現時点では法的拘束力はないものの、
今後の制度化に向けた第一歩として大きな意義を持っています。
業者から提示された「契約書」及び「重要事項説明書」の内容と『高齢者等終身サポート事業者ガイドライン』の内容を突き合わせする
記載されていない項目と内容が明瞭になり、事前確認と契約するかの判断基準になる
「具体的な指標」を用いて、自然と複数の業者間で比較・検討するようになる(後悔を少なくする)
【Google AI概要】
厚生労働省や関係府省庁は2024年6月に、身寄りのない高齢者などを支援する民間サービスを対象とした「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定・公表しました。
ガイドラインの目的
・適正運営の確保:トラブル防止と健全な事業発展
・利用者保護:判断能力が低下した高齢者の利益を守る
対象となるサービス(3分類)
・身元保証:医療機関や介護施設での身元保証・手続き支援
・死後事務:葬儀、納骨、遺品整理、財産処分など
・日常生活支援:買い物代行、通院付き添いなど
主な遵守・留意事項
・契約時:重要事項説明書の交付、契約内容の丁寧な説明
・資金管理:預託金(前払金)の事業者資金との分別管理(信託などの活用推奨)
・履行時:サービス提供記録の作成・保存、定期面談による意向把握
・禁止事項:不当な勧誘や、死因贈与・遺贈・寄附を契約の条件とすることの回避
■いわゆる「高齢者等終身サポート事業」の利用に関する注意点
出典:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_018 消費者庁
高齢者等に対して身元保証や死後事務、日常生活支援等を行ういわゆる「高齢者等終身サポート事業」(高齢者サポートサービス)を利用するに当たっては、サービス内容、ご自身の支払能力などについて、ポイント集も参考に確認していただき、不安がある場合は消費生活センターや地域包括支援センターに相談しましょう。









出典:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_018

■高齢者等終身サポート事業者ガイドラインについて
出典:https://user.yurokyo.or.jp/info/view/666 2024年08月01日
2024年6月11日に、政府は、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を公表しました。
高齢者等終身サポート事業者とは、身元保証、入院や介護施設等への入所の際の手続支援、日常生活の支援、葬儀や死後の財産処分などの死後事務等について、家族・親族に代わって支援する民間サービス事業者です。
少子化や家族の形の多様化などにより、頼れる家族がいない高齢者が増える中、家族からの支援を受けられず高齢者等終身サポート事業者を利用するケースがあり、利用者の安心等を確保してくことが必要という観点から、遵守すべき法律上の規定や、留意すべき事項等を整理して策定されました。
本ガイドラインと主なポイントは、高齢者等終身サポート事業者を利用する利用者が事業者を選択する目安にもなります。また、利用者が簡単に確認できるようチェックリストも掲載しておりますのでご活用ください。
以下主なポイントの出典:https://www.mhlw.go.jp/content/001262635.pdf

・高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(全体観)
※詳細内容は本ページの最終部に再記載
出典:https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/suishinhonbu/dai2/pdf/siryou2-2.pdf
令和6年6月
内閣官房(身元保証等高齢者サポート調整チーム)
内閣府 孤独・孤立対策推進室
金融庁
消費者庁
総務省
法務省
厚生労働省
経済産業省
国土交通省



・チェックリスト


■身元保証等高齢者サポートサービスについては
監督官庁が存在せず、許認可制でもない現在の法制度下では、高齢者の資産と生活を守るための規制が圧倒的に不足していると言わざるを得ない(注8)。
・民間の身元保証サービスの光と影
こうした家族機能の弱体化による「保証人空白」を埋めるべく、急速に拡大したのが民間の身元保証ビジネスである。これらの事業者は、身元保証のみならず、日常生活支援、死後事務(葬儀・納骨)、遺言執行までをパッケージ化し、「家族代行」としてサービスを提供している。しかし、これらのサービスを利用するには、数十万円から数百万円に及ぶ高額な契約金や預託金が必要となるケースが一般的であり、経済的に余裕のある高齢者しか利用できないという側面がある。
図表2は、実際に事業者が提示している費用構造の一例を示したものである。入会金や契約金といった初期費用に加え、将来の弁済や死後事務に充てるための「預託金」を含めると、契約時点でまとまった資金が必要となることが読み取れる。この金額規模は、限られた年金のみで生活する多くの単身高齢者にとって利用しにくい。

<再記載>

・ 社会的解決への転換
「身元保証」の壁を打破するためには、民法上の扶養義務や従来の契約慣行が、現代の家族形態に追いついていないことを直視し、
「家族依存」から「社会保障」へと舵を切る必要がある。
解決に向けては第一に、身元保証人が担わされてきた役割を分解することである。
「金銭債務の保証」
「緊急時の連絡先」
「医療の意思決定支援」
「死後の対応」。
これらを一人の親族(または一企業)に丸投げするのではなく、
機能ごとに社会的な代替策を講じる視点が求められる。
出典:⑤-3-3-1.預託金なし「おひとりさま」終活支援に保険 東京海上日動が全国展開&『死後事務委任契約』
■身元保証などの高齢者サポートサービスをめぐる契約トラブルにご注意
出典:https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190530_1.html 独立法人 国民生活センター[2019年5月30日:公表]
近年、高齢者の単独世帯が増加傾向にあるなか、高齢者を対象とする身元保証や日常生活の支援、死後事務等を行うサービス(以下、身元保証等高齢者サポートサービス(注1))が広まってきています。
一方で、全国の消費生活センター等には「契約内容をよく理解できていないにもかかわらず、高額な契約をしてしまった」等の契約時のトラブルのほか、「解約時の返金額に納得できない」等、解約時のトラブルについて相談が寄せられています。

2013年度の相談件数は85件、2014年度の相談件数は99件、2015年度の相談件数は177件、2016年度の相談件数は127件、2017年度の相談件数は74件、2018年度の相談件数は101件です。
- (注1)本資料における「身元保証等高齢者サポートサービス」は、一人暮らしの高齢者等を対象とする、身元保証や日常生活支援、死後事務等に関するサービスのことをいう。具体的には、医療機関への入院や老人福祉施設等への入所、賃貸住宅等の契約の際の身元保証・身元引受等のサービスや、買い物等の日常の生活支援や見守り支援、死後の葬儀支援等のサービスが行われている。なお、「身元保証等高齢者サポートサービス」は高齢者以外も契約当事者になる場合がある。
- (注2)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。2019年4月30日までのPIO-NET登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。
相談事例
預託金を支払うように言われているが、詳細な説明がない
頼れる親族がいない中、身元保証サービスや亡くなった後の事務手続等を代行する事業者とサポート契約をしたら、預託金を支払うように求められた。契約内容などの詳細について理解できていなかったこともあり、更なる高額な預託金の支払いを躊躇(ちゅうちょ)していたところ、担当者から「明日どうなるか分からない。一刻も早く預託金を支払うように」と急がされた。詳細な説明もない中で、このような事業者の対応に困惑しているが、どうしたらよいか。
(60歳代 女性)
※その他、以下のような相談も寄せられています。
- 契約内容がよく分からず高額なので解約したい
- 事業者に勧められるままにサービスを追加して思ったより高額な契約になった
- 契約するつもりのなかったサービスも含まれていた
- 約束されたサービスが提供されないので事業者に解約を申し出たところ、説明のないまま精算された
相談事例からみられる問題点
- サービス内容や料金等を理解できていないまま契約している
- 約束されたサービスが提供されないことがある
- 解約時の返金をめぐってトラブルになることがある
消費者へのアドバイス
- 自分の希望をしっかりと伝え、サービス内容や料金等をよく確認しましょう
- 預託金等の用途や解約時の返金に関する条件について予め確認しておきましょう
- 契約内容を周囲の人にも理解してもらうよう心がけましょう
- 契約や解約に際しトラブルになった場合にはすぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう
*消費者ホットライン:「188(いやや!)」番
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
■身元保証等高齢者サポートサービスをめぐる消費者トラブルの防止のため、相談事例を紹介するとともに、消費者への注意喚起を行います。

