⑤-4-2-6.病理学的指標(再発しやすいガン細胞)

■前立腺がん、病状に適した治療法を知る~熊本大学泌尿器科 神波大己 教授:前立腺がんセミナー2025 in 熊本

出典:https://www.youtube.com/watch?v=N3hRSBvVGyc&t=1128s

■前立腺生検のレポート

■高グレード前立腺上皮内腫瘍(PIN)

・がんとの診断はつかなかったけれど

⇒正常と腺がん(腺房腺がん:潜在性)との中間で前がん状態

⇒PINがあるからと言って将来臨床的症状を伴うような腺がん(臨床的)に発育していくかは別として

⇒ひょっとしたら手前の段階である腺がん(腺房腺がん:潜在性)に留まるかも知れない

⇒PINが記載されている場合、その後の推移を注意深く見守って行く必要がある

■腺がん(腺房腺がん:潜在性)

・最も前立腺がんとしてメジャーな組織系

⇒ここまで進展しても、その後進展せず、そのまま寿命(他の死亡要因で)を全うされる方もいる

■腺がん(腺房腺がん:臨床的)

・転移性を持つような臨床的に治療を必要とするように発展する方もいる

⇒そういう方が放置して行くと

⇒転移をきたし、全身の疾患(転移)になる

※腺房腺がんの中には

⇒自分の生命に関与しないがん(PSA監視療法対象)が存在するが、

⇒針生検ではそれが見分け出来ない

■腺房腺がんと導管腺がんの違い

・腺房線がん

⇒前立腺がんの8割~9割を占める

⇒一番下の図のように

⇒丸く濃くなっている腺房という部分とそ

⇒こから分泌液が流れ出てくる管の部分、導管腺があって

⇒主に腺房からがん化する

・導管腺がん

⇒導管の細胞ががん化すると

⇒導管腺がん

⇒グリソンパターンという度合を示す数値は4又は5と高い

■導管内がんと導管腺がんの違い

(似たような用語があるので誤解しないように)

・導管内がん:IDC-P

⇒導管腺がんと全く違う概念で

⇒一番左図で、ピンクの丸い正常な腺管というのがあって

⇒その外側にがんが発生して(真中の図)

⇒そのがんが浸潤して

⇒正常な導管の中を食い破って中に入って来る(右図)

⇒その振る舞いを考えると、周囲から勝手に正常な導管の中に浸潤してくるので

⇒質が悪いと考えられる

※生検のレポートの表現の違い(似たような用語の違い)を良く事前に理解しておくこと

■病理学的指標(再発しやすいガン細胞)

出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol/108/1/108_5/_pdf

・Gribriform(クリブリフォーム)といわれる

⇒顔つき悪いガン細胞

⇒cribriformには、篩状(しじょう)という意味があります。

⇒病理学では、

⇒細胞が成長して細胞間に小さな穴のパターンを形成して結合した状態を「篩状」と表現します。

・IDCP(導管内浸潤)

⇒前立腺にガン細胞がさぁっと入り込む

■ IDC-Pと篩状構造(Cribriform)の術後評価

<参考情報>

■全摘手術前に既に転移

・IDCPありの再発率

⇒3年後:48.6%

⇒5年後:55%

<参考情報>

出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol/108/1/108_5/_pdf

■講演4「病理診断と治療に伴う前立腺がんの形態変化」

大江 知里 先生(関西医科大学附属病院 病理診断科 講師)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=_97AWbwdBTQ&ab_channel=%E3%80%9C%E5%89%8D%E7%AB%8B%E8%85%BA%E3%81%8C%E3%82%93%E6%82%A3%E8%80%85%E3%83%BB%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%81%AE%E4%BC%9A%E3%80%9C%E8%85%BA%E5%8F%8B%E5%80%B6%E6%A5%BD%E9%83%A8

■病理診断書を確認する事(標的生検結果説明時)

・コアに占める

⇒グリソンスコアの計算結果

⇒がん細胞の割合(%)が示されている

<参考情報>

■顕微鏡

■基底細胞の有無でがん細胞を検出する手法

・腺がん

⇒HE染色

⇒免疫染色(右図)

■一番顔つきの悪いのは?

