華厳経と華厳思想 No.1(華厳経の教え)~吉田叡禮(臨済宗妙心寺派牟禮山観音寺住職)転記~

【住職紹介】

臨済宗妙心寺派牟禮山観音寺住職。
龍谷大学文学部歴史学科 教授(2024年4月就任)
龍谷大学文学部仏教学科/佛教大学仏教学部仏教学科 非常勤講師
九鬼神流兵法 第21代師範家(皆伝師範)
修験道教師

もと 花園大学文学部仏教学科 教授(2008-2018) 日本仏教学会 理事

学位:博士(仏教学)Phd.

専門は華厳学、禅学、密教学。東アジア仏教を思想史的視点から研究している。

臨済宗大本山妙心寺妙心僧堂で禅修行。10代のころより修験道総本山五流尊瀧院で修験道を学び、黄檗宗大本山萬福寺で禅修行。近年、高野山において真言密教を修行。

出典:https://www.kannonzenji.or.jp/pleast.html

出典:https://www.youtube.com/watch?v=ivdY28YKCsQ&t=1121s&ab_channel=KEGONZEN

華=花々=菩薩による種々の実践

■雑(ぞう)=様々な

■コータン(=ホータン)

・西域南道沿いに位置する

■シナ以外にチベット訳(ジナミトラ)

・シクシャナンダ訳(80巻39品(ほん=章):699年)

⇒華厳学の大成者である法蔵も翻訳に参加

■華厳経

果上現の法門

⇒悟りとは何か

⇒悟りの境地は何かを説く

事物・事象の統一性と相互関連性

⇒今日的な複雑性の科学と同様に

・シンボル操作

悟りの内容(真理)は言語化されにくい

・入法界

⇒真理の世界に入る

<参考情報>

法(ダルマ)=<教え>から

後世は

⇒<教え>で説かれている内容(真理)に拡大解釈されるようになった

参照先:空海の死生観-生の始めと死の終わり-(土居先生講演より転記:仏陀と大乗仏教&密教の見取り図)より一部抜粋

■華厳経はいつ説かれたか?

・悟りそのものは

釈尊に教えを説くように依頼

パラレルワールド

菩提樹の下でいながら法=ダルマ』を天上、地上で説く

華厳のコンセプト

相手のレベルに合わせていない(未だ説法に踏み切る前の段階)

自内証の法門

華厳経では説法の相手が想定されていない

釈尊の悟りの内容(真理)を直接的に表している

<参考情報>

■解脱⇒涅槃

・六道輪廻のサイクルの外(涅槃)

⇒右図の赤字枠

参照先:空海の死生観-生の始めと死の終わり-(土居先生講演より転記:仏陀と大乗仏教&密教の見取り図)より一部抜粋

■教主=釈尊

■昆廬舎那仏(大日如来)

遍一切処(へんいっさいしょ):全ての所にあまねいている

・光明遍照(こうみょうへんじょう):光があまねく照らしている

影が無い

すべての人を救いとる

法身仏

真理そのも(菩提樹の下で悟りを開いた内容)

■融三世間以下三つの世間が溶け合って(ソリューションズ)

⇒衆生世間=我々が生きている世界

⇒器世間=それをいれる器の世間

⇒智正覚世間=悟りの智慧の世界

・十身具足

⇒様々な仏が備わっている

昆廬舎那仏(大日如来)の在りよう

・一即一切・一切一即

一つの事々・物の中に全てがある

不動而動(ふどうにしてどう)

菩提樹の下を動かずに天上・地上を行き来している

昆廬舎那仏(大日如来)=全仏仏の中の仏

■仏陀自身は沈黙のまま

・諸菩薩がその代弁者

※華=花々によって=菩薩による種々の実践

<参考情報>

■大乗仏教の萌芽期の発想

・二身説

⇒法身

⇒色身

■後世の仏教徒の考え

・色身の仏陀

⇒方便(手立て)としての生涯

■神変(じんぺん)

・仏陀の生涯のすべてが

<法身>の現し出す<色身>=<神変>

※密教を考える上で重要なコンセプト

神変が基本になる

神変(じんぺん)の象徴事例

・如来秘密

法(ダルマ)=<教え>から

後世は

⇒<教え>で説かれている内容(真理)に拡大解釈されるようになった

参照先:空海の死生観-生の始めと死の終わり-(土居先生講演より転記:仏陀と大乗仏教&密教の見取り図)より一部抜粋

■華厳経の翻訳の最後の品(章)

入法界品(菩薩道の究明と宣揚が基調)

⇒善財童子の求法(入法界・行願)

⇒53人の先生に師事する(55の場面)

⇒修行者の模範として東アジアで広がった

<参考情報>

出典:https://www.koumyouzi.jp/blog/902/