⑤-4-3-3-2.ロボット支援下手術

手術の評価

リンパ節転移

事前にはほとんど分からない手術して初めて分かる

高リスクにおけるリンパ節転移の率

⇒23.7%

※転移の平均的大きさ:1.8mm

大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している再発因子

CTでは8mm以上でないと映らない

■追加治療

・術後のフォローアップ

再発

・まとめ

■PSA検査から確定診断・手術選択の流れ

MRI/超音波融合生検

■手術の質の評価項目

■切断断端(断端陽性率)

・pT2の場合:断端陽性は-

但し、手術ミスでガン細胞領域を斜めに切除すると

断端陽性は+になる

pT3の場合:断端陽性は-と膜外浸潤部位)の混在

■ロボット支援下手術

※手術時に病院の設備仕様により

MRI/超音波融合生検時のデータとの同期の有無の差はある

■再発(PSA値上昇)を意識して確定診断を行う

PSMA-PET(保険外診療:自己負担/¥30万円程度)

小さな病変を検出できる

⇒具体的な行動・意識決定が出来る

CT、骨シンチでは検出できない小さな病変

前立腺特異的膜抗原

■PSMA-PET検査

初期病気診断をより正確に

再発部位をより正確に診断

PSMA-PETによるPSAの値<0.5未満

再発の発見率:約40%

注:再発の閾値(手術:0.2,放射線:2.0)

※PSMAーPETとは前立腺ガン特異タンパク質を検出するPET検査

事例

CTではリンパ節転移が発見できず

PSMA-PETでは矢印部の転移部位を発見

全医者が待ち望んでいる検査

放射線治療の選択肢が取れる

ガン細胞の部位が特定できる

ガン細胞の部位が特定できなければホルモン療法になる

手術後の補助放射線療法 vs 早期救済放射線療法 ランダム比較調査

差は無かった

PSAが上昇してきたら治療するとなっているが

⇒参加者に特性が雑多(放射線治療を必要とする/しない)な為

整理された患者特性で比較調査する必要がある

※このランダム比較調査は海外の事例である

■手術:前立腺全摘術

■生検による高リスク前立腺ガン評価格差

⇒診断医間格差

⇒生検の再現性

※ダウングレード、ダウンステージもあり、

一方、リンパ節転移が隠れている

■治療方針

高リスク・超高リスク

拡大郭清リンパ節転移を取り除くを行うべき

※日本では医者まかせ

■中間・高リスク(cN1まで)の手術(再発リスクの低減を願い)

・拡大リンパ節郭清は行われるべき

主治医に手術前に確認すべき

⇒医師によっては限局リンパ節郭清だけにしているケースもある

高い手術スキルがないと拡大リンパ節郭清ができない

※診断の問題点・治療の問題点を含めて主治医と要確認が必要だ

高リスクにおけるリンパ節転移の率

⇒23.7%

※転移の平均的大きさ:1.8mm

大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している再発因子

※CTでは8mm以上でないと映らない

■リンパ節郭清

拡大郭清すると40個も発見

転移性陽性率の推移

15.8%2015年

・低リスク以外は

骨盤リンパ節郭清を多くの場合に実施ミニマム創

・手術のステップ(概要)

前立腺の手術は難易度が高い

高いスキルが求められる(多くの経験も含む)

・多い出血の中での手術

・手術の合併症

根治性と機能温存の両立が難しい

・神経温存術

勃起神経の温存パターン

ガン細胞が占める領域によって

・勃起神経の走行(シート状)

※動画にて詳細に説明されている

■施設間、術者間で成績の差が大きい(手術方式・病院の選択)

<<事前確認項目>>

・根治性

断端陽性率、再発率

・出血量

⇒輸血の有無

・神経温存の成績

・失禁の割合

・ミニマム創手術の専門家(熊谷総合病院 泌尿器科 川島清隆氏)

・NCCN(全米総合がん情報ネットワーク)ガイドライン2017

合意できない内容熊谷総合病院 泌尿器科 川島清隆氏

豊富な経験・熟練の医師を見つけるは至難の業

根治の難しさ

拡大リンパ節郭清を含めて手技に依存

■拡大リンパ節郭清

大変な手術(行われ無い事が多い

しっかりやらないといけない(根治を目指して

内腸骨

頻度が多い部位

非常に郭清が難しい

※実際の手術しているシーンとその詳細な内容が説明がされている

前立腺周囲の血管の出血を抑える

⇒赤の点線の3箇所

・手術方法(ロボット)

⇒逆行性

⇒順行性

・ミニマム創手術

・直腸との間の剥離

※実際の手術しているシーンとその詳細な内容が説明がされている

■尿道切離

ガン細胞が尿道から離れていると

⇒機能温存ができる

ガン細胞が尿道から近いと

血管や神経、膜が廻りにあり

回りがよく見えなくなる

見ないで手術するのは難しい

※実際の手術しているシーンとその詳細な内容が説明がされている

・出血量(ミニマム創手術)

⇒中央値で88㏄(2017年時点)

⇒輸血はしない

・pT3以上、断端陽性率(RMI)の推移

・手技(ミニマム創手術)が安定してきた期間(白枠)

・同期間の再発率の推移(ミニマム創手術)

・リスク別比較推移(ミニマム創手術)

尿禁制の推移(ミニマム創手術)

ロボット手術の場合(文献)

神経温存

尿禁制に効果

・栃木県立がんセンターの治療方針(ミニマム創手術

・ミニマム創手術の合併症

手術の評価

リンパ節転移

事前にはほとんど分からない手術して初めて分かる

高リスクにおけるリンパ節転移の率

⇒23.7%

※転移の平均的大きさ:1.8mm

大半のリンパ節転移をCT検査で見逃している再発因子

※CTでは8mm以上でないと映らない

■追加治療

・術後のフォローアップ

再発

・まとめ

・予防(事前・事後)

重要なメッセージ

■手術のメリットのまとめ

特にリンパ節転移は手術で初めて分かる

1~2個の転移であれば根治出来ることもある

手術の進化

腹腔鏡下手術

・長所・短所

操作が難しいので熟練者が行うべき(資格制度)

■ロボット支援手術

操作性が高い

前立腺全摘に占めるロボット手術の割合

⇒75%(2017年)

・ダビンチ手術(ロボット手術)の利点(メーカーカタログ)

・ダビンチ手術(ロボット手術)の特徴

動画で紹介されている

※実際の手術しているシーンとその詳細な内容が説明がされている

・長所・短所

数年前(2017年の時点で)に

将来ロボット手術が優るであろうと言われている

第170回市民公開講座〈第2部〉『前立腺癌ロボット支援下手術について』(開催日:2024年9月5日)

【講師】東京医科大学病院 泌尿器科 助教 鹿島 剛 医師

■泌尿器科で開腹手術していた項目

・ほぼロボット支援下手術で対応出来るようになった

■がん制御

切除した断面のがん残存率

開腹、腹腔鏡より低い

<参考情報>

■切断断端(断端陽性率)

・pT2の場合:断端陽性は-

但し、手術ミスでガン細胞領域を斜めに切除すると

断端陽性は+になる

pT3の場合:断端陽性は-と膜外浸潤部位)の混在

■副作用

・尿失禁

⇒ロボット手術:最近は良くなっている

(下表は少し古いデータ)