⑤-4-2-9.DNA遺伝子検査(コンパニオン診断)

■講演2「ゲノム医療と遺伝子検査」

野々村 祝夫 先生(大阪大学医学部付属病院 泌尿器科 教授)

2021年11月23日(祝)

出典:https://www.youtube.com/watch?v=R2nyIzxIEYU&ab_channel=%E3%80%9C%E5%89%8D%E7%AB%8B%E8%85%BA%E3%81%8C%E3%82%93%E6%82%A3%E8%80%85%E3%83%BB%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%81%AE%E4%BC%9A%E3%80%9C%E8%85%BA%E5%8F%8B%E5%80%B6%E6%A5%BD%E9%83%A8

遺伝子パネル検査の制約

標準治療が無くなった段階で一生で1回実施できる

検査費用は56万円

※前立腺ガン患者で

BRCA1/2遺伝子変異がある人は保険収載薬がある

遺伝子変異の構成が大きく違う例

■コンパニオン診断

分子であるタンパク質を診断

分子標的(阻害)治療薬の効果を遺伝子変異などを調べて予測

■遺伝子変異を調べて結果の効果

EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺ガンのみを対象

76.4%まで効果が高まる

EGFR遺伝子変異の有無を調べる事が重要になる

コンパニオン診断機能

前立腺ガンの場合では

遺伝子変異:BRCA1/2遺伝子変異

治療薬:オラパリブ

■個別化医療プロジェクト

遺伝子パネル検査

標準的治療が無くなった患者が対象

⇒例えば前立腺ガンでホルモン治療も効かなくなった段階

※一生に1回しか遺伝子パネル検査が出来ない

■遺伝子パネル検査レポート

・遺伝子パネル検査により治療薬に辿り着ける割合

遺伝子変異が見つかる割合:約60%(円グラフの緑色46%+赤色13.3%)

遺伝子異常に合致した治療薬投与:13.4%(円グラフの赤色)

※56万円の検査費を支払った約10%程度しか候補薬が見つからない

PARP阻害薬

DNA1本鎖切断を阻害

その結果DNA2本鎖切断をする事になる

⇒正常な細胞ならDNA2本鎖を修復する事ができるが

⇒BRCA変異細胞の場合は2本鎖切断の修復が出来ず細胞死させる

BRCA変異細胞がある前立腺ガン患者に

PARP阻害薬を投与すると良く効く(ガン細胞を死に追い込む)

※阻害薬:オラパリブ

PARP阻害薬オラパリブの世界規模の調査

・4ヵ月の生存期間延長効果(生存率50%)

⇒BRCA1/2,ATM遺伝変異群

BRCA1/2遺伝変異のみの場合

PARP阻害薬オラパリブ保険収載になった

去勢抵抗性になった際

遺伝子検査が実施

BRCA遺伝変異が見つかれば

PARP阻害薬オラパリブ(保険収載)の投与

⇒6ヵ月程度(生存率50%)の生存期間延長が期待できる

BRCA遺伝子変異でリスクが増える7つの「がん」:遺伝する癌

出典:BRCA遺伝子変異でリスクが増える7つの「がん」:遺伝する癌/がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