1.相談事例(カッコ内は受付年月、契約当事者の属性)
【事例1】契約内容がよく分からず高額なので解約したい
今一人暮らしをしている。高齢でもあり、今後入院したり、アパートに入居したりする際の心
配が出てきた。福祉サービスの窓口に相談したところ、身元保証などのサポートサービスをする
事業者があることを情報提供され、事業者から話を聞いたうえで申し込みをした。入会金、身元
保証支援費等が約40万円かかり、月会費は3,000円である。しかし、よく考えると高額であり、具
体的にどのようなサービスを受けられるのか等、契約の内容もよく分からないまま契約してしま
ったため、不安になった。解約できるか。
(2018年7月受付 80歳代 男性)
【事例2】事業者に勧められるままにサービスを追加して思ったより高額な契約になった
他県で介護施設に入所している義母の担当ケアマネジャーから「役所などに手続きをしに行く
とき付添いをするサポートが1時間3,000円で受けられる」という話を聞いた。義母のところへす
ぐに行くことが難しいという事情もあったため、このサポートを行う事業者に問い合わせたとこ
ろ「サービスを受ける本人が契約を行い、家族が立ち会う必要がある。難しければ司法書士に立
ち合ってもらうことも依頼できる。入会金が10万円、司法書士への依頼料が2万5,000円かかる」
と説明された。後日、事業者から「手続きが済んだ」と連絡があった際に「月額1万円で身元保
証サービスを付けないと24時間サポートはできない。みんな付けている」と言われたので、身元
保証の契約も追加した。その後、契約書類等が届き、入会金や諸費用で総額約30万円かかると記
載があった。毎月1万円を長期的に支払っていくことを考えると、費用の負担が大きいように思
った。解約したい。
(2018年5月受付 80歳代 女性 ※相談者:50歳代 女性)
【事例3】預託金として100万円を支払うように言われているが、詳細な説明がない
頼れる親族がいない中、知人から紹介されて、身元保証サービスや亡くなった後の事務手続等
を代行する事業者とサポート契約をした。費用を支払った記憶があるが、その他に預託金として
100万円を支払うように求められた。契約内容など、その詳細について理解できていなかったこと
もあり、更なる高額な預託金の支払いを躊躇(ちゅうちょ)していたところ、担当者から「明日どうなるか分からない。一刻も早く預託金を支払うように」と急がされた。詳細な説明もない中で、このような
事業者の対応に困惑しているが、どうしたらよいか。
(2018年8月受付 60歳代 女性)
【事例4】契約するつもりのなかったサービスも含まれていた
一人暮らしで今度老人ホームに入居することになったが、入居に際して身元保証が必要と言わ
れ、事業者の身元保証サービスを勧められた。後日、入居予定の老人ホームに来るよう言われ、
事業者の担当者から長時間にわたって説明を受けたが、契約内容を理解できないまま契約し、担
当者に100万円を支払った。後になって契約内容を調べたところ、生活支援サービスや葬儀サービ
スなどが含まれている契約であることが分かった。身元保証以外のサービスを解約することはで
きるか。 (2018年12月受付 80歳代 女性)
【事例5】約束されたサービスが提供されないので事業者に解約を申し出たところ、説明のない
まま精算された
入居していた老人ホームから高齢者住宅に転居することにした。身元保証人がいないため転居
できないでいたところ、知人に身元保証サービスや死後事務支援等のサポートを行う事業者を勧
められた。事業者には「定期的な安否確認等を行うため緊急時の対応もスムーズにできる」と言
われ、140万円を支払って契約した。契約から1年程経つが定期的な安否確認がなかったり、緊急
対応のために必要な書類が一向に作成されなかったりするなど、事業者に不信感が募ったため、
解約を申し入れた。解約は承諾されたが返金額について事業者から何らの説明もないまま、50万
円だけが振り込まれた。十分なサービスも受けていないにもかかわらず、納得できない。
(2018年11月受付 70歳代 女性)
2.相談事例からみる問題点
(1)サービス内容や料金等を理解できていないまま契約している
身元保証等高齢者サポートサービスには身元保証だけではなく、日常生活の支援や死後の事務
等を行うものもあり、事業者によって提供されるサービスの内容や組み合わせ等は様々です。ま
た料金体系についても、入会金や年会費・月会費を支払う場合のほか、サービス利用回数や利用
時間単位により料金が定められている場合があります。
そのため相談事例をみると、高齢者等がサービス内容や料金等について十分に理解できていな
いままに高額な契約をしているケース(事例1~4)がみられます。
具体的には
勧誘時に事業者から「みんな付けている」などと勧められるままにサービスを追加し、費用の負担が大きいと感じているケース(事例2)のほか、
契約内容が理解できていない状況で支払いを急がされたケース(事例3)、
支払った後で契約したつもりのないサービスが含まれていたことに気付いたケース(事例4)等の相談が寄せられています。
(2)約束されたサービスが提供されないことがある
契約に含まれている定期的な安否確認の連絡がこなかったケース(事例5)や、
病院への送迎サービスを契約したのに「今は忙しい」等と送迎を断られたケース等、
約束されたサービスの提供がなかったという相談が寄せられています。
なお、過去には契約後に事業者が破産し、その後のサービスを受けられなかっただけでなく、
預けていた金銭が返金されなかったこともありました4。
(3)解約時の返金をめぐってトラブルになることがある
身元保証等高齢者サポートサービスは継続的な契約をする場合もあり、中途解約をする際に預
託金等の返金をめぐってトラブルになることがあります。
相談事例をみると、
十分なサービスが提供されないため解約したところ、返金額について事業者から説明がないまま精算されたというケース(事例5)のほか、
預託金等について、解約時に一切返金しないと言われたり、返金すると言いながら一向に返金されなかったりしてトラブルになったケースもあります。
3.消費者へのアドバイス
(1)自分の希望をしっかりと伝え、サービス内容や料金等をよく確認しましょう
身元保証等高齢者サポートサービスを契約する場合は、まず自分がどのようなサービスを望ん
でいるのかを事業者にしっかりと伝えましょう。
そのうえで、提供されるサービスの内容や条件(どのような場合にどのようなサービスが受け
られるか)、料金体系(いつ、いくらを、どのサービスに対して支払うのか、支払うことになる総
額)等をよく確認しましょう。
契約内容がよく分からなかった場合や、事業者に契約を急がされた場合でもその場で契約せず、周囲の人に相談するなどして十分に検討しましょう。
特に死後事務に関するサービスが提供されるのは自身の死後となり、適切にサービスが履行さ
れたのかを確認することができないため、より具体的に契約内容を確認しておきましょう。
なお、自治体が高齢者を支援するサービスを実施している場合もあるため、お住まいの地域で
提供されているサービスについても調べてみましょう。
(2)預託金等の用途や解約時の返金に関する条件について予め確認しておきましょう
契約時に預託金等を支払う必要がある場合には、その金銭の用途や目的・管理方法などについ
て契約前に確認しておきましょう 。
預託金等は、解約時にその全部または一部が返金される場合があります。
預託金等の返金についてトラブルにならないように、
予め解約時の返金の有無や条件を確認し、不明な点があれば事業者に十分な説明を求めましょう。実際に解約する場合には、返金額の内訳や算定基準を事業者に確認しましょう。
(3)契約内容を周囲の人にも理解してもらうよう心がけましょう
突然の事故等が起きた場合等は、せっかくの備えを自分で周囲の人に伝えることができなくな
ることもあります。万が一の時に、自分の代わりに親族や周囲の人が迅速に入院等の手続きを進
めることができるよう、契約しているサービス内容や事業者の連絡先を伝えておいたり、分かり
やすいところに掲示しておいたりしましょう。
(4)契約や解約に際しトラブルになった場合にはすぐに最寄りの消費生活センター等に相談し
ましょう
*消費者ホットライン:「188(いやや!)」番
最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号
です。
4.情報提供先
・消費者庁 消費者政策課(法人番号 5000012010024)
・内閣府 消費者委員会事務局(法人番号 2000012010019)
・厚生労働省 医政局 総務課(法人番号 6000012070001)
・厚生労働省 老健局 高齢者支援課(法人番号 6000012070001)
・厚生労働省 老健局 振興課(法人番号 6000012070001)


出典:https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20190530_1.pdf
■【弁護士解説】なぜ「ガイドライン」が必要だったのか~高齢者等終身サポート事業と身元保証の現在地~
出典:https://www.akarihosho.jp/column/367/ 2025/06/03

■はじめに
「身元保証」や「高齢者等終身サポート事業」という言葉を耳にされたことはありますか?
近年、医療・福祉・死後事務までを支援するこの分野が急速に注目を集めています。その背景には、高齢化の進展と単身高齢者の増加という社会構造の変化があります。
国立社会保障・人口問題研究所によると、65歳以上の一人暮らし世帯は、2020年の738万人から、2050年には1084万人へと増え、身寄りのない高齢者は約460万になると推計されています。

しかし、こうした終身支援サービスの需要が高まる一方で、制度が追いついていなかったのも事実です。2024年6月にようやく策定された「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」は、何を目的として整備されたのか——本稿ではその背景をわかりやすく解説いたします。
■高齢者支援の現場では、“無償の身元保証”が限界に
身元保証人がいない高齢者が入院や入所を希望する場合、現場ではケアマネジャーや施設職員が“善意”で身元保証や死後事務の一部を担ってきました。
しかし、これは本来の職務外であり、介護現場の過重負担や責任問題を引き起こしてきました。行政もようやく重い腰を上げ、高齢者等終身サポート事業者の役割拡充と制度化に向けた検討を始めることとなりました。
■高齢者等終身サポート事業とは?
「高齢者等終身サポート事業」とは、身寄りのない高齢者を対象に、以下のような支援を提供するサービスです。
• 医療・介護施設での身元保証
• 死亡後の手続や遺品整理などの死後事務
• 買い物代行や通院付き添いなどの日常生活支援
これらのニーズに応えるべく、葬儀業、不動産業、介護事業者、ボランティア団体など多様な事業者が次々と参入しており、全国で500社以上に達していると推定されます。
しかし中には、法的な知見や資金管理能力に乏しい業者も存在しており、消費者被害の温床にもなりかねない状況でした。
■契約トラブル・破綻リスク――日本ライフ協会事件に見る課題
この分野の問題点を象徴するのが、2016年に破綻した「公益財団法人日本ライフ協会」の事件です。
約2600人の契約者から預かった約2億7000万円を流用し、12億円の負債を抱えて破綻しました。契約時に約150万円の支払いしていた契約者に返還された金額は平均してわずか15万円でした。
このように、「身元保証や死後事務の契約」は長期にわたる一方で、費用は契約時に一括払いされることが多く、利用者が本当にサービスを受けられるかどうかの検証が困難です。
さらに、契約者の多くが高齢者であり、判断能力の低下も契約リスクを高める要因となっています。
■制度整備の道のりと、ガイドライン策定の背景
こうしたトラブルを受けて、2017年に内閣府消費者委員会が制度整備を提言しました。2023年には総務省行政評価局が事業者実態調査を行い、消費者保護の必要性が改めて確認されました。
そして2024年6月、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」が正式に発表されました。
現時点では法的拘束力はないものの、今後の制度化に向けた第一歩として大きな意義を持っています。
次回以降のコラムでは、高齢者等終身サポート事業者ガイドラインの内容を、順次掲載させていただきます。
■■高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(詳細内容)■■
出典:https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/suishinhonbu/dai2/pdf/siryou2-2.pdf


