⑤-4-b.前立腺がん(PSA検診はやり過ぎか?)~がん防災チャンネル転記~/生態学的誤謬を知る

出典:https://www.youtube.com/watch?v=lvrA52C-WiU 2026年8月20日

■検診と死亡率のみで判断するPSA検診不要論に対する『生態学的誤謬』の視点導入

■高齢者において罹患する割合が多いので、上図を調整

■生態学的誤謬と呼ばれるワケ

・誤った推論

⇒「森」を一本の木へ短絡

⇒PSA検診は効果がない(一本の木の結論)

⇒この木(個人)でも効果がないはずだ、と決めつけている

・正しい解釈

⇒「森全体」を正しく見ると

⇒PSA検診の地域では死亡率が低下している(森=集団の結論)

⇒森を正しく見ることが、正しい判断につながる

■PSA検診で罹患者が増えたのは『症状を出さないがん』だった

・剖検(死亡者を解剖)で見つかる潜在がんは

⇒臨床で問題になるがんよりずっと多い

■罹患率急増の正体

・PSA検査という「高性能ルーペ(高感度な検査)」の登場

⇒これまで見つけられなかった小さな前立腺がんが多く発見されるようになった

■次の課題は「赤い箱(顔つきの悪いがん:生検で確認)だけ見分けること

・グリソンスコアで7以上の前立腺がん(赤い箱)

<参考情報>

・生検で前立腺がんの組織的悪性度評価(グリソンスコア)

■病期診断

・ステージ診断(CT、MRI、骨シンチ検査に基づいて)

⇒限界がある(ファジーな判定になる)

⇒手術してみないとリンパ節転移は分からない

・骨シンチ

■新しい画像検査を活用が従来の治療方針を変えさせる

出典:サブタイトル/⑤-4-2-8.リンパ節CT・骨シンチグラフ・全身MRI(DWIBS)・PSMA-PET~病期診断~

・リスク分類

出典:サブタイトル/⑤-4-3-1-1.超低リスク(群)~PSA監視療法~

■過剰診断(手術・放射線治療・ホルモン治療による副作用:QOLの低下)の割合

・高齢になるほど「放っておいてよいがん」の割合が増える

⇒検診により寿命に影響する程度が高くない「前立腺がん」を見つけてしまう割合が増える

・若い世代ほど検診の利益が高い

⇒早期発見による5年・10年生存率を高められる

⇒転移すると5年生存率が低下

<参考情報>

■診断後どのくらいたつと一般集団と同じ死亡リスクになるか?の図示の意義

・診断時に

⇒5年生存率21%と提示されるより

⇒的確な治療計画により患者の状況は刻々と変わっていく事が分かるので

⇒見通しを立てる事が可能になる

⇒仕事に対してもどのように復活しよかとの意思が生まれる

・治療を経て何年かたつと、

⇒一般の方と同じ位の死亡リスクになっていくんだとなり

⇒癌のイメージを払拭する事ができる

⇒現行の癌の治療状況に対して

⇒従来の癌のイメージにより治療実態と合っていない

■■事例■■治療計画が奏功した『前立腺がん患者』の20年間の治療事例(縦軸:PSA値、横軸:治療期間(年):10年生存率 Ⅳ期 ネット・サバイバル35.9%

■主治医との的確なコミュニケーション力(言語化できる能力)で治療計画の充実度を高めている実例

・下図2の時点でPSA値が上昇し、PSA再発、ホルモン療法開始

⇒下図3の時点まで間欠ホルモン治療を繰り返す

⇒上記期間中に海外で実施され始めた『PSMA-PET検査と治療』事例を知り、調査開始

⇒3の時点でPSA値が上昇した際、『PSMA-PET検査』を受け、転移がんを発見

⇒転移部に外照射(放射線)を実施

⇒4の時点で再度PSA値が急上昇し、再度『PSMA-PET検査』を受け、別の部位に転移がんを発見

⇒転移部に外照射(放射線)を実施

・転移がんの発見を可能にしたPSMA-PET検査と治療

⇒保険収載対象者:極めて限定された症状の患者にPSMA-PET検査(2024年)、PSMA-PET治療(2025年)が可能になった

※PSMA‑PET(PSMAイメージング剤を用いたPET検査)保険収載された

・2024年11月12日(診療報酬上の適用開始日)

