■講演2「ゲノム医療と遺伝子検査」
野々村 祝夫 先生(大阪大学医学部付属病院 泌尿器科 教授)
2021年11月23日(祝)

※遺伝子パネル検査の制約
・標準治療が無くなった段階で一生で1回実施できる
・検査費用は56万円
※前立腺ガン患者で
⇒BRCA1/2遺伝子変異がある人は保険収載薬がある





■遺伝子変異の構成が大きく違う例

■コンパニオン診断
・分子であるタンパク質を診断
⇒分子標的(阻害)治療薬の効果を遺伝子変異などを調べて予測

■遺伝子変異を調べて結果の効果
・EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺ガンのみを対象
⇒76.4%まで効果が高まる
⇒EGFR遺伝子変異の有無を調べる事が重要になる

■コンパニオン診断機能
・前立腺ガンの場合では
⇒遺伝子変異:BRCA1/2遺伝子変異
⇒治療薬:オラパリブ

■個別化医療プロジェクト




■遺伝子パネル検査
・標準的治療が無くなった患者が対象
⇒例えば前立腺ガンでホルモン治療も効かなくなった段階
※一生に1回しか遺伝子パネル検査が出来ない




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■遺伝子パネル検査レポート

・遺伝子パネル検査により治療薬に辿り着ける割合
⇒遺伝子変異が見つかる割合:約60%(円グラフの緑色46%+赤色13.3%)
⇒遺伝子異常に合致した治療薬投与:13.4%(円グラフの赤色)
※56万円の検査費を支払った約10%程度しか候補薬が見つからない






■PARP阻害薬
・DNA1本鎖切断を阻害
⇒その結果DNA2本鎖切断をする事になる
⇒正常な細胞ならDNA2本鎖を修復する事ができるが
⇒BRCA変異細胞の場合は2本鎖切断の修復が出来ず細胞死させる
※BRCA変異細胞がある前立腺ガン患者に
⇒PARP阻害薬を投与すると良く効く(ガン細胞を死に追い込む)
※阻害薬:オラパリブ

・PARP阻害薬オラパリブの世界規模の調査

・4ヵ月の生存期間延長効果(生存率50%)
⇒BRCA1/2,ATM遺伝変異群

・BRCA1/2遺伝変異のみの場合
⇒PARP阻害薬オラパリブが保険収載になった

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■去勢抵抗性になった際
・遺伝子検査が実施
⇒BRCA遺伝変異が見つかれば
⇒PARP阻害薬オラパリブ(保険収載)の投与
⇒6ヵ月程度(生存率50%)の生存期間延長が期待できる


出典:BRCA遺伝子変異でリスクが増える7つの「がん」:遺伝する癌/がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