第1 全般的な事項
1 ガイドラインの目的
○ 高齢化の進展や核家族化等に伴い、高齢者の単独世帯が増加してきている。
特に高齢期には、医療機関への入退院や施設への入退所などの重大なライフ
イベントに直面することも多い。その際に、身寄りがない、家族がいても身近
に頼れる人がいない状況にある高齢者等の意思決定等を支援する仕組みが求
められている。
〇 こうした中、近時、高齢者等に対して身元保証や死後事務、日常生活支援等
のサービスを行う事業(以下「高齢者等終身サポート事業」という。)が増加
しており、今後、その需要の更なる増加が見込まれる。
〇 また、「身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する
調査」(令和5年8月総務省行政評価局)をはじめとし、高齢者等終身サポー
ト事業者に関する課題提起が行われている。
○ 高齢者等終身サポート事業については、将来にわたる身元保証等サービス
であることや死後事務サービスを含むものであり、契約が長期にわたること、
サービス提供に先行して一部費用が前払いされるなどのため契約内容の適正
な履行を確認しにくいこと、判断能力の低下が懸念される高齢者を主な対象
としているため、契約者の意思能力の有無等をめぐって事後的に争いが生じ
る可能性があること等の課題があることから、一般的な契約に比べ利用者保
護の必要性が高いなど、民法(明治 29 年法律第 89 号)、消費者契約法(平成
12 年法律第 61 号)等の民事法の規律等も踏まえ、適正に事業が営まれること
が重要といえる。
○ こうした観点から、高齢者等終身サポート事業者の適正な事業運営を確保
し、高齢者等終身サポート事業の健全な発展を推進し、利用者が安心して当該
事業を利用できることに資するようにするため、本ガイドラインを策定する
こととしたものである。
○ 本ガイドラインは、高齢者等終身サポート事業者の参考となることはもと
より、利用者による事業者判断の目安ともなり得るものである。事業者・利用
者が簡便に確認できるように別紙チェックリストも作成しているため、併せ
て活用されたい。
○ なお、提供されるサービスの目的は、高齢者等の意思決定等を支援し、死後
まで含めてサポートするためのものであることから、本ガイドラインでは、こ
れまでの「身元保証等高齢者サポート事業」という呼称 1を「高齢者等終身サ
ポート事業」と呼称することとしている。
○ 提供されるサービス内容等については、事業者と利用者の契約に基づき決
定されるものであるが、本ガイドラインは、現時点において事業者が取り組む
ことが重要と考えられる事項等を取りまとめたものである。
<再記載>


2 ガイドラインの対象
○ 高齢者等終身サポート事業については、表1のとおり、提供しているサービ
ス内容が多岐にわたるものであるが、
主に「身元保証等サービス」、
「死後事務サービス」、
「日常生活支援サービス」に分類できる。
○ これらのサービスのうち、日常生活支援サービスにおいては、家事代行サー
ビス等、事業者によっては必ずしも高齢者等を主な利用者とするものではな
く、また、当該サービスのみを単独に提供している事業所が一定数あるものと
考えられることも踏まえ、本ガイドラインでは、以下の3つの要件をみたす事
業者を主な対象とすることとする。
1)「身元保証等サービス」及び「死後事務サービス」を提供するものである
こと
2)本人(契約者)と締結した契約に基づき、サービス提供するものであるこ
と
3)事業として継続的に提供するものであること
(注)ただし、本ガイドラインは、各種業法による規制が及ばない高齢者等終身サポー
ト事業者について、一定の指針を示すものであることから、弁護士、司法書士、行
政書士等の業法に基づく規制等が既に存在している業種を対象外とするが、これ
らの業種において本ガイドラインに記載している業務を行う場合には、本ガイド
ラインを参考とすることが考えられる。
<参考情報>
現時点では法的拘束力はないものの、
今後の制度化に向けた第一歩として大きな意義を持っています。
○ ただし、高齢者等に対する支援については、必ずしも「身元保証等サービス」
及び「死後事務サービス」を提供する事業者のみが担うものではない。死後事
務サービスのみを提供する事業者など表1のような支援に関わるその他の関
係者についても、本ガイドラインを参照することが望ましい。
【表1】高齢者等終身サポート事業において提供されるサービスの例


(出典)身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調
査結果報告書(令和5年8月総務省行政評価局)から一部改変。
3 サービス提供に当たっての基本的な考え方
○ 高齢者等終身サポート事業においては、利用者本人の尊厳を守り、自己決定
を尊重することが重要である。
○ このため、定期的に利用者と面談する等により、必要な情報や支援を提供し、
利用者本人の意思や考えを引き出すなど、利用者本人の価値観や選好に基づ
く意思決定を行えるよう配慮することが重要である。日常生活支援サービス
を併せて提供する場合には、その機会を活用することも考えられる。
○ さらに、利用者の状況に応じて、自ら提供するサービスに加え、関連する各
種制度やサービスを提供する事業者等 3との連携・役割分担を図りながら、利
用者の視点に立った支援が行われることが望ましい。
○ 利用者の判断能力が低下しているおそれがある場合には、必要に応じて関
係機関と連携の上、成年後見制度等の手続について検討するとともに、その際
にも、利用者本人の自己決定を尊重するための支援を行うことが重要である。
<参考情報>
⑤-3-3-5.成年後見制度のデメリットを回避するなら「家族信託」という選択肢も
■家族信託
「親族間に争いはないし、詐欺にあう危険性も低い。でも、将来の認知症による資産凍結は防ぎたい…」 「もっと家族の想いに沿った、柔軟な財産管理がしたい…」このようにお考えの方に、ぜひ知っていただきたいのが「家族信託」という選択肢です。
家族信託は、成年後見制度の多くのデメリットをカバーし、元気なうちから始める「オーダーメイドの財産管理」を実現する仕組みとして、近年非常に注目されています。
■家族信託とは?成年後見制度との違いを比較表で解説
本人が元気で判断能力があるうちに、信頼できる家族(例えば子)との間で契約を結び、自分の財産(不動産、預貯金など)の管理や処分を託す制度です。
「私が認知症になったら、このアパートの経営と預金の管理を長男に任せる」といった内容を、あらかじめ契約で具体的に決めておくことができます。
成年後見制度との違いを比較すると、その特徴がより明確になります。

■生前贈与や資産活用も可能!家族信託のメリット
比較表からもわかるように、
家族信託には成年後見制度にはない、多くのメリットが存在します。
あらかじめ契約で定めておくことで、本人の判断能力が低下した後でも、受託者(管理を託された家族)が以下のような行為をスムーズに行えます。
成年後見制度では裁判所の許可が必要で非常に困難なこれらの行為も、
家族信託なら家族の判断で迅速に実行できます。
出典:⑤-3-3-5.成年後見制度のデメリットを回避するなら「家族信託」という選択肢も
出典:⑤-3-4.「死んだはずの人」がATMで振り込み?高齢者を食い物にする「身元保証サービスの闇」~甚野博則著より転記~ & 『成年後見制度』を悪用し爆益…後見人の合法詐欺スキームに注意せよ~不動産Gメン滝島~ &『家族信託』によるオーダーメイドの財産管理
第2 契約締結に当たって留意すべき事項
○ 高齢者等終身サポート事業者は、利用者との契約締結に当たって、民法で定
められた契約の一般原則や消費者契約法に定められた消費者契約に幅広く適
用される民事のルールに従う必要がある。この前提を踏まえつつ、高齢者等終
身サポート事業の特徴に鑑み、特に以下の点に留意することが重要である。
1 公正な契約手順の確保について
(1) 契約内容の説明について
・ 高齢者等終身サポート事業においては、契約の相手方が高齢者中心であ
り、場合によっては加齢等によりこれらの者の判断能力が既に低下してい
る可能性も考えられる。このため、高齢者等終身サポート事業者は、あら
かじめ利用者の意思能力を丁寧に確認した上で契約を締結することが必
要である(民法第3条の2参照)。
・ また、消費者契約法上、事業者は、消費者契約の締結について勧誘をす
るに際しては、消費者の理解を深めるために、消費者に必要な情報提供を
することが求められる。具体的には、「物品、権利、役務その他の消費者
契約の目的となるものの性質に応じ、事業者が知ることができた個々の消
費者の年齢、心身の状態、知識及び経験を総合的に考慮した上で、消費者
の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供する」
措置を講ずるよう努めなければならない(消費者契約法第3条第1項第2
号)。
この点に関し、判断能力の低下が懸念される高齢者を主な対象としてい
ること、契約期間が長期間にわたること、サービス内容が多岐にわたるこ
と等の高齢者等終身サポート事業の特徴を踏まえ、高齢者等終身サポート
事業者は、契約に際して重要な事項に関する説明を行う際には、個々人ご
とに提供するサービス内容や、利用者の判断能力が低下した場合の対応方
針などの以下の事項について、利用者本人との面談等を通じ、利用者の年
齢、心身の状態、知識及び経験を踏まえた丁寧な説明を行うとともに、重
要事項説明書として作成・交付することにより、利用者の理解促進に努め
ることが重要である。
<再記載>
一方で、全国の消費生活センター等には「契約内容をよく理解できていないにもかかわらず、高額な契約をしてしまった」等の契約時のトラブルのほか、「解約時の返金額に納得できない」等、解約時のトラブルについて相談が寄せられています。

