■病理学的指標(再発しやすいガン細胞)
・Gribriform(クリブリフォーム)といわれる
⇒顔つき悪いガン細胞
⇒cribriformには、篩状(しじょう)という意味があります。
⇒病理学では、
⇒細胞が成長して細胞間に小さな穴のパターンを形成して結合した状態を「篩状」と表現します。
・IDCP(導管内浸潤)
⇒前立腺にガン細胞がさぁっと入り込む

■ IDC-Pと篩状構造(Cribriform)の術後評価




<参考情報>






■全摘手術前に既に転移
・IDCPありの再発率
⇒3年後:48.6%
⇒5年後:55%

<参考情報>










出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol/108/1/108_5/_pdf
■講演4「病理診断と治療に伴う前立腺がんの形態変化」
大江 知里 先生(関西医科大学附属病院 病理診断科 講師)








■病理診断書を確認する事(標的生検結果説明時)
・コアに占める
⇒グリソンスコアの計算結果
⇒がん細胞の割合(%)が示されている

<参考情報>

■顕微鏡




■基底細胞の有無でがん細胞を検出する手法
・腺がん
⇒HE染色
⇒免疫染色(右図)

■一番顔つきの悪いのは?
・右図
⇒細胞異型が強い





■基底細胞がはっきりしない
・黄色点線部
⇒拡大すると(右図)
⇒まるい腺管が離れている

■黄色の矢印線の領域
・全てがん細胞
⇒拡大すると(右図)
⇒ゆがんだ腺管がくっついている

■黄色の矢印線の領域
・全てがん細胞
⇒拡大すると(右図)
⇒腺管を作らずバラバラ





■PSA検査の進展により
・低リスクがんの検出(標的生検)

<参考情報>


■PSA検査をすり抜ける『小細胞がん』
・PSAは陰性
⇒神経内分泌マーカーが陽性










<参考情報>



■内分泌治療
・前立腺の大きさは小さくなるが
⇒がん細胞を全滅する事は出来ない
※残存するがん細胞(右図)



■治療後の変化
・がん細胞が弱って消失
・がん細胞の顔つきが悪化
⇒去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)





<参考情報>
■PSA検査をすり抜ける『小細胞がん』
・PSAは陰性
⇒神経内分泌マーカーが陽性






■IDC-Pありの細胞
・グリソンスコア5より予後不良になる

<参考情報>




<参考情報>



■グレード5(グリソン分類)場合でも再発が高まる因子
■断端陽性
・前立腺の切断部の端部にガン細部がある
⇒生検ガン陽性率≧47.2%
⇒生検で10本の針の内5本がガン細部あり

■グレード5の予後不良比較
・断端陽性と生検ガン陽性率≧47.2%の両方の因子を持っている場合
⇒全摘手術前に転移を起こしていると推測される



■再発(PSA値上昇)
・PSMA-PET(保険外診療:自己負担/¥25万円)
⇒小さな病変を検出できる
⇒具体的な行動・意識決定が出来る
※CT、骨シンチでは検出できない小さな病変


■PSMA-PET検査
・初期病気診断をより正確に
⇒再発部位をより正確に診断
・PSMA-PETによるPSAの値<0.5未満
⇒再発の発見率:約40%
注:再発の閾値(手術:0.2,放射線:2.0)
※PSMAーPETとは前立腺ガン特異タンパク質を検出するPET検査

・事例
・CTではリンパ節転移が発見できず
⇒PSMA-PETでは矢印部の転移部位を発見
※全医者が待ち望んでいる検査



■放射線治療の選択肢が取れる
・ガン細胞の部位が特定できる
⇒ガン細胞の部位が特定できなければホルモン療法になる

■現在の標準的な検査の流れ

■全身MRI

・全身MRIの価値(保険収載)
⇒骨シンチグラムでは移転を発見できず(A)
⇒全身MRIでは第3腰椎と左腸骨転移を発見

・PSMA-PET(非保険)
⇒前立腺特異的膜抗原

・CTではリンパ節転移が発見できず
⇒PSMA-PETでは矢印部の転移部位を発見
※全医者が待ち望んでいる検査


■入口の検診を間違わない事