・右図

⇒細胞異型が強い

■基底細胞がはっきりしない

・黄色点線部

⇒拡大すると(右図)

⇒まるい腺管が離れている

■黄色の矢印線の領域

・全てがん細胞

⇒拡大すると(右図)

⇒ゆがんだ腺管がくっついている

■黄色の矢印線の領域

・全てがん細胞

⇒拡大すると(右図)

⇒腺管を作らずバラバラ

■PSA検査の進展により

・低リスクがんの検出(標的生検)

<参考情報>

■PSA検査をすり抜ける『小細胞がん』

・PSAは陰性

⇒神経内分泌マーカーが陽性

<参考情報>

■内分泌治療

・前立腺の大きさは小さくなるが

⇒がん細胞を全滅する事は出来ない

※残存するがん細胞(右図)

■治療後の変化

・がん細胞が弱って消失

・がん細胞の顔つきが悪化

⇒去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)

<参考情報>

■PSA検査をすり抜ける『小細胞がん』

・PSAは陰性

⇒神経内分泌マーカーが陽性

■IDC-Pありの細胞

・グリソンスコア5より予後不良になる

<参考情報>

<参考情報>

【続き】前立腺がん、病状に適した治療法を知る~熊本大学泌尿器科 神波大己 教授:前立腺がんセミナー2025 in 熊本

出典:https://www.youtube.com/watch?v=N3hRSBvVGyc&t=1128s

■米国事例(5年生存率)

・D期:転移をきたすと

⇒5年生存率は30%に低下

⇒色々治療法の進展もあり、粘る余地が出来つつある

<参考情報>

【ステージ分類とTNM臨床分類】

■現状の標準診断には限界がある

・小さいサイズのがん部位は

⇒画像表示(診断)が出来ない

※PSMA-PETやDWIBS(拡散強調画像)の

⇒初期(追加)診断と経過診断が必要

・生検

⇒病期B(根治治療の対象)

⇒病期Dは根治治療の対象から外れる可能性があって

⇒薬物治療が中心になるかもしれない

■手術

・開腹手術の時代

⇒大出血が伴い肉眼で部位の判別が困難である為、大変であった

出血量が大体1リットル程度(事前に自己の血液を造血し、その造血を出血時に使用:輸血をしない)

⇒尿道括約筋の損傷による尿漏れ

⇒男性機能神経の損傷による勃起障害

⇒裏側にある直腸を損傷して一時的な人工肛門等

■従来の開腹手術との大きな相違

・見えにくかった事が大幅に低下

⇒出血や直腸への損傷や尿道括約筋の損傷も減少

・恥骨が邪魔をして前立腺の一番奥にある部分が見えにくい

⇒ロボット手術では

⇒内視鏡により恥骨の下まで見えるようになり

⇒前立腺が全部見えるようになり、

⇒その上の静脈まで見える事で出血が瞬時に止める事が出来るようになった

⇒更に、指と同じようにロボット操作ができる

・突発的な動きをしても

⇒それを1/5のスケールダウン(例:5㎝動かしても1㎝の動作に減少)が行われる

⇒精密な手術が出来るようになった

・高リスクと診断された患者のロボット手術の課題

⇒断端陽性率と5年PSA再発率

・京都大学事例

<参考情報>

■グレード5(グリソン分類)場合でも再発が高まる因子

■断端陽性

・前立腺の切断部の端部にガン細部がある

⇒生検ガン陽性率≧47.2%

⇒生検で10本の針の内5本がガン細部あり

■グレード5の予後不良比較

・断端陽性と生検ガン陽性率≧47.2%の両方の因子を持っている場合

⇒全摘手術前に転移を起こしていると推測される

■再発(PSA値上昇)

・PSMA-PET(保険外診療:自己負担/¥25万円)

⇒小さな病変を検出できる

⇒具体的な行動・意識決定が出来る

※CT、骨シンチでは検出できない小さな病変

■PSMA-PET検査

・初期病気診断をより正確に

⇒再発部位をより正確に診断

・PSMA-PETによるPSAの値<0.5未満

⇒再発の発見率:約40%

注:再発の閾値(手術:0.2,放射線:2.0)

※PSMAーPETとは前立腺ガン特異タンパク質を検出するPET検査

・事例

・CTではリンパ節転移が発見できず

⇒PSMA-PETでは矢印部の転移部位を発見

※全医者が待ち望んでいる検査

■放射線治療の選択肢が取れる

・ガン細胞の部位が特定できる

⇒ガン細胞の部位が特定できなければホルモン療法になる

出典:サブタイトル/⑤-4-3-3-3.ミニマム創

出典:https://www.youtube.com/watch?v=N3hRSBvVGyc&t=1128s 前立腺がん、病状に適した治療法を知る~熊本大学泌尿器科 神波大己 教授:前立腺がんセミナー2025 in 熊本

■現在の標準的な検査の流れ

■全身MRI

・全身MRIの価値(保険収載)

⇒骨シンチグラムでは移転を発見できず(A)

⇒全身MRIでは第3腰椎と左腸骨転移を発見

・PSMA-PET(非保険)

⇒前立腺特異的膜抗原

・CTではリンパ節転移が発見できず

⇒PSMA-PETでは矢印部の転移部位を発見

※全医者が待ち望んでいる検査

■入口の検診を間違わない事