2013年度の相談件数は85件、2014年度の相談件数は99件、2015年度の相談件数は177件、2016年度の相談件数は127件、2017年度の相談件数は74件、2018年度の相談件数は101件です。
相談事例
預託金を支払うように言われているが、詳細な説明がない
頼れる親族がいない中、身元保証サービスや亡くなった後の事務手続等を代行する事業者とサポート契約をしたら、預託金を支払うように求められた。契約内容などの詳細について理解できていなかったこともあり、更なる高額な預託金の支払いを躊躇(ちゅうちょ)していたところ、担当者から「明日どうなるか分からない。一刻も早く預託金を支払うように」と急がされた。詳細な説明もない中で、このような事業者の対応に困惑しているが、どうしたらよいか。
(60歳代 女性)
※その他、以下のような相談も寄せられています。
- 契約内容がよく分からず高額なので解約したい
- 事業者に勧められるままにサービスを追加して思ったより高額な契約になった
- 契約するつもりのなかったサービスも含まれていた
- 約束されたサービスが提供されないので事業者に解約を申し出たところ、説明のないまま精算された
相談事例からみられる問題点
- サービス内容や料金等を理解できていないまま契約している
- 約束されたサービスが提供されないことがある
- 解約時の返金をめぐってトラブルになることがある
・重要事項として、具体的には、以下の事項等が考えられる。
1)契約者に対して提供するサービス内容や費用
※ 包括的に示すのではなく、入会金や預託金などを区分して示すとともに、サー
ビス利用の都度支払う費用がある場合には、その旨を明確に示すことが重要で
ある。
※ サービスごとの利用場面や費用の内訳などについて、利用者が理解しやすい
ように記載することが望ましい。
2)当該利用者の費用の支払方法
※ 契約時に支払う費用、サービス利用の都度支払う費用(一定時期に利用分をま
とめて費用を支払うもの)等、支払うタイミングと金額、方法が具体的に分かる
ように示すことが重要である。
※ 特に、預託金から差し引く方法で費用を支払う場合には、当該利用者にとって
費用の詳細が不透明になることが考えられるため、差し引かれた費用の金額と
内容について明らかにすることが望ましい。利用者とのトラブルを回避する観
点からは、費用の支払により預託金が不足した場合の追加預託の時期や条件に
ついて事前に示しておくことも考えられる。
3)契約者に対して提供するサービスの履行状況を確認する方法
4)入院・入所等が必要となった場合における対応方針、医療に係る意思
決定の支援
※ 入院・入所等が必要になった際などに、本人が希望する医療や介護をより円滑
に提供する観点から、本人の希望をあらかじめ書面に残しておくことが望まし
い。書面の内容等については、面談等を活用し、定期的に本人の意思を確認する
ことが望ましい。
5)利用者の判断能力が低下した場合の対応方針
6)契約するサービスの債務不履行や不法行為により利用者に損害が発生
した場合の賠償に関するルール
※ 事業者の債務不履行責任又は不法行為責任を免除する条項(免責条項)を定め
る際には、消費者契約法第8条に適合するように留意する必要がある。
具体的には、
事業者の損害賠償責任の全部を免除する条項、
事業者の故意又は重過失による場合に損害賠償責任の一部を免除する条項、
事業者の責任の有無や限度を自ら決定する条項は無効となる。
7)契約するサービスの解除方法・解約事由や契約変更や解約時の返金に
関する取扱い
※ 高齢者等終身サポート事業においては、契約期間が長期であったり、契約金額
が高額な場合もあり、契約の途中で解約を求める可能性も高いことが考えられ
る。解約等に関する取扱いについては、こうした性質に鑑み、以下の点に特に留
意する必要がある。
① 解約等に関する取扱いについて、重要事項説明の際に書面を交付して説明
することが特に望ましい。
② 解約料等に関しては、消費者契約法上、当該消費者契約の条項において設定
された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約
の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるものは、平均
的損害を超える部分については無効となる(消費者契約法第9条第1項第1
号)。このため、高齢者等終身サポート事業者は、解約料を定める際には、本
条項に適合するよう留意する必要がある。
③ 事業者は、消費者から解約料について説明を求められた場合、解約料の算定
根拠の概要を説明する努力義務を負う(同条第2項)。
ここでいう算定根拠の概要とは、
違約金等を事業者が設定するに当たって考慮した事項、
当該事項を考慮した理由、
使用した算定式、
金額が適正と考えた根拠など
違約金等を設定した合理的な理由を意味するものと考えられる。
(参考)適格消費者団体 4が、高齢者等終身サポート事業者が使用していた解約料
条項について、
消費者の利益を一方的に害する条項であり無効(消費者契約法第 10 条)であるとして、
差止請求し、最終的に和解した事案がある5。
4 不特定かつ多数の消費者の利益を擁護するために差止請求権を行使するために必要な適
格性を有する消費者団体として内閣総理大臣の認定を受けた法人(消費者契約法第 13
条)。
5 消費者庁「京都消費者契約ネットワークと一般社団法人京都高齢者支援協会との裁判外
の和解について」
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/collective_litigation_system/abo
ut_qualified_consumer_organization/release39/2018/pdf/release39_180622_0001.pdf)
消費者庁「京都消費者契約ネットワークと一般社団法人京都高齢者支援協会との間の裁判
上の和解について」
(https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_system_cms203_200219_02.pdf)
8)預託金の管理方法等
9)死後事務として提供されるサービスの内容
10)寄附や遺贈に関する取扱方針
11)個人情報の取扱方針と管理体制
12)相談窓口の連絡先
・ 高齢者等終身サポート事業に関連した消費生活相談には、これまで、「契
約書が交付されていない」といった相談が寄せられている。高齢者等終身
サポート事業の性質に鑑みて、契約内容を明確化するために、契約書を作
成し、利用者に交付することが重要である。
・ 高齢者等終身サポート事業が判断能力の低下が懸念される高齢者を主
な対象としていること等を踏まえ、
契約の効力についての争いを未然に防止する観点からは、
契約締結時に第三者(医療・介護関係者、利用者の親族等)の立会いを求めることが考えられる。
(2) 取り消される可能性のある勧誘方法について
・ 消費者契約法は、消費者に対し、事業者の不当な勧誘によって締結した
契約の取消権を認めている(消費者契約法第4条)。
消費者契約法が定める不当勧誘には、誤認を通じて消費者の意思表示に
瑕疵をもたらすような不適切な勧誘行為、
具体的には、
不実告知(同条第1項第1号)、
断定的判断の提供(第1項第2号)、
不利益事実の不告知(第2項)、及び困惑を通じて消費者の意思表示に瑕疵をもたらすような不適
切な勧誘行為、
具体的には、
不退去(第3項第1号)、
退去妨害(第3項第2号)等がある 6
6 消費者庁「逐条解説」第4条以下の解説参照。
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/annotat
ions/)
・ 高齢者等終身サポート事業においてもこれらを遵守する必要があると
ころ、特に、契約の相手方が高齢者中心であることが想定され、場合によ
っては加齢等によりそれらの者の判断能力が既に低下し、現在の生活の維
持に不安を抱いている可能性も考えられる。例えば、高齢者等終身サポー
ト事業者が勧誘を行う場合であっても、契約を締結しなければ現在の生活
の維持が困難となる旨など消費者の不安を煽るような説明を避け、誠実な
説明を行うとともに、本人の意思に基づいて契約を締結することが必要で
ある(消費者契約法第4条第3項第7号参照)。
2 提供するサービス内容ごとの留意事項
○ 高齢者等終身サポート事業には、「身元保証等サービス」、「死後事務サービ
ス」、「日常生活支援サービス」等が含まれ得るところ、契約締結に当たって留
意すべき主な事項は以下のとおりである。
(1) 身元保証等サービス
・ 身元保証等サービスについては、
医療機関への入退院、
介護施設等への入退所の手続等の支援・代行、
連帯保証(身元保証)、
緊急連絡先の指定の受託、
緊急時の対応、
身柄の引取り等を行うことが考えられるが、
具体的な支援内容やその費用については、
重要事項説明書を用いて、利用者に丁寧に説明するとともに、
契約書に明記した上で契約を締結することが重要である。
ア 入院・退院等及び入所・退所等への支援
・ 利用者が希望する事項(手続の代行、説明の場への同席、連帯保証(身
元保証)等)を確認し、対応する内容や費用等について丁寧に説明する
ことが重要である。
・ 連帯保証(身元保証)に関する契約をする場合には、高齢者等終身サ
ポート事業者が保証人として未払費用を負担した場合における契約者
への求償や前払預託金からの充当に関するルールを明示することが重
要である。
・ また、利用者が入退院・入退所時の支援を希望する場合には、以下の
ような事項について利用者に説明・確認することが望ましい。
かかりつけ医や担当のケアマネジャー等 7既に医療や介護を利用し
ている場合には、関係機関と連絡・情報共有することについても利
用者の了解を得ておくこと。
