■「PD-1の発見からがん治療へ」
◆ブレーキを外せば攻撃できる
・1992年に「PD-1」を発見
⇒2014年に「オプジーボ」がガン治療薬として承認(22年間を費やした)
・ガン細胞の変異はコロナ変異のように細胞変異スピードが速い
⇒元々は自分の細胞(初期以前のガン細胞)であったが変異を重ねてガン細胞に成長する。
・免疫側から見れば
⇒自分の細胞ではないと判断するようになる。
出典:本庶先生のランチョンセミナーvol.2
出典:本庶先生のランチョンセミナーvol.2
出典:本庶先生のランチョンセミナーvol.2
出典:本庶先生のランチョンセミナーvol.2
出典:https://www.youtube.com/watch?v=MSPNrcyml4g&t=6s(#65/新たながん治療薬、オプジーボの誕生/京都大学大学院医学研究科 免疫ゲノム医学 教授 本庶 佑/この国の行く末2より)
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」玉田 耕治(山口大学大学院医学系研究科 免疫学分野 教授):一般社団法人日本癌学会
■PD-1阻害療法によるがん治療のパラダイムシフト
・従来の免疫治療はアクセル機能のみに焦点を当てた開発しか出来なかった。
⇒免疫のブレーキ機能が未解明(誰も知らなかった)であった故に。
・がん細胞が免疫のブレーキ機能を掛けているので
⇒免疫のアクセル機能を同時に働かせても
⇒がん治療としての成果に結びつかなかった。
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」玉田 耕治(山口大学大学院医学系研究科 免疫学分野 教授):一般社団法人日本癌学会
・免疫のブレーキ機能を外せばがん細胞を攻撃できる。
⇒1996年アリソン博士(ノーベル賞共同受賞者)がCTAL-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)によりがん細胞の消失や縮退をもたらす効果があることを実証。
⇒1992年に「PD-1」を発見して、「PD-1」を利用してマウスモデルで実証したのが2002年。
上記二つの実証で
免疫のブレーキを外して
がんを攻撃する原理が見つかり
治療への扉が開かれた。
・ガン細胞の攻撃原理を実証したが
⇒医薬品(保健適用)になるまで
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
・安全性の治験(極めて厳しい条件(ステージⅣの末期がん患者から治験を開始))
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
⇒実績(実証)を重ねて
⇒医薬品として国の承認薬(保健適用)に結び付けた。
・「PD-1」の発見から
⇒2014年に「オプジーボ」ががん治療薬として承認されるまでに
⇒22年間を費やした。
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
免疫のブレーキPD-1分子を発見し、
⇒約20年の歳月を掛けてPD-1阻害により(治療薬(認可))がん治療が出来る事を証明。
その特徴は大きく分けて3つ。
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
1.正常細胞が影響を受けないので副作用が少ない。
⇒PD-1抗体は正常細胞を殺す訳ではない。
但し、活性化し過ぎた為による免疫による自己免疫病ということが起こり得る。
出典::https://www.youtube.com/watch?v=XKYFzEwTg6o
2.広範囲ながん種に効果がある。
(現在2000以上の治療進行中:PD-1と他の組合せ。例:最大のパートナーはCTLA4)。
⇒PD-1治療はたった一つの薬で何十種類のがんに対して既に認可がされている。
⇒抗がん剤はがん細胞の抵選択変異に応じて薬剤を変えて(薬剤A→薬剤B→・・)がんを治療。
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2022年2月13日)
3.治療を止めても効果が長く続く。
・誰もが想定しなかったことが起きた。
⇒治療に患者が反応しだし、腫瘍が小さくなってかなり進んだところで治療を止めても、どんどんと更にガンが無くなっていく。
⇒あるいは急に再び大きくなるということが起こらない。
*何故こういうことが起きるのかはよく分からない。従来のがん治療と違う。
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
■獲得免疫の驚くべき幸運
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
【参考情報:B細胞とは】
出典:https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/autoimmune/immunology/im06/01.php
【参考情報:免疫グロブリン遺伝子の遺伝子再編成】
出典:https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/autoimmune/immunology/im06/01.php
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
出典:https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/autoimmune/immunology/im06/01.php
出典:https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/autoimmune/immunology/im06/01.php
出典:https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/autoimmune/immunology/im06/01.php
出典:https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/autoimmune/immunology/im06/01.php
出典:https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/autoimmune/immunology/im06/01.php
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
■獲得免疫の神秘を覗く
出典:東北大学特別講義:[オンライン特別講義] 獲得免疫の神秘を覗く/本庶 佑 (京都大学高等研究院副院長・特別教授)
■「癌・自己免疫・老化:PD 1スイッチによる疾患制御」本庶 佑(京都大学高等研究院 副院長/特別教授)
出典:【AMEDシンポ2019】「癌・自己免疫・老化:PD 1スイッチによる疾患制御」本庶 佑(京都大学高等研究院 副院長/特別教授)
■免疫のブレーキPD-1
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム
・免疫の活性化シグナルで出来るリン酸化タンパク質を
・PD-1の刺激でリン酸化タンパク質を片っ端から外していき、
⇒刺激を弱くしている事が明らかになった。
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
出典:第32回京都賞記念講演 本庶佑博士
・がん細胞に遭遇しても攻撃が出来る
・がん細胞が持っている様々な抗原に対して
⇒Ⅰ種類だけのリンパ球だけではなく
⇒沢山のリンパ球ががんとの戦いに参戦できるようにする。
⇒これがPD-1の抗体の大きな力である。
・PD-1の臨床治験と抗がん剤の成果比較
⇒15ヵ月後時点でPD-1の生存率は70%台を維持、一方抗がん剤の生存率は20%程度。
・ガン治療薬として承認されたガン種(各国で)
出典:がん免疫治療の新展開 – 本庶 佑 – 第8回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウ
【関連情報】
1.第4のがん治療「免疫チェックポイント阻害薬」は自分のがんに使える?
・免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ等)は癌種毎に適応条件が有る
⇒例:胃がん(3次治療以降)、非小細胞肺がん(2次治療)、食道がん・・・
2.衝撃!】新薬で進行した直腸がんが消えた?抗PD-1抗体(免疫チェックポイント阻害薬)ドスタルリマブの臨床試験
・DNAミスマッチ修復機能の欠損の直腸がんステージⅡ又はⅢ(大腸がん患者の約5%)
⇒第二相臨床試験の短期結果(16名中12名が治療を終了、最低6ヵ月の経過観察)
⇒単独投与を3週間おきに6ヵ月間(合計9サイクル)行う。
⇒12名全員が完全奏功が得られた。
⇒腫瘍が確認できなくなった。
出典:がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ
3.講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」玉田 耕治(山口大学大学院医学系研究科 免疫学分野 教授):一般社団法人日本癌学会
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」
出典:講演2「がん免疫療法って何? しっかり学んで正しく理解しよう」