
⇒BRCA遺伝子変異の有る方は非常に効果があるので
⇒それに引っ張られて
⇒良い傾向があるが、
⇒P値で0.054、ギリギリ有意差が出ないということになる
※日本の保険適用について、全員が使える訳ではないのでBRCA遺伝子変異の陽性の方のみが現状である


・BRCA遺伝子変異の有る、無しに関らず全ての症例を含めた生命予後
⇒有意差が出た(生命予後が延長した)
⇒ですが、日本の保険適用上、誰でも使って良いかにはなっていない
⇒BRCA1/2遺伝子変異の有るのみ



・タラゾパリブ(PARP阻害剤)
⇒トラップ効果という
⇒DNAと結合する効果が強いと言われている
⇒結合効果はオラパリブの100倍位強い



・副作用も強い
⇒貧血が強く出るのがタラゾパリブの欠点である

<参考情報>




■74歳、cT3bN0M0、PSA値10.2、グリソンスコア5+4
・ホルモン療法を8ヵ月で効かなくなった方
⇒エンザルタミド(アンドロゲン受容体阻害剤)が10ヵ月で効かなくなり
⇒局所放射線治療(転移部)をやってもホルモン治療抵抗性になったので
⇒オラパリブ(PARP阻害剤)を20ヵ月投与した
・ゲノム治療薬のすごさ
⇒初期の治療薬(8ヵ月+10ヵ月)と非常に短い期間で効かなくなったが
⇒それより2倍近い期間において治療効果が効いた
⇒この結果に非常に驚いた

<参考情報>




■74歳、cT4N1M1a、PSA値7.725、グリソンスコア5+5
・ホルモン療法を10ヵ月で効かなくなった方
⇒ドセタキセル(抗がん剤)が6ヵ月で効かなくなり
⇒アビラテロン(アンドロゲン受容体阻害剤)もが6ヵ月で効かなくなった
⇒ホルモン治療抵抗性(この後の治療もないのでは?)になったので
⇒ゲノム検査をしたら
⇒BRCA遺伝子変異が陽性であった
⇒オラパリブ(PARP阻害剤)を投与開始
⇒この患者は貧血が結構出ていた為
⇒オラパリブ(PARP阻害剤)を
⇒投与したり止めたりを繰り返して
⇒15ヵ月の効果があった
※前の薬剤より治療効果が延長する事は普通あり得ないが、
⇒ゲノム創薬の場合はこのような事が認められる



■タラゾパリブ(PARP阻害剤)とエンザルタミド(アンドロゲン受容体阻害剤)の併用
・アビラテロン(アンドロゲン受容体阻害剤)を使い
⇒ドセタキセル(抗がん剤)を3コースで効かなくなり
⇒ホルモン治療抵抗性になったので
⇒EPと言う別の化学療法(抗がん剤)を1コースを使った上でも
⇒肺の転移が広がり
⇒ゲノム検査をしたら
⇒BRCA遺伝子変異が陽性であった
⇒タラゾパリブ(PARP阻害剤)とエンザルタミド(アンドロゲン受容体阻害剤)を併用して
⇒肺の転移が消えた

■副作用
・ヘモグロビン(Hb)が少し下がっている(下図)
⇒今後、ヘモグロビン値を見ながら治療を継続





■ホルモン治療抵抗性になった時
・ゲノム検査(BRCA遺伝子変異)
⇒陽性ならゲノム創薬治療への道筋がある
・陰性なら
⇒Radum223(内部放射線照射)とアンドロゲン受容体阻害剤(エンザルタミド)のとの併用
⇒アビラテロンのステロイドの影響も考慮して
・或いは従来の化学療法
⇒ドセタキセル(抗がん剤)やカバジタキセル(抗がん剤)で治療






<参考情報>
・SBRT(体幹部定位放射線治療:ピンポイント照射/超寡分割照射)の内容は以下を参照
出典:サブタイトル/⑤-4-3-2-2-2-1.画像誘導MRリニアック~超寡分割照射~&「前立腺がん放射線治療の進歩~MRリニアックに至るまで~」 宇野 隆(千葉大学医学部附属病院 放射線科教授)
サブタイトル/⑤-4-3-2-2-2-2.SBRT(体幹部定位放射線治療:ピンポイント照射)~超寡分割照射~
■⑤-4-3-2-2-2-2.SBRT(体幹部定位放射線治療:ピンポイント照射)~超寡分割照射~



■⑤-4-3-2-2-2-1.画像誘導MRリニアック~超寡分割照射~&「前立腺がん放射線治療の進歩~MRリニアックに至るまで~」 宇野 隆(千葉大学医学部附属病院 放射線科教授)



■MRリニアックの利点
・リアルタイムで患者の前立腺の動き変動を補正できる
⇒患者側の前処理(排便・排ガス・尿溜め)が不要になる
※上記発言先:「外照射の進歩とSBRT超寡分割照射について」山下 英臣(東京大学医学部附属病院 放射線科 准教授)開催:2023年11月23日(祝)



出典:https://www.youtube.com/watch?v=LG4F4KHNL5U&t=1784s 共催:NPO法人腺友倶楽部 / 一般社団法人日本泌尿器腫瘍学会 / 公益社団法人 日本放射線腫瘍学会 Mo-FESTA CANCER FORUM(モーフェスタキャンサーフォーラム)2025 講演3「前立腺がん薬物療法の変遷、今に至るまで」 坂本 信一(千葉大学医学部附属病院 泌尿器科 診療教授)