利用者の希望する医療や介護について、医療機関が本人の意思を尊
重した対応として、医療の提供に当たり、あらかじめ本人が書面で
残した内容を尊重することも考えられる 8。このため、医療や介護に
関する利用者の希望を書面で残すことについて、利用者の意向を確
認しておくことが望ましい。なお、利用者が希望すれば、地域で「事
前指示書」などについて、どのような実践が展開されているかを確
認し、セミナーや説明会を周知・紹介することも考えられる。書面
を残した場合には、利用者の状況や希望の変化を反映させるため、
面談等により定期的に利用者の意向を確認することについても了解
を得ておくこと。
7 ケアマネジャーのほか、相談支援専門員(障害福祉サービス)などの福祉関連サービス
に係る相談に応じる職種が考えられる。
8 厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に関する意思決定が困難な人への支援に関
するガイドライン」中、「2.(4)本人の意思・意向の確認と尊重」において、「本人の
意思を尊重した対応として、医療の提供に当たり、本人が記した、いわゆる「事前指示
書」の内容を尊重することも考えられます。本人が「事前指示書」や「エンディングノー
ト」などを記載していないか確認します」との記載あり。
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/miyorinonaihito
henotaiou.html)
イ 緊急連絡先の受託等
・ 緊急時に対応できる事項(土日・休日の対応体制等)とこれに要する
費用について丁寧に説明することが重要である。
・ 緊急連絡先の受託をする場合には、緊急時に連絡がつながるように、
高齢者等終身サポート事業者の連絡先を関係機関等に伝える方法につ
いても利用者と相談し、定めておくことが望ましい(かかりつけ医・担
当のケアマネジャー等にあらかじめ知らせておく、利用者が身に着けて
おく、利用者の自宅内の分かりやすい位置に掲示しておく等)。
・ 入院時・入所時や緊急時に連絡を希望する先の有無や連絡の可否につ
いても確認しておくことが望ましい。
(2) 死後事務サービス
ア サービス提供の合意
・ 死後事務サービスについては、死亡に係る連絡を受けた際の関係者へ
の連絡、葬儀に関する手続や携帯電話の解約等の代行業務等が考えられ
る。
その際、具体的な支援内容や、費用支払のための預託金の取扱い、
残金の扱いについて、契約書及び重要事項説明書に明記した上で、死後
事務委任契約を締結することが重要である。
・ 委任を受けた高齢者等終身サポート事業者は、委任者から請求がある
ときは、いつでも委任事務の処理状況の報告をし、委任事務が終了した
後は、委任者に対し、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければなら
ない(民法第 645 条)。このため、死後事務が終了した後はその時点で
委任者の地位にある相続人に対して報告をする必要があるところ、推定
相続人が複数いる場合、利用者の死後に委任事務の結果報告等を円滑に
行えるよう、利用者と相談の上、事情によっては、推定相続人のうち特
定の者に報告すれば足りる旨を死後事務委任契約の中で定めておくこ
とも考えられる。
・ 高齢者等終身サポート事業者は、利用者との間での死後事務委任契約
に基づき、預託金を受けることができ、死後事務に要した費用は同預託
金から精算することができる。
預託金を受ける場合、利用者の死後、預託金の返還の要否やその額な
どをめぐって利用者の相続人との間でトラブルが生じるおそれがある
ことから、高齢者等終身サポート事業者は、死後事務の内容等に照らし
て的確な預託金額を算定し、かつ、これを利用者やその推定相続人に丁
寧に説明しておくことが望ましい。
・ 委任事務の範囲を決めるに当たっては、利用者から丁寧に希望を聞き
取るとともに、利用者の死後における法的なトラブルを避ける観点から、
利用者の意思に反しない場合には、できる限り推定相続人にも事前の説
明を行うことが望ましい。利用者が事前に推定相続人に知らせないこと
を希望する場合には、死後事務委任に関する事務の執行が困難になる可
能性があることを説明しておくことが望ましい。
・ また、死後事務を履行する際には、受任者である高齢者等終身サポー
ト事業者の事務負担が過重になったり、推定相続人の利益に過度の影響
を及ぼしたりすることのないよう、費用の上限や対応期間の目安、葬儀
等について見積もりを取るべき件数等を事前に設定しておくという工
夫も考えられる。
・ 具体的な事務における留意事項の例としては、以下のものが挙げられ
る。
(ア)葬送に関する事務(葬儀・火葬・埋葬、供養・法要等)
・ 利用者の希望を踏まえ、具体的な葬送方法等を把握した上で、必要
な見積もり等を把握して利用者に説明することが望ましい。
・ なお、利用者の希望する葬送方法に応じ、散骨の場合には地方自治
体への確認のほか、樹木葬の場合等は場所の確保ができることの確認
をしておくなど利用者の希望に対応できるかを事前に確認しておく
ことが望ましい。
(イ)行政機関への届出等(年金、医療保険、税金納付等)
・ 死亡時に必要な手続について確認の上、利用者の希望を踏まえて死
後事務委任契約を締結することが重要である。
・ 年金支給停止のための年金受給権者死亡届は、市区町村への死亡届
がなされていれば、原則として届出を省略できる(※)。
※ 日本年金機構でマイナンバー登録がなされている場合(登録率は 99.8%(令
和5年9月))。登録状況は、利用者本人がねんきんネット等を通じて確認でき
るため、必要に応じ事前に確認することも考えられる。
・ 医療保険の手続については、加入している医療保険に応じて必要な
手続をあらかじめ確認しておくことが望ましい。
・ なお、利用者の死亡後の、その利用者の所得税に係る税務申告等に
ついては、相続人(相続人がいない場合等には相続財産法人)が納税
義務者となる 9ため、死後事務委任契約で税務申告等に対応すること
はできない。
(ウ)家屋等の賃貸借契約について
・ 利用者の希望がある場合には、利用者の死亡時に契約関係及び残置
物を円滑に処理することができるよう、あらかじめ、利用者(賃借人)
と受任者である高齢者等終身サポート事業者との間で、①賃貸借契約
の解除と②残置物の処理に関する死後事務委任契約を締結しておく
ことが望ましい。
・ その際、国土交通省及び法務省において、「残置物の処理等に関する
モデル契約条項」10を策定しているため、契約書の作成に当たって参
考とされたい。
10 国土交通省「残置物の処理等に関するモデル契約条項」
(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000101.html)
・ また、不動産内に残された動産類の搬出・処分についても具体的な
内容をあらかじめ調整しておくことが望ましい。形見分け等について
誰に何を渡すのか希望がある場合には、事前に利用者に確認するほか、
利用者が速やかな廃棄処分を希望する場合には、その旨を委任契約の
中に明記しておく措置を講じることが望ましい。
・ なお、推定相続人が明らかである場合には、可能であれば、推定相
続人に連絡を取り、利用者から依頼を受けた旨について了解を得ると
ともに、賃貸人にもその依頼内容を連絡しておくことが望ましい。
(エ)電気・ガス・水道等の公共料金の支払・解約について
・ 電気・ガス・水道等の公共料金の支払・解約については、受任者で
ある高齢者等終身サポート事業者が解約手続を行うことができない
場合もあるため、事前に事業者に確認しておくことが望ましい。
(オ)携帯電話の解約について
・ 携帯電話の解約については、受任者である高齢者等終身サポート事
業者が解約手続を行うことができない場合もあるため、事前に携帯電
話事業者の解約条件等に照らし、適切に履行できることを確認した上
で、携帯電話の解約に係る死後事務委任契約を締結することが望まし
い。
・ また、解約の際に死後事務委任契約書等の資料を求める携帯電話事
業者もいるため、契約の締結に併せて必要となる資料を準備しておく
ことが望ましい。
イ 死後事務委任契約と相続人との関係について
・ 死後事務委任契約の締結に当たっては、死後事務をめぐる親族等の相
続人とのトラブルを回避する観点から、委任事務の範囲を決める際に事
前に推定相続人等に説明をするなどにより、利用者の意思に反しない場
合には、契約内容について、できる限り推定相続人等に事前に了解を得
ておくことが望ましい。
・ 死後事務委任契約は、委任者が受任者に対して委任者の死後に一定の
事務を行うことを委任する契約であるところ、原則として委任者の死亡
が委任契約の終了原因とされていること(民法第 653 条第1号)との関
係で、委任者の死亡によっても委任契約が終了しないことを明確化する
観点から「委任者が死亡した場合においても、本契約は終了せず、相続
人は、委任者の本契約上の権利義務を承継する」旨を契約に明記するこ
とが望ましい。
・ なお、案件によっては利用者と推定相続人との関係に大きな問題があ
る場合もあるため、そのような場合には、「委任者の相続人からの反対等
により、委任事務の履行が不可能又は著しく困難となった場合には、受
任者は委任者の相続人に対する意思表示により、受任者としての地位を
辞任することができる」といった規定を入れておくことも考えられる。
(3) 日常生活支援サービス
○ 高齢者等終身サポート事業者が、日常生活支援サービスを実施する場
合の留意点は以下のとおりである。
・ 高齢者等終身サポート事業者が行う生活支援については、通院の送迎・
付添いや生活に必要な物品の購入、契約に基づいて利用者の意向を踏ま
えた各種手続や契約締結の支援等を行うことが考えられる。
・ 当該サービスの実施に当たっては、具体的な支援内容やその費用につ
