⑤-5-3.再現性の無い稀な事例:《寄稿》余命1〜2カ月、がん宣告からの回復=母を支えた食事療法とヨモギ茶の実録=サンパウロ在住 大浦智子

出典:https://brasilnippou.com/ja/articles/260625-31colonia 2026年6月25日

【Googel AI概要】

食事療法やヨモギ茶の飲用といった民間療法・独自の実践だけで、現代医学の標準治療(手術・抗がん剤・放射線治療など)を置き換えて末期がんを治すという科学的な医学的根拠や公的な証明はありません。

■重要な注意点とリスク

・標準治療の遅れや中断の危険性: がんの治療において、根拠の確立していない食事療法や民間療法のみに頼ることで、適切な標準治療の開始や継続が遅れ、病状が進行する重大なリスクが指摘されています。

・ヨモギや成分に関する注意: ヨモギに含まれる成分(ツヨンなど)の過剰摂取は、体への負担や副作用を引き起こす可能性があります。また、特定の成分を抽出した医薬品(アルテスネートなど)の抗がん作用の研究などは存在しますが、日常的な「ヨモギ茶」の飲用で末期がんが治癒するというエビデンスはありません。

■がんの治療・相談先

・がんの診断や治療については、主治医や専門医と十分に相談し、科学的エビデンスに基づいた標準治療を検討することが最善です。

・治療法や生活面の不安については、病院の「がん相談支援センター」や専門の医療スタッフに相談することをお勧めします。

【千葉大学医学部附属病院 がん相談支援センター】

■がん相談支援センター

院内外のがん患者さんやご家族の医療と福祉に関するご相談を、専門の相談員がお受けしています。秘密は厳守いたします。

例えば・・

  • 医療費のことが心配
  • 利用できる医療福祉制度について知りたい
  • 今後の自宅での療養や介護が不安

・・・等ご相談ください。

■相談受付方法

電話でのご相談も可能です。(直通:043-226-2698)
詳細なご相談のためには是非ご来院下さい。電話でのご予約をお受けしています。

がん相談支援センター(患者支援センター内)
直通電話:043-226-2698
受付時間:平日9:30~16:30

出典:https://www.ho.chiba-u.ac.jp/gan/sodan/index.html

《寄稿》余命1〜2カ月、がん宣告からの回復=母を支えた食事療法とヨモギ茶の実録=サンパウロ在住 大浦智子

ステージ4のがん宣告で覚悟

 私の母(当時70歳)は2025年4月、足の激しいむくみと痛みをきっかけに兵庫県の病院で精密検査を受け、胃がんが肺、肝臓、リンパ節へ転移したステージ4のがんと診断されました。手術は難しく、抗がん剤治療を行ったとしても延命できる期間は半年程度の可能性があると説明され、5月初旬から10日間の入院で治療を開始しました。

 しかし、入院中から副作用が現れ、退院後には水をスプーン一杯飲むだけでも吐いてしまう状態となりました。食事もほとんど受け付けなくなり、予定されていた治療を最後まで続けることができず、抗がん剤は中止となりました。体重は42キロから33キロまで急激に減少しました。

 一度目の退院からわずか2週間後には脱水症状で再入院となり、何とかスプーン一杯のおかゆを食べられるまでには回復したものの、退院時には医師から「余命1〜2カ月」と告げられました。その後、訪問医や訪問看護、介護ベッドの手配などが進み、看取りに向けた準備が始まりました。

 介護保険を利用できることになり、退院前日に市役所で手続きを済ませたところ、翌日から迅速で丁寧な対応を受けることができました。短期間で必要な支援体制が整っていく様子に、日本の行政サービスや組織力のきめ細かさを改めて実感しました。

「できる限り何でも試すしかない」

 いざという時に本当に頼ることのできる親戚づきあいもなくなっていた日本の両親のために、ブラジル在住25年とはいえ、一人娘である私は、夫と3人の子供をブラジルに残して一時帰国するという選択をするしかありませんでした。

 ブラジルを離れる直前、サンパウロで長年お世話になってきた鍼灸院である東洋医学クリニックの江田倭子(しずこ)先生から、「沖縄産のヨモギ茶で胃がんが良くなった人がいるらしい」と聞き、日本でヨモギ茶を取り寄せました。「良いと言われることは、できる限り何でも試してみよう」という思いから、食事についても改めて見直してみることにしました。

 私はブラジルに来て間もない頃、サンパウロでマクロバイオティックの師匠である菊池富美雄先生と出会いました。それ以来20年近く、食事のことだけでなく、現代社会の問題、第2次世界大戦後の極東裁判、人間としての生き方に至るまで、さまざまなことを教えていただきました。

 菊池先生は「生涯自己教育」を説き、正しい食事が人生そのものを良い方向へ導くと語っておられました。また、「禾(穀物)を口にすることが平和のもと」という信念のもと、穀物を中心とした食生活が人の心と体を穏やかにし、ひいては世界の平和にもつながると考えておられました。

