⑤-4-3.リスク分類に基づいた前立腺ガン治療の指針~ノモグラムの活用~

出典:前立腺癌の診断〜リスク分類とノモグラムについて〜東邦大学医療センター 佐倉病院 泌尿器科 准教授 神谷 直人先生 2019/02/06

■数字が大きくなるほどガン進行が進んでいる

■前立腺のリンパ節

内腸骨

・外腸骨

・閉鎖リンパ節

骨シンチ・全身MRI-DWIBS・PSMA-PETのリンパ節転移検出性能比較

<参考情報:病期診断>

ステージ診断(CT、MRI、骨シンチ検査に基づいて)

限界がある(ファジーな判定になる)

手術してみないとリンパ節転移は分からない

<参考情報:Microsoft Copilotの回答>

CTでは8mm以上でないと映らない

・DWIBS法は8.5mm以上のリンパ節転移を検出するのに適しているとされています

超音波検査では約5mm以上のリンパ節転移を検出することが可能

ただし、検出精度は使用する機器や技術、検査を行う医師の経験によっても異なるため、より小さな転移を見逃す可能性もあります

MRI検査では約8mm以上のリンパ節転移を検出することが可能

PET-CT検査では約4mm以上のリンパ節転移を検出することが可能

🔶高リスク症状におけるリンパ節転移率の推移と大きさ

・転移の平均的大きさ:1.8mm

大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している再発因子

■再発(PSA値上昇)を視野に入れて

PSMA-PET(保険外診療:自己負担/¥30万円程度)

小さな病変を検出できる

⇒具体的な行動・意識決定が出来る

CT、骨シンチでは検出できない小さな病変

前立腺特異的膜抗原

■PSMA-PET検査

初期病気診断をより正確に

再発部位をより正確に診断

PSMA-PETによるPSAの値<0.5未満

再発の発見率:約40%

注:再発の閾値(手術:0.2,放射線:2.0)

※PSMAーPETとは前立腺ガン特異タンパク質を検出するPET検査

事例

CTではリンパ節転移が発見できず

PSMA-PETでは矢印部の転移部位を発見

全医者が待ち望んでいる検査

放射線治療の選択肢が取れる

ガン細胞の部位が特定できる

ガン細胞の部位が特定できなければホルモン療法になる

Jewett Staging System

・特徴的な分類:D3

<参考情報:母集団の分布>

■NCCNリスク分類

骨転への広がりの4分類別の生存曲線

骨転移が多い(前立腺ガンの特徴)

■局所進行性(EAU分類)

・リンパ節転移を含む

■転移性前立腺ガンにおける治療

従来の標準治療はホルモン療法

近年通常のホルモン療法に

ドセタキセル(抗がん剤)を併用する場合や

新規ホルモン剤であるアビラテロンを併用する治療の

有用性が示されている

■モノグラム

■前立腺全摘後のPSA再発を予測するノモグラム

・kattan型モノグラム

・具体例

■計算内容

・PSA2ng/ml:65ポイント

・Gleasonスコア7:29ポイント

・被膜外浸潤-:0ポイント

・切除断端+:32ポイント

・精嚢浸潤+:25ポイント

・リンパ節転移-:0ポイント

●総ポイント:65+29+0+32+25+0=151

◆84ヵ月(7年)非再発率:84%

■ノモグラムの利点と欠点

外部検証がされているかも必要

答えではなく、あくまでも情報の一つ