いて、重要事項説明書を用いて、利用者に丁寧に説明するとともに、契
約書に明記した上で契約を締結することが重要である。
・ さらに、日常的に発生する支払等に関し、高齢者等終身サポート事業
者が金銭管理等を含めて行う場合には、管理する範囲や保管方法、記録
の保存、利用者の確認方法などの具体的な事項について、重要事項説明
書を用いて、利用者に丁寧に説明するとともに、契約書に明記した上で
財産管理等委託契約を締結することが重要である。
・ 利用者が希望するサービスによっては、自ら提供できない場合でも、
他の事業者を紹介するなどの対応も考えられる。また、利用者が介護保
険サービスや障害福祉サービス等の利用希望がある場合には関係機関
と連携して調整することが望ましい。
・ 高齢者等終身サポート事業者が利用者から受任した日常生活支援サー
ビスについては、利用者の許諾を得て他の事業者等との間で復委任契約
を締結することにより(民法第 644 条の2第1項)、高齢者のニーズに
対応するサービス(介護保険給付の範囲外として行うもの)を提供する
事業者やヘルパー等の介護職員が保険外サービスとして担うことも考
えられる。こうした業務分担について、ケアマネジャーの負担の軽減に
もつながることから、当該事業者等とケアマネジャーがよく連携して取
り組むことが望ましい。
3 死因贈与契約、事業者への寄附及び遺贈について
(1) 死因贈与契約及び事業者への寄附について
・ 高齢者等終身サポート事業者が、利用者との間で、死因贈与契約(利用
者が死亡したときは、利用者の財産の一部又は全部を高齢者等終身サポー
ト事業者に贈与する旨の契約)を締結することや利用者から寄附を受ける
こと(贈与契約)は、本来、それが真に利用者の意思に基づくものであれ
ば、不適切とはいえない。
ただし、死因贈与契約の締結や寄附をすることを、高齢者等終身サポー
ト事業に係る契約の条件にし、あるいは、高齢者等終身サポート事業に係
る契約とパッケージにした契約プランを設けることなど(例えば、利用者
が死亡した場合には、利用者が、高齢者等終身サポート事業者に対して、
預託金の残金を贈与する、あるいは、死後事務委任契約に基づく事務処理
の費用に充てるものとして相続財産の全部又は一部を贈与する旨の契約
を併せて締結することなど)は、死因贈与契約や寄附が真に利用者の意思
に基づくものか疑義が残るため、避けることが重要である。
・ また、上記のように契約の条件等にするのでなくとも、高齢者等終身サ
ポート事業者が利用者と死因贈与契約を締結すると、高齢者等終身サポー
ト事業者にとっては、サービス提供に係る費用をかけなければ、将来、死
因贈与を受けられる財産の額がその分増大することになる。このような利
益相反的な立場にあるため、契約内容やその後のサービス提供の状況等に
よっては、生前の利用者に対するサービスの質が低下し、利用者の死後に
相続人との間で紛争が生じるリスクもあることから、利用者との間で死因
贈与契約を締結するに当たってはこの点に十分に注意することが重要で
ある。
※ 高齢者等終身サポート事業者が、利用者との間で締結した、身元保証契約と死因
贈与契約をセットにした死因贈与契約に関して、その内容及び締結過程に照らし、
いわば社会的弱者とされる高齢者に身元保証を提供する代わりに合理的な理由も
ないままその死亡時の不動産を除く全財産を無償で譲渡させることにより同事業
者が利益を得るものであって、暴利行為といえ、公序良俗に反して無効であるとし
た裁判例がある(名古屋高裁(令和4年3月 22 日判決))。
・ 高齢者等終身サポート事業者と利用者との間の死因贈与契約について
は、当該利用者の意思に基づいて締結されたものであっても、原則として
当該利用者が生前に当該死因贈与契約を撤回することができるものと考
えられる。高齢者等終身サポート事業者においては、利用者との間で死因
贈与契約を締結する場合は、利用者に撤回の機会を与える観点から、また、
利用者の死後、相続人との間で紛争が生じるリスクを回避する観点から、
利用者に対して撤回権があることを説明し、その旨を記録しておくことが
望ましい。
※ 一般に、死因贈与契約については、原則として贈与者が生前に撤回することがで
きるとされている(最高裁昭和 47 年5月 25 日判決・民集 26 巻4号 805 頁)こと
を踏まえたもの。ただし、負担付贈与であって受贈者が既にその負担の全部又はそ
れに類する程度の履行をした場合には、その契約の全部又は一部を取り消すこと
がやむを得ないと認められる特段の事情がない限り、贈与者が死因贈与契約を撤
回することはできない(最高裁昭和 57 年4月 30 日判決・民集 36 巻4号 763 頁)
ともされている。
(2) 遺贈について
・ 遺言によって特定の者に財産を譲与することを遺贈といい、遺言の方式
には、主に自筆証書遺言(民法第 968 条)と公正証書遺言(同法第 969 条)
がある。遺贈は、遺言者本人の自由な意思に基づいてされる単独行為であ
り、作成者である遺言者のニーズに応じて、そのメリット、デメリットを
踏まえ、自筆証書遺言と公正証書遺言は使い分けられる。
・ 高齢者等終身サポート事業者が利用者から遺贈を受けようとする場合、
主な利用者が判断能力の低下が懸念される場合もあり得る高齢者が中心
であり、死因贈与契約及び寄附(贈与契約)と同様に利益相反的な状況に
なり得るため、利用者の死後に相続人との間で、利用者の遺言能力の有無
等をめぐってトラブルが生じやすいことに留意する必要がある。
高齢者等終身サポート事業者は、利用者から遺贈先の相談を受ける場合、
遺贈先として当該事業者のみを示すのではなく、他の遺贈先を選択肢とし
て示すことで、真に利用者の意思による自発的な遺贈先の選択を促すこと
が望ましい。また、事後的なトラブルを未然に防止する観点から、その過
程を記録に残しておくことが望ましい。
・ 高齢者等終身サポート事業者において、利用者から遺贈を受けようとす
る場合には、利用者である本人に遺言能力があり、その自由な意思に基づ
く遺贈であることを担保する観点から、公正証書遺言によることが望まし
い。
・ なお、遺贈を受けることを高齢者等終身サポート事業に係る契約の条件
とすることなどは、死因贈与契約及び寄附(贈与契約)と同様、真に利用
者の意思に基づくものであるか疑義が残るため、避けることが重要である。
※ 自筆証書遺言と公正証書遺言について
・ 自筆証書遺言は、軽易な方式の遺言であり、遺言者本人が遺言書の全文(財産目
録を除く。)、日付及び氏名を自書し、これに押印することによって成立するもので
あり、他人の力を借りることなく、いつでも自らの意思に従って作成することがで
き、手軽かつ自由度の高い制度である(民法第 968 条)
・ 自筆証書遺言は、いつでも、どこでも、容易に遺言書を作成することができる、
遺言の内容のみならずその存在そのものを秘密にしておくことができる、作成費
用が掛からないといったメリットがある一方、遺言者の不知・不注意等からしばし
ば方式不備が生じること、記載された内容が不明確であって要領を得ないなどし
て、遺言の効力について紛争が生じることが少なくないこと、遺言書が偽造・変造
される危険性があること、遺言書の紛失や発見されない危険性、他人による隠匿・
破棄の危険性があることなどのデメリットがある。なお、法務局の保管制度(自筆
証書遺言書保管制度)を利用することにより、デメリットの一部は軽減される。
・ 公正証書遺言は、法律専門家である公証人関与の下で、2名以上の証人が立ち会
うなど厳格な方式に従って作成され、公証人がその原本を厳重に保管するという
信頼性の高い制度である(同法第 969 条等)。公正証書遺言においては、遺言者は、
遺言の内容について公証人の助言を受けながら、最善の遺言を作成することがで
きる。また、公証人において、遺言者の遺言能力の確認なども行われる。
・ 公正証書遺言は、紛失や改変等のおそれがないこと、公証人が遺言の内容や遺言
能力の確認を行うことから一般には無効な遺言になりにくいといったメリットが
ある一方、一定の手続を要することから負担を伴うこと、作成費用が掛かることな
どのデメリットがある。
第3 契約の履行に当たって留意すべき事項
1 サービス提供の管理について
○ 高齢者等終身サポート事業には、「身元保証等サービス」、「死後事務サービ
ス」、「日常生活支援サービス」等が含まれ得るところ、高齢者等終身サポー
ト事業者と利用者との間の契約は、その内容によって「委任」(民法第 643 条)
又は「準委任」(民法第 656 条、第 643 条)と整理され得る。「委任」又は「準
委任」に該当する場合には、受任者である高齢者等終身サポート事業者は、
委任者である利用者等に対して、その請求に応じて委任事務の処理の状況を
報告する義務や、委任終了後にその経過及び結果を報告する義務を負ってい
る(民法第 645 条)。
○ また、利用者との間で法的トラブルが生じ、高齢者等終身サポート事業者が
契約上の義務を履行したか否かが争われる場合、高齢者等終身サポート事業
者は、契約上の義務を履行したことについての主張・立証責任を負うことが
ある。
○ そこで、高齢者等終身サポート事業者は、受任者として報告義務の履行を求
められる場合や法的トラブルが生じた場合に備えて、その契約の期間中、そ
の提供したサービスの時期や内容、要した費用等についてサービス提供記録
を作成、保存しておくことが重要である。
○ 加えて、上記サービス提供記録の内容については、定期的に利用者に報告す
るとともに、利用者が成年後見制度を利用している場合には成年後見人等に
も情報共有を行うことが重要である。
〇 特に、サービスを提供する中で、利用者の希望や、医療・介護を必要とする
状況なども変化することから、定期的な面談により、利用者の希望や必要とす
るサービスに変化がないか確認することが望ましい。