 私は、どんな病気も正しく生きることで改善への道が開かれるという先生の強い信念と、実際に体調を改善していった人々の姿を身近で見てきました。その経験と教えが、母を支える上で大きな力になったのだと思います。

食事療法とヨモギ茶でまさかの好転

 私が日本に帰国した後、母は抗がん剤や薬による治療を完全に中止し、マクロバイオティックを基本とした食事へ切り替えました。具体的には、発芽玄米、根菜の味噌汁、白身魚の出汁、自然塩、天然醸造の味噌や醤油を使った食事を中心に、自然塩と紫蘇だけで作られた梅干し、梅醤番茶、三年番茶、梅肉エキスなども取り入れました。

 マクロバイオティック料理にも精通した梶田シェフから、「まずは良い調味料を使うこと」、特に塩の重要性を教えていただきました。それまで母は減塩を続けていましたが、それがすべての人にとって最善とは限らないことを考えるようになりました。さらに、朝夕の食後には沖縄産ヨモギ茶を毎日継続して飲むようにしました。

 こうした食生活を始めて約3週間後、母は「ふくらはぎの痛みがなくなった」と話し始めました。長期間続いていたひどいむくみも少しずつ改善していきました。さらに、大根おろしや小豆とかぼちゃの煮物など、体内の余分な水分の排出を助けるとされる食事も積極的に取り入れました。1カ月半ほど経つ頃には足首の骨が見えるほど腫れが引き、歩く時の痛みもなくなりました。3カ月目にはむくみは完全に見られなくなりました。

 その変化は血液検査にも表れました。食生活を見直してから約3カ月半後には、悪性腫瘍の指標として確認されていた腫瘍マーカーがほぼ正常値まで低下し、肝機能に関わるアルブミン値も改善しました。医師からも「このような患者さんは非常に稀です」と言われました。

 その後のレントゲン検査では、発症から約半年後、肺と肝臓に転移していたがんについて「消えている」と説明を受けました。リンパ節への転移についても、消失している可能性が高いとのことでした。

 その後も母は胃カメラ検査や抗がん剤治療の再開を望まず、「食欲があり、食べることがおいしいと感じられるまでに回復した。今の食事を続けて、それで寿命が尽きる時が来たら、その時はその時」と話しています。

 なぜこのような経過をたどったのか、私には分かりません。食事の見直しや生活習慣の変化がどの程度影響したのかも断言することはできません。ただ、余命1〜2カ月と告げられた母の体に、確かな変化が起きたことだけは事実でした。

人間本来の生き方とは

 余命宣告から一年以上が経過した現在も、母は元気に日常生活を送り、自然塩や天然調味料、沖縄産ヨモギ茶を続けています。私はこの経験を通じて、食事を見直し、自分の体と向き合うことの大切さについて改めて考えるようになりました。

 ブラジルへ戻ってからこの話をしたところ、アチバイア在住の中沢宏一さんが自宅の農園で食用ヨモギの栽培を始められました。おかげで、現在ではブラジルでもヨモギ茶を継続して飲める環境が整い、ありがたく感じています。

 ヨモギはポルトガル語で「アルテミジア(Artemísia)」と呼ばれます。教養豊かな友人から、その名がギリシャ神話の女神アルテミスに由来すると教えてもらいました。それを聞いて以来、ヨモギが古くから世界各地で薬草として親しまれてきたことにも自然と関心を持つようになりました。

 ヨモギには抗酸化作用や抗炎症作用、血行促進などさまざまな働きがあるとされています。また、婦人科系の不調や更年期障害への効果が期待されるという報告もあります。私自身は専門家ではありませんが、昔から人々が身近な植物を健康維持に役立ててきた知恵には学ぶべき点が多いように感じています。

 母のがんが見つかった直後、私は現代の原因不明の病気について考えるきっかけになると思われる二冊の本も読みました。一冊は若杉友子氏の『体温を上げる料理教室―いまの健康法は間違っている 正しい食事に変えなさい』、もう一冊は船戸崇史氏の『がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法』です。

 特に印象に残ったのは、がんは「低体温」「低酸素」「急激な高血糖」といった体内環境を好むという考え方でした。その考え方がすべて正しいかどうかは私には分かりませんが、自分自身の生活習慣や食生活を見直すきっかけにはなりました。

 母の末期がんという現実に直面したことで、私は病気への向き合い方だけでなく、健康とは何か、人は何を食べ、どのように生きるのかということについて改めて考えるようになりました。

 医療の進歩によって多くの命が救われる一方で、日々の食事や生活習慣もまた私たちの体を支えているのかもしれません。今回の経験を通じて、人間が本来持っている回復する力や、自然と共に生きてきた先人たちの知恵について、これからも学び続けていきたいと思っています。