⇒PSMA‑PETの保険適応は“極めて限定的”で、

⇒ 前立腺針生検でがんが見つかった直後の初期病期診断(骨シンチ・CTの代替)には保険適用されない

⇒適応は「PSMA標的療法(Pluvicto)を行う患者の適応判定」に限られます。

出典:サブタイトル/⑤-4-1.サバイバー生存率(10年生存率の計測)~伊藤ゆり 大坂医科薬科大学医学部医療統計研究室 教授~

■日本での検診による死亡率が低下しない理由

・検診の受診率が米国と比べ低い

■米国の調査結果(PSA検診率と死亡率の間に差が見られない)の致命的な欠陥があった

・ランダム統計解析で「PSA検査を受けないはずの班(群)」の中で

⇒初年度で40%、6年目で52%の人々がPSA検査を受けていた

■欧州8ヵ国のデータ(世界最大規模の無作為化比較試験)

・16万人、追跡中央値23年

■PSA検診をたとえるな『火災報知器』

・鳴った後の『確かめ方』を賢くすること

⇒PSA検診を受信しないことは『火災報知器』を取り外すことと同じ

■家族歴(父・兄弟に既往)があればリスクは高くなる

・PSA検査は40歳から

⇒リスクは平等ではない

■全員一律ではなく「ハザードマップ方式」へ

■グリーソンスコア6以下(グレードグループ1)の罹患者層

⇒監視療法で進行の兆し(PSA値の上昇が継続等)が出たら

⇒治療に切り替える

<参考情報>

■過剰治療?

・グリソンスコアの細分化(2016.v3)

■解決策(従来の生検の問題点に対して):MRI-超音波画像融合標的生検

・MRI/US fusion guided biopsyの導入

出典:サブタイトル/⑤-4-2-5.MRI-超音波画像融合標的生検

■造影剤なしのMRIでも、がんを見つける力は同じ(腎臓への負荷軽減)

・造影剤あり:マルチパラメトリックMRI(mpMRI)

※2026年4月某大学病院で 造影剤なし(bpMRI)+MRI-超音波画像融合標的生検を受けた

⇒PSA値が5⇒6⇒7に上昇(1年間)、MRIの5段階評価3(PI-RADS 3)であったが

⇒ガンは検出されず(針14本の検査で)

<参考情報>

・BRCAというのが

⇒DNAが2本壊れた時に修復する遺伝子になる

・PARP阻害薬というのは

⇒もう一つの修復経路である

⇒DNAが1本しか壊れなかった時にそれを直す因子となる

・BRCAの変異で

⇒適切な遺伝子修復ができないという状況で

⇒PARPだけが残っていると

⇒細胞ががん化したり、進展したがんが進行するけれど

⇒もう一つの修復経路であるPARPというのも阻害してあげる事で

⇒がん細胞において、細胞を細胞死に導く事で効果を発揮する

⇒故に、BRCA変異がある場合しか効きずらい

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4.ホルモン療法・化学療法~1次治療(CSPC)で使用された薬剤によって2次治療(CRPC)以降に使える薬剤はほぼ決まっている~

<参考情報>

・月額各アンドロゲン受容体シグナル阻害薬(ARSI)の治療費用

⇒高額療養費制度の活用(以下製薬は保険適用されている)

・高額療養費制度

・4回目から多数回該当

⇒医療費の負担減

注:■ 4回目以降の回数制限(Copilotの回答)

ただし、直近12か月の中で「3回」が維持されている必要がある → 古い月が12か月を超えるとカウントから外れ、4回目扱いでなくなることもある

制限なし(何回でも適用だが、間違えないように下記例を理解する事)

・例で理解する

  • 2025年6月・9月・12月に高額療養費が支給
  • 2026年1月 → 4回目で多数回該当(限度額が軽減)
  • 2026年7月になると、2025年6月分が12か月を超えてカウントから外れる → カウントが2回に戻るため、多数回該当が解除される

出典:サブタイトル/⑤-3. 高額療養費制度~ガンと診断された時~

出典:サブタイトル/⑤-4-3-4.ホルモン療法・化学療法~1次治療(CSPC)で使用された薬剤によって2次治療(CRPC)以降に使える薬剤はほぼ決まっている~