〇 さらに、医療や介護を必要とするなど、利用者の生活に大きな影響が生じる
変化があったときには、利用者や関係機関から高齢者等終身サポート事業に
連絡が入るよう、関係者と連絡体制を取っておくことにより、円滑に必要なサ
ービス提供が可能となる。
○ また、死後事務については、利用者自身は当該事務の履行を確認することが
できないことから、事業の適正性を確保する観点から、当該履行状況に関し、
第三者による点検等が定期的に行われる仕組み等を構築しておくことが有効
であり、利用者から推定相続人等の連絡先を聴取している場合には、推定相
続人等に報告することが重要である。
2 提供するサービス内容ごとの留意事項
〇 高齢者等終身サポート事業の契約を締結した後は、契約内容に基づき、所要
のサービスを履行する。
○ 前記1に記載した事項に加え、個別のサービスごとに留意すべき主な事項
は以下のとおりである。
(1) 身元保証等サービス
ア 医療機関への入院時、退院時等の支援
(ア)入院の際の対応について
・ 利用者が自ら手続を行うことができる場合には、利用者が手続を行
うことが原則であるが、入院手続を支援内容に含めることを契約書に
明記している場合には、利用者の意思を十分踏まえた上で、入院に係
る手続(入院手続等に関する説明への立会い、費用の支払の代行など)
について高齢者等終身サポート事業者が支援を行うことができる。
・ このほか、利用者の意向を踏まえて、入院手続の説明等の場に、高
齢者等終身サポート事業者が立ち会うことは差し支えないものと考
えられる 11。
・また、契約に基づき、入院の際に高齢者等終身サポート事業者が身
元保証等サービスを行う場合には、必要となる対応(連帯保証、入院
手続に係る支援、緊急連絡対応、身柄の引取り等)を医療機関に確認
の上、それぞれについて契約に基づく対応の可否を医療機関に伝える
ことが重要である。
その際、利用者にとって必要であるが、高齢者等終身サポート事業
者が対応できない事項については、医療機関や関係機関等とも相談し、
代替サービスの手配などを調整することが望ましい。
(イ)医療に係る意思決定支援における高齢者等終身サポート事業者の関
わり方
・ 医療同意そのものについては、利用者の身体・生命に関わり一身専
属性が高い事柄であることから、高齢者等終身サポート事業者を含む
「身元保証人・身元引受人等」の第三者には、その同意権限はないも
のと考えられる 12。本人の判断能力の程度にかかわらず、医師等の医
療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、本人による意思決定
を基本とした上で適切な医療提供を行うことが重要である。
・ 一方、同意そのものではないが、利用者が医療を必要とする場合に
備え、意思が明確な段階から事前に利用者が作成した書面を保管する
など本人の意思を代弁する関わり方は想定されるため、利用者の意思
を医療機関が把握し、利用者の希望を踏まえた医療が提供されること
に資するよう、
事前に利用者の意思を記した書面を高齢者等終身サポート事業者
が預かっている場合に、利用者の意思が確認可能な場合には確認
の上、当該書面を医師等へ渡すこと 8
利用者が希望する場合、医師等による説明の場に、高齢者等終身
サポート事業者が同席すること 13
は差し支えないと考えられる。
・ なお、意思決定が求められる時点で本人の意思が確認できない場合、
医療機関向けに作成されている「身寄りがない人の入院及び医療に係
る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」14を参照の上、
支援に取り組むことが重要である。
12 「身寄りがない人の入院及び医療に関する意思決定が困難な人への支援に関するガイド
ライン」P6参照
13 「身寄りがない人の入院及び医療に関する意思決定が困難な人への支援に関するガイド
ライン」中「3.(1)②入院計画書に関すること」中、「本人が理解できるようわかりや
すく説明を行うとともに、家族、ケアマネジャー、相談支援専門員や友人・知人など、本
人の身の回りの人で、本人の入院診療についての説明に同席を希望する人がいる場合に
は、本人の意向を確認した上で、情報提供を行います。」との記載あり。
14 厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に関する意思決定が困難な人への支援に関
するガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/miyorinonaihitohenotaiou.html
【Google AI概要】
厚生労働省の「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」は、身元保証人や家族がいない患者に対しても、医療機関が適切で安心できる医療を提供できるように作成された指針です
基本方針と主なポイント
・入院拒否の禁止:医療機関は、身元保証人や家族がいないこと(不在であること)のみを理由に入院を拒否してはならないとされています。
・本人の意思の尊重: 判断能力が低下している場合でも、固定的に捉えず、本人の意思や意向をできる限り確認し尊重する「意思決定支援」を行います。
・成年後見制度の正しい理解:成年後見人等には、原則として医療行為の同意権(手術や治療の同意など)は含まれない点に留意が必要です。
・役割分担とチーム医療:医療機関内だけでなく、ケアマネジャー、自治体、地域包括支援センターなどの地域資源・公的制度をチームとして活用し対応します。
・具体的な場面別の対応:緊急連絡先の確認、入院計画書の説明、入院費の支払い、退院支援、死亡時の遺体・遺品の引き取りなどの各段階における具体的な留意点が示されています。
(ウ)退院時における支援
・ 医療機関の退院に際しては、利用者が必要とする医療・介護の状況
に応じて、在宅での生活や、転院や入居・入所先を検討する必要があ
る。
・ 退院の見通しが立ってきた際には、高齢者等終身サポート事業者は、
医療機関や担当のケアマネジャー等の関係者に、退院後に必要と想定
される医療や介護の状況を確認するとともに、利用者の意思決定を支
援し、利用者が希望する生活を円滑に送れるようにするため、利用者
自身の退院後の生活に関する意向を確認することが重要である。
・ なお、入院後に利用者の意向を確認することも必要であるが、普段
から、面談等の機会を通じて、利用者本人が希望する医療や介護の利
用について、意向を確認し、その内容を書面にしておくことが望まし
い。
・ 利用者の意向に基づき、主治医や医療ソーシャルワーカー(既に介
護保険サービスを利用している場合には担当のケアマネジャー等を
含む)の判断も踏まえ、退院後の選択肢(転院、介護施設等への入居・
入所、退院後の通院や在宅医療の利用、介護サービスの利用等)につ
いて、利用者に分かりやすく情報を提供することが望ましい。
・ また、利用者の判断能力が不十分な場合には、成年後見人等と連携
して、意思決定の内容に応じて関係ガイドライン 15を参照しながら意
思決定の支援を実施することが重要である。
イ 介護施設等への入居・入所時、退所時の支援
(ア)入居・入所の検討に係る支援
・ 高齢期は時間とともに心身の状況が緩やかに変化し、住み慣れた自
宅での生活から、高齢者向けの支援のある住まいや介護施設等への入
居・入所を検討することが必要になる場合もある。
・ 高齢者向けの支援のある住まいや介護施設等への入居・入所への検
討が必要となった場合や、利用者から相談があった場合には、高齢者
等終身サポート事業者は、まず利用者の希望内容を確認することが重
要である。
・ また、利用者が必要とする医療・介護の状況に応じたサービスを受
けることができるよう、利用者の意向を踏まえ、必要に応じて医療機
関の関係者等や担当のケアマネジャー等とも緊密に連携し、利用者が
必要とする医療・介護の状況や考えられる選択肢について確認・相談
することが望ましい。医療・介護サービス等を現在利用していない場
合等には必要に応じて地域包括支援センター等と連携することも考え
られる。
・ こうした情報を踏まえ、利用者に対し、選択肢(住まいや施設の種
別、それぞれの特徴など)について分かりやすく情報提供し、利用者
の意思決定の支援を行うことが重要である。
・ なお、利用者の判断能力が不十分な場合には、成年後見人等と連携
して意思決定の支援を実施することが重要である。
(イ)介護施設等への入居・入所の際の対応について
・ 利用者が自ら手続を行うことができる場合には、利用者が手続を行
うことが原則であるが、入所手続を支援内容に含めることを契約書に
明記している場合には、高齢者等終身サポート事業者が、利用者の意
思を十分踏まえた上で、介護施設等の入居・入所に係る手続に関する
支援(面談等の日程の調整、重要事項説明時の立会い、必要書類の作
成及び発送並びに提出の支援、入所費用の支払など)について、利用
者の意向を踏まえた支援を行うことが重要である。
・ また、契約に基づき、入所の際に高齢者等終身サポート事業者が身
元保証等サービスを行う場合には、必要となる対応(連帯保証、入所
手続に係る支援、退所時の対応、緊急連絡対応等)を介護施設等に確
認の上、それぞれについて契約に基づく対応の可否を介護施設等に伝
えることが重要である。
その際、利用者にとって必要であるが、高齢者等終身サポート事業
者が対応できない事項については、介護施設等や関係機関等とも相談
し、代替サービスの手配など必要な調整を行うことが望ましい。
ウ 緊急連絡先の受託等
・ 入院等が必要になった場合に、高齢者等終身サポート事業者を緊急連
絡先とすることについては、特に夜間・休日の連絡体制や、医療機関や
介護施設等へ駆けつけるタイミング等についてあらかじめ利用者に説
明しておくことが重要である。なお、既に入院中や入所中の場合は、医
