講演2「前立腺がん放射線治療の進歩~MRリニアックに至るまで~」 宇野 隆
・位置合わせの技術進化
⇒画像誘導IGRT
・事前治療計画CTの前立腺位置情報とのズレが発生
⇒直腸内のガスの発生に追随して前立腺の位置が移動
⇒赤点線の位置に放射線が照射される=位置ズレ発生
⇒照射当日にガス抜きを行い、より精度が高い位置に調整
・ミサイル誘導システムを組み込む
■MRリニアックの登場
・MRリニアックの研究・開発・導入・治療の実施
⇒オランダのユトレヒト
・千葉大にMRリニアックの導入(2020年秋:コロナ禍)
・開発に20年を費やす
・IMRT(Intensity-modulated Radiation Therapy)
⇒コンピュータ制御で不均一な放射線を様々な方向から照射し
⇒腫瘍の形状に一致した線量を投与
・MRI内で利用できる器具(非金属)に限定
⇒放射線量のモニタリング
・磁場の中で放射線が乱れるのを補正して照射位置決めを調整
・CT画像ではガンが何処にあるのか専門医でも分からない
・MRIで見ると何となく見えてくる
・MRIのコンストラクト分解能の威力でガンの位置が特定
⇒拡散強調画像で白く光る部分が特定できる
⇒白く光る部分を更に放射線照射が可能になる
・CTの場合は位置合わせ用の金属マーカの埋込が必要
・MRIの場合は位置合わせ用の金属マーカの埋込が不要
・専門医でさえガンの位置を特定できない
⇒拡散強調画像(MRI)ではガンの輪郭が特定できる
・リアルタイムの位置修正(調整)の実現
⇒青線の範囲から赤線の範囲にリアルタイムで修正して放射線を照射
・動画事例
⇒自由呼吸すると身体の中でこれ位に臓器が動いている事例
⇒息止めをすると臓器の位置が止まる
・即時適応(リアルタイム)の威力
・保険適用事例
・緑のラインに放射線を照射
・重粒子でも危険な臓器に対して放射線をMRリニアックで照射
・CTではガンの位置が特定できない
⇒MRリニアックなら小さいが(緑色)ガンの位置を特定
・『位置』も『形』も『大きさ』も変わる胃のリンパ腫事例
⇒見ないで照射をかける場合、広い範囲で照射をしないとがん種に照射できない
⇒MRリニアックならピンポイントにガンを特定
・前立線ガンの場合
⇒3-5mmのマージを取って照射
・各臓器に対する放射線量のルールを構築
⇒ルールに合った場合に照射
⇒詳細内容は以下のタイムにて
・従来なら膀胱内の尿量(膨らみ)にも注意
⇒膨らみもリアルタイムで補正
・直腸のガスが降りてきた場合
⇒MRリニアックの場合位置ズレが起きるので照射を止める
⇒従来の放射線照射の場合はこのような現象は全く分からず、照射し続けていた
⇒身体の中は直腸内でガスが発生し、前立腺が常に動いている
・放射線治療における直腸への副作用の原因として
・膀胱内に尿が少しずつ増える
⇒照射中に膀胱が降りてくる
⇒前立腺の位置が変形する
・IMRTやSDRTが出来る施設名の開示
⇒IMRT(Intensity-modulated Radiation Therapy)
⇒コンピュータ制御で不均一な放射線を様々な方向から照射し
⇒腫瘍の形状に一致した線量を投与
・認定施設は250程度
■MRリニアックによる前立腺癌超寡分割照射(100症例突破記念)
出典:https://www.youtube.com/watch?v=HOjLMzSnzd0&ab_channel=KeiichiJingu