③-4.PD-1阻害治療における直近の課題~東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑先生の動画を転記~

直近の課題

癌傷へのキラーT細胞の増殖

癌傷所属リンパ節は重要な働きをしている

外科的に癌傷リンパ節を取り除く事は

免疫療法に於いては良くない。(マウス実験)

効率を上げる方法

現在世界中で何千という治験が行われている。

PD-1+何かの組合せで治験が行われている

最大のパートナーはCTLA4(別の免疫のブレーキ)

化学療法、放射線療法との組合せ。

これらがペアとなっている。

新しい組合せ事例

ミトコンドリアが著しく活性化しないと

活性化したリンパ球の仲間(キラーT細胞)が作れない

・ミトコンドリアを活性化させる薬剤の探索

ベサフィブラート(既に認可されている薬剤)を見つける。

PD-1抗体+ベサフィブラートの組合せ

PD-1抗体単独よりも

更に効く事が分かった。(マウス実践)

・2剤を併用した治験のフェーズⅠを終えてデータが準備できている段階

⇒どうも効くらしい結果を得ている。

⇒次のフェーズを検討。

全身的な生体統御の中でがん治療を考えてく必要がある。

生体統御の異常で脳神経に影響を与え、行動異常が起きる事が報告されている。

・ペニシリンの発見とその後の歩みを辿ればと願う(本庶先生談)

感染症を根治できなくとも

コントロール出来るようになった。

がんが完全に消えなくとも

大きくならなければ良い

平衡状態で、日常生活に影響を与えなければ

慢性疾患(高血圧、糖尿病等の生活習慣病)となれば

⇒人類はがんを克服した事になるかもしれない。

・21世紀はPD-1阻害薬によるがん免疫治療法でがんの克服の可能性

・獲得免疫の幸運

・がん細胞も獲得免疫のターゲットとなる。