療機関や介護施設等にも説明をしておくことが望ましい。
・ 平時から、かかりつけ医や担当のケアマネジャー等の医療・介護の関
係者に、緊急時の連絡先として、高齢者等終身サポート事業者の連絡先
を伝えておくほか、緊急時に分かりやすいよう、利用者宅の分かりやす
いところに連絡先を掲示する、身に着けておいてもらう等の依頼をする
ことが望ましい。
・ 利用者が危篤等の緊急時に、連絡してほしい先がある場合には、当該
連絡先等を把握しておくことが重要である。その際、定期的な面談の際
等を活用し、当該連絡先等に変更がないか確認しておくことが望ましい。
また、利用者の了解が得られる場合には、先方に対し、緊急時に高齢者
等終身サポート事業者から連絡がある旨を伝えておくことが考えられ
る。
・ 医療機関等へ提出するものとして、希望する医療や介護についてあら
かじめ利用者が記載した書面を預かっている場合には、当該書面を医療
機関等に渡すことが重要である。
・ 医療機関や介護施設等から利用者が死亡した旨の連絡があった場合に
は、(2)死後事務サービスの記載を参考として対応することが重要で
ある。
(2) 死後事務サービス
ア 死後事務委任契約に基づく適正な履行について
・ 高齢者等終身サポート事業者が死後事務を履行するに当たっては、既
に利用者本人が死亡していることから、利用者の生前に締結した死後事
務委任契約に基づき、適正に事務を履行することが重要である。
(ア)葬送に関する事務(葬儀・火葬・埋葬、供養・法要等)
・ 葬儀等は利用者の死亡後速やかに行う必要があるため、利用者が死
亡した場合に速やかに高齢者等終身サポート事業者に伝わるように
事前に利用者や関係機関等と調整しておくことが重要である(高齢者
等終身サポート事業者の連絡先を利用者の自宅内に掲示する、医療・
介護の関係者へ周知しておく等)。
・ 利用者が死亡したことを把握した場合には、葬儀業者等に連絡する
など、必要な手続を進める。利用者が死亡した旨を連絡する先を把握
している場合には、当該連絡先にその旨を連絡することが重要である。
(イ)行政機関への届出等(死亡届、医療保険等)
㋐ 死亡届について
・ 利用者が死亡した場合、死亡の事実を知った日から7日以内(国
外で死亡したときは、その事実を知った日から3か月以内)に、同
居の親族、同居者、家主、地主家屋管理人、土地管理人等は、死亡
届を提出しなければならず(戸籍法第 86 条、第 87 条第1項)、同居
の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後
見受任者は、同期間内に死亡届を提出することができる(戸籍法第
86 条、第 87 条第2項)。
・ そのため、高齢者等終身サポート事業者自身が任意後見人又は任
意後見受任者であるときは、届書を作成し、死亡者の死亡地・本籍
地又は届出人の所在地の市役所、区役所又は町村役場に遅滞なく届
け出ることができる。任意後見人等ではない高齢者等終身サポート
事業者は、自身で死亡届を提出することができないため、相続人が
いるときは、死後事務委任契約に基づき、速やかに、利用者が死亡
した旨を当該相続人に連絡することが重要である。
㋑ 医療保険について
・ 利用者が加入している医療保険により取扱いが異なるため、加
入している保険に応じて手続を行うことが必要である。
(ウ)家屋等の賃貸借契約について
・ 賃貸人に連絡し、残置物の整理のための必要な手続等を行うことが
重要である。
(エ)電気・ガス・水道等の公共料金、携帯電話の支払・解約について
・ 利用者が契約していた事業者に連絡し、必要な支払、解約手続を行
うことが重要である。
イ 死後事務委任契約と相続人との関係について
・ 利用者の死後、委任事務が終了した場合には、相続人に対し遅滞なく
その経過及び結果を報告しなければならない(民法第 645 条)。
・ また、利用者の死後において、死後事務に関して生前の本人の意思と
相続人の希望とが異なる場合には、まずは高齢者等終身サポート事業者
において相続人に対して生前の本人の意向を丁寧に説明し、その理解を
得られるよう努めることが望ましい。
もっとも、相続人がなお生前の本人の意思に反して契約の解除や契約
内容の変更を求める場合には、法的な紛争を避けるという観点からは、
相続人の申出に応じて合意により契約の解除や契約内容の変更をする
ことも考えられる。
(3) 日常生活支援サービス
○ 高齢者等終身サポート事業者が、日常生活支援サービスを実施する場合
の留意点は以下のとおりである。
・ 日常生活支援サービスについては、利用の都度費用が発生するものも
あるため、実施したサービス内容や費用等について記録を残しておくこ
とが重要である。
・ 通院時の送迎・付添いや介護保険等サービスの手続支援等の業務を行
う場合には、医療機関のかかりつけ医や介護保険サービスの担当のケア
マネジャー等に日頃から定期的に連絡するなど、連携体制を築いておく
ことが望ましい。
3 利用者から金銭等を預かる際の対応について
○ 高齢者等終身サポート事業者が利用者から金銭等の預託を受ける主な局面
としては、(1)サービス提供費用の前払(預託)を受ける場合や、(2)財
産管理等委託契約に基づき利用者名義の通帳の管理等を行う場合が考えられ
る。それぞれの場合において留意すべき主な事項は以下のとおりである。
(1) サービス提供費用の前払(預託)を受ける場合の留意事項
・ 高齢者等終身サポート事業においては、例えば日常生活支援サービスや
死後事務サービスの提供のために必要となる金銭について、利用者から事
前に前払(預託)を受けることがあり得る。
・ こうした利用者からの前払金(預託金)と高齢者等終身サポート事業者
自身の運転資金等との混在を防止するとともに、高齢者等終身サポート事
業者の万が一の経営破綻等の場合における利用者の被害を極小化する観
点から、高齢者等終身サポート事業者は利用者からの前払金(預託金)に
ついて、
(1)高齢者等終身サポート事業者自身の運営資金等とは明確に区分して
管理すること
(2)利用者に定期的に管理状況を報告すること
が望ましい。また、これらの事項を適切に実施する旨を契約書に明記し、
利用者とも共有しておくことが望ましい。
・ 利用者からの前払金(預託金)の管理方法に関しては、
例えば資金決済に関する法律(平成 21 年法律第 59 号)では、
キャッシュレス決済などの送金サービスを提供する資金移動業者は、
送金にあたり顧客から受け入れた資金を原則として
供託、保全契約若しくは信託契約(又はこれらの手段の併用)により保全することが義務付けられている。
※要内容理解すること
供託については法律の定めがない限り利用できないこと、
一部の高齢者等終身サポート事業者においては信託契約を利用する慣行が既に見られ
ること等を踏まえると、利用者からの前払金(預託金)については信託銀行又は信託会社を相手方とする信託契約を利用して保全することが望ましい。
このほか、資金管理に関する知識・経験を有し、かつ財産基盤が充実し
ており、士業等の業法に基づく規制に服している別法人に預託金の管理を
委託する方法や、高齢者等終身サポート事業者自身の運転資金等と分別し
た預金で管理する方法も考えられる(※)
※ 資金決済に関する法律では、少額(5万円以下)の送金のみを扱う第三種資金移
動業については、利用者のリスクが相対的に小さいことを考慮し、(年 1 回以上の
監査法人等による監査を前提として)利用者資金を自己の財産と分別した預金で
管理することが認められている。
※ ただし、これらの方法により利用者からの前払金(預託金)を管理する場合、必
ずしも倒産隔離が効かず、高齢者等終身サポート事業者・別法人の破綻時に利用者
が十分な資金の還付を受けられない可能性があることには留意を要する。
(2) 財産管理等委託契約に基づき利用者名義の通帳の管理等を行う場合の留意事項
・ 高齢者等終身サポート事業においては、財産管理等委託契約に基づき、
(銀行との間で代理人指名手続を行った上で)利用者名義の通帳の管理や、
日常生活において使用する物品・サービスの購入又はその料金支払の代行
をすることがあり得る。
・ その場合は、利用者ごとの出納記録の作成、領収書等の保存、及び利用
者への都度の報告を行うことが望ましい(利用者からの求めがあれば報告
しなければならない)。
・ 金銭的な支払が生じる場合は、可能な限り利用者自らの支払をサポート
する形での支援を行うことが望ましいが、利用者の同意を得た上で支払を
代行するときは、利用者から預かった金銭等を高齢者等終身サポート事業
者自身の運転資金等とは明確に区分しておくことが望ましい。
4 契約の変更・解約に当たって留意すべき事項
〇 高齢者等終身サポート事業に関して、消費生活相談には、これまで、消費者
が実際に契約を解約しようとした時に、解約方法が分からないという相談が
寄せられているところ、
消費者契約法上、事業者は、消費者の求めに応じて、
消費者契約により定められた当該消費者が有する解除権の行使に関して必要な情報を提供する努力義務を負う(消費者契約法第3条第1項第4号)。
したがって、高齢者等終身サポート事業者は、利用者からの求めがあれば、利用者
が契約を解除する際に必要な具体的な手順等の情報を提供する努力義務を負う。
○ 解除方法・解約事由や契約変更や解約時の返金に関する取扱いについては、
重要事項説明書を用いて、利用者に丁寧に説明するとともに、契約書に明記
することが重要である。
○ なお、仮に消費者契約の解除に伴う違約金を定める等の場合については、適
切な額を設定することが必要である(消費者契約法第9条第1項)。
5 判断能力が低下した場合の対応について
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/suishinhonbu/dai2/pdf/siryou2-2.pdf