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◆自然災害に対して『立地条件』の見直し(工場移転)がされた事例
台風19号(10月12日夜から13日にかけて東日本を縦断した)の浸水被害により日立製作所は、団地内にある郡山事業所の事業の大半を神奈川県や愛知県に移転する方針だ。
同社は1986年の8.5豪雨でも被災。高さ約3メートルの防水壁を設置したが、今回も生産設備などが被害を受けた。 (河北新報 2020年01月11日土曜日 )
[郡山中央工業団地] 約189ヘクタールの敷地に251社が立地し、従業員は合わせて約8000人。台風19号では阿武隈川支流の谷田川の氾濫によってほぼ全域が浸水した。被災企業は234社に上り、このうち郡山市が把握している137社分だけでも被害額は383億9530万円。 (河北新報 2020年01月11日土曜日 )
下記のURL(YouTube) にて 10月13日(日)午前10時~阿武隈川を中心にヘリコプターで撮影しながらがライブ配信された動画。 (郡山中央工業団地の洪水被害(出典のURL)も紹介されている)
◆「水防法等の一部を改正する法律」が、平成27年5月20日に公布、7月19日に一部施行、11月19日に完全施行された。
洪水浸水想定区域とは(千葉県 県土整備部河川環境課 より)
洪水浸水想定区域とは、河川が氾濫した場合の浸水が想定される区域であり、市町村が作成する洪水ハザードマップの基本情報となる。
既に「計画規1の降雨を対象とした浸水想定区域図は公表されているが、近年多発している激甚な浸水被害への対応を図るため、平成27年5月に改正された水防法に基づき、水位周知河川において、「想定し得る最大規模の降雨」※2による洪水浸水想定区域図を作成することとなった。
※1:河川の洪水防御計画の基本となる降雨であり、その発生確率は概ね1/30~1/50程度
※2:関東地方において観測された最大の降雨量に基づき設定された降雨であり、その発生確率は1/1,000を上回る。
◆【2019台風19号・福島】東北の川は弱い!? 耐えられる雨量は川それぞれ
台風19号では川の水があふれたことで甚大な被害が発生。
【どの程度の雨が降ると川の水が溢れるのか?その目安は?】
《防災マイスター 松尾一郎さんの解説》
河川ごとに耐えられる雨の量『限界降雨量』がある。川の勾配や流域土壌環境によって違いがある。
もともと雨が多い四国・徳島県の那賀川は48時間で640ミリの雨に耐えることができる。
一方、東北の河川は雨に弱い。
福島県を流れる阿武隈川は48時間で256ミリ。福島県須賀川市の釈迦堂川では48時間で202ミリ。台風19号で阿武隈川流域の平均雨量は252.7ミリ。最大300ミリだからハザードマップに示されている数値より多い雨だった。
《福テレ斎藤恭紀気象予報士の解説》
東日本は西日本に比べると元々雨の量が少なく雨に対する耐性が弱い。
また、阿武隈川は南から北へ流れている。台風は南から北へ進む。台風の雨をまともに川が受けてしまう。さらに川幅が狭くなったり広くなったりする箇所も多く、狭い箇所では冠水してしまう事が多くある。
◆24時間降水量の『再現期間』( 国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門 )
測定された降水量が「確率的に何年に1回起こるか」を極値統計の理論に基づき算出したものを、降水量の「再現期間」と呼んでいる。
台風19号に伴う10月13日0時時点で記録された前24時間降水量の再現期間を、5kmメッシュで計算されている。
千曲川流域や阿武隈川流域では、24時間降水量の再現期間が百年を超えている箇所が多くあり(右図)、それぞれの流域において「非常に稀な降水量であった」ことが分かると指摘している。
◆千葉県における2019年度の自然災害発生事例
令和元年台風15号(9月9日)の直撃上陸(千葉市)、台風19号(10月12日)及び10月25日の大雨(線状降雨帯の発生)と2カ月間で3回大規模な自然災害が起きた。
気象変動による自然災害現象は、従来の想定が通用しない事を体験させると同時に河川の『限界降雨量』に対する隠されて問題点(全国一律の河川管理政策ではなく地域差が有る)が顕在化した。