◆新規就農者による有機農業実践事例
最新の技術を使わなくとも、新規就農者の『良きコンセプト=モデル駆動』による農業生産で既に熟練農業生産者の技を凌駕する農業生産品質(オーガニックエコフェスタ2019栄養価コンテストにて優秀賞を受賞 :一般社団法人 日本有機農協普及協会開催)を僅か1年間の農業実践で実現した事例が有る。
同栄養価コンテスト『参加が1点だけの作物(スイスチャート&とうがらし )部門』の優秀評価は以下のようになっていた。
『検査データ』では( スイスチャート )、抵酸化力の179は、平均値64の2.7倍。糖度14.2は平均値5.0の2.8倍。ビタミンC の62.5は平均値30.0の2倍。
『味の評価』では (スイスチャート)、 「葉はしっかりとした食感で食べ応えがあり、茎の部分に甘味が凝縮されており、口の中に濃厚な旨味が残って非常に美味しい」というものでしたと記載。 以下のURLにて 日本有機農協普及協会の活動と受賞内容が紹介されています。
http://organicfestarecords.blogspot.com/2019/05/2019.html
この優秀賞制度(認証制度)は、生産者が発したい情報を消費者が受け止める事も可能になり、品質価値の相互評価と共有(共感)が進んでいくシェアリングエコノミー社会の良き雛形になると考える。
更に、価値評価基盤の仕組み(農作物生育過程の可視化管理、検査データ、品質賞制度、ブロックチェーン等) も整い始めており、生産者が発したい情報が消費社会に広り、成果物である農産物が価格に反映される事を支持する消費者の増大は、農業所得の向上と共に新規就農者への呼び水にもなるのではないか。
農業所得向上への鍵は情報の公開であり、公開を求め、食品の品質について学ぶ事を厭わない消費者の存在も挙げられる。
この変化の進み具合は、食品売り場の棚に検査データが表示されるシーンに出会う頻度で実感できる。
新規就農者が抱く所得不安の一つとしてあげられる『農業生産物の出来具合』に対して具体的な取組の道筋をこの実践事例は示していると考える。
ゴール(成果の設定:例として品質賞の獲得と収穫量)を起点に到達手順(良きモデル化による農産物の生産工程定義)が明示されていると、具体的な行動に結びつき、変動にさらされる農業経営に対しても積極的に対策を講じるアイディアが生まれ、農業所得の振れ幅を抑える仕組みが